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DEATH・DREAM ──精霊達は歌う──
第七章 死剣デスファーラム
・・・レイ!早く起きろ・・・!
「だ・・・れだ・・・?」
俺はかすかに目を開けた。すると目の前にクロアがいた。
「やっと眼が覚めたか・・・」
クロアの声が懐かしく思え、すぐにその返答をした。
「あぁ・・・・・・・・・さっきのは夢だったのか」
俺はそういいながら起き上がった。すると腹に痛みが走る。
「イテテ・・・」
「どうしたんだよ・・・。」
・・・夢じゃないのか?・・・そう思った俺は自分の頬を触れた。すると液体の感触がした。・・・血だ。
「やっぱり・・・この傷は本物か・・・」
・・・・・・少しの間沈黙になる。
「その傷は?」
クロアが俺に問う。
「これは・・・信じられないかもしれないが、夢の中の出来事が現実となって起こっているみたいだ。つまり、夢の中で頬を切られれば、現実の世界の自分も頬が傷つく。夢の中で死んでしまえば、現実世界の自分も死ぬ、と言うことだ」
俺が長々と説明を終えると、クロアは突然俺の手首をつかみ、走り始めた。
「レイ!その話と関係あるかもしれない・・・とりあえずミゼラスの家にいくぞ。ミゼラスの家はもうすぐ近くだ。」
クロアは、走りながら言う。
「ちょっ、腹痛いって・・・!」
自分は腹部を手で押さえながら軽く走った。痛みは数分すると無くなり、普通に走れるようになった。
「・・・ここだ」
ここがミゼラスの村。数キロ先には小さな港があり、中央には『散布気香炉』と書いた機械的な建物が建っている。もちろん港の先はフレアド湖だ。
「そこがミゼラスの家」
クロアが指を刺す。
「あぁ、わかった。ところでお前はどこに行く気だ?」
おれはクロアに聞いた。だがその言葉はそよ風にかき消されてしまった。
その後はミゼラスの家に行った俺は布で出来た扉を開け中に入った。
「ミゼラース!」
「ん?・・・おぉ!レイじゃねーか!」
俺は軽く会釈をし、クロアの行き先を聞いた。
「クロアはどこに行ったんだろう?」
ミゼラスは少し間をおいて話し始めた。
「あいつは今日夢を見たらしいんだ。少年と戦い敗れたらしい。その少年の名は、フレアド」
「フレアド!?」
ミゼラスは頷き、また話を始めた。
「そしてクロアはその剣を受け継いだのさ。継承者として・・・。その剣の名前は死剣デスファーラム」
デス・・・ファーラム・・・。フレアドの剣を受け継ぎし者・・・クロア。
「実は、俺もその夢を見たんだ。俺は、フレアドに負け、腹を殴られた。夢かと思いきや、現実の世界でも腹を殴られた後の痛みは残っていたし、頬を切られた傷も残っている・・・。偶然じゃないだろう」
ミゼラスは腕を組み、クロアの居場所を教えてくれた。
「なるほど・・・まぁ、クロアは『散布気香炉』の中に居る」
俺は頷き、『散布気香炉』へと走った。
眼で見たよりも遠く、『散布気香炉』へ着いたときにはもう、ミゼラスの家が見えなくなってた。
「よぉ・・・レイ。何でここに居るんだ・・・?」
この声はクロアだ!
「お前、死剣デスファーラムを手に入れたのか・・・?」
俺は振り返りながら話した。
「そうなんだ。見せてやるよ・・・」
そういうとクロアは唱えた。
漆黒の翼 諸刃の剣
己を傷つけ 死を招く
煉獄の復讐・・・
継承者へと継ぐ 舞い降りろ
我が元に・・・
クロアの右手が黒いオーラに包まれた。
「それがデスファーラム・・・」
俺は呆気にとられた・・・。
「グゥゥウァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・心体を傷つける代わりに、暗黒の力を得た。俺の力見せてやる・・・」
・・・なんだ・・・・・・!
「ハアアァァ・・・!!!」
クロアは手を前へ翳し、黒い球体のようなものを放った!
「な・・・何をする気だ・・・?」
黒い球体が当たった部分は異世界へと消えてなくなっていた。
「この力を持ってすれば、何が来ようと心配ないだろ・・・」
・・・確かにこの力は凄い・・・。だがいつもみたいに努力をして解決していくクロアは居なくなってしまったのか・・・。
「確かに、何が来ようと平気かもしれない・・・。だがいつものクロアはどこに行っちまったんだよ・・・」
「・・・意味が分からないな・・・。そこまで言うならいいだろう。本物の『クロア』を取り戻してみろ!」
そう言うとクロアは矛先を俺に向けた。
「勝負だ!!」
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