<甘い蜜の罠、高速料金値下げ> 全国の高速道路で早ければ今月下旬にも大幅な料金値下げが始まる。 これから地方部で実施される値下げによって、 休日の地方での高速道路は「1,000円で乗り放題」になると喧伝されている。 値下げに必要な財源、年間5,000億円は特別会計の財源で賄うことになる。 与党のこの政策は民主党の高速道路無料化案に対抗する形で急遽編み出された。 世論の反応は悪くはない。 しかし目先だけ見れば嬉しい与党の政策も、 民主党の無料化政策も、将来に禍根を残す誤った政策だ。 なにがどう問題なのか。個別論の前に私たちが問いたいのは、 政府が一方的に料金引き下げを決定出来るような会社は、 そもそも民営会社といえるのかという点だ。 旧国鉄は民営化され、いまJR各社に生まれ変わっている。 たとえば東海道新幹線を運行するJR東海に政府が突然、 料金の大幅値下げを指示し実施させることが出来るかといえば無理であろう。 しかし高速道路会社はほとんど抵抗せず引き下げに応じている。 経営の根幹に関わる料金体系の大幅変更が、 時の政権の意向でこんなに簡単に決められることに疑問を抱くのは当たり前だ。 経営方針を会社が責任をもって決定出来ないとすれば、 いま会社が国民に約束している債務の返還も守られる保証は一切ない。 事実、採算がとれない高速道路建設の見直しは、 すでに無視され、およそすべての高速道路が建設される見込みだ。 将来、必ず膨大なツケが国民に回される。 先に進む前に道路関係4公団は民営化でどんな会社に生まれ変わったかざっと振りかえる。 まずは日本道路公団が3社に分割され、 首都高速、阪神高速、本州四国連絡橋の各公団が株式会社となり計6社になった。 6社の上に「日本高速道路保有・債務返済機構」(以下「機構」)が置かれた。 各社はパーキングエリアなど若干の資産を所有するが、 肝心の高速道路は機構が保有し6社は機構からリースして運営する。 各社のもうひとつの役割、高速道路を建設するか否かを決定し、 それに必要な資本を調達することだ。 だが各社が建設する高速道路は完成すると機構に所有権が移る。 建設費用、つまり借金も機構がすべて引き受ける。 機構が全責任をとるのであるから、 どれほど採算の合わない高速道路建設プロジェクトであっても、 各社が独自の経営判断で建設を思いとどまることはない。 一方、機構は独立行政法人で、事実上、国の組織、つまり道路局そのものだ。 したがって金融機関はどれほど採算がとれそうになくても資金を出すだろう。 こうして返済不能な借金を背負っても最終責任のない会社は気楽である。 また会社は利益を出さなくてよいとされているために、 企業としての経営努力など期待すべくもない。 この名ばかりの株式会社各社は機構に胡座をかくファミリー企業そのものだ。 なんのことはない民営化とは名前ばかりで旧公団時代となにも変わらないのだ。 道路改革をなし遂げたとして高い評価を受けた小泉首相も、 民営化推進委員会委員の猪瀬直樹氏も狡猾に国民世論を欺いたのである。 道路改革はその出発点においてこれほど間違っていた。 そのことを直視しない限りその延長線上にどんな政策を導入しても 間違いは増幅されるばかりだ。 だが道路官僚も道路族も甘い蜜の味のするこの巨大利権は手放したくないと願い、 ありとあらゆる骨抜きにかかっている。 先述の料金値下げに必要な5,000億円は結局、税金、つまり、 道路特別会計のお金で賄われるが、これは一体何を意味するだろうか。 道路で得た資金を他に回すかわりに道路につぎ込むにすぎない。 道路局のお金が他所に回らず道路に回る。 一般財源化はこの分だけ逆戻りするのだ。 国民にあまねく利益をもたらすには高速料金値下げより、 ガソリンの暫定税率を下げるほうが余程、有効だ。 政府案の高速料金値下げの恩恵を受けるのは、 休日に、高速道路を、普通車で走り、しかもETCを使用する という4条件を満たす人に限られる。 トラック輸送のコストが下がるわけでも、 高速を使わない国民が恩恵を受けるわけでもない。 しかし例えば、ガソリンの暫定税率を下げれば、ガソリンを使う人、業界、すべてが潤う。 それによって国民負担は兆円単位で軽減される。 一部の人だけでなく国民ほぼ全員が潤う暫定税率の見直しが、 優先されてもおかしくないが、そうならないのは、 道路官僚らが、「収入」を減らすことに断固反対だからだ。 道路局が支配するおカネの入りを減らすかわりに、 自分たちの“持ち分”から5,000億円を出す。 しかも、それは道路関連で出す。 彼らの誰ひとりとして痛痒を感じないはずだ。 (週刊新潮 2009年3月19日号 桜井よしこ) ETC特需に浮かれている場合ではありません。 踊らされているのは国民なのです。 誌面の中にはさらに、 「国土交通省道路局にはこれまで約6兆2,000億円の 道路整備特別会計のカネが流れ込んできた。 防衛省予算の4兆8,000億円、 食料自給率を上げようと必死になっている農林水産省予算の2兆5,000億円を はるかに上回る巨額資金を道路局一局が手にしてきたのである。 この特別会計のお金を一般財源として道路以外にも使うことが福田内閣の下で決定され、 今年4月から施行される」 とあります。 道路にかかるお金が 食料よりも、 さらには国民の生命、財産を守る国防費よりも多いのです。 15年〜20年以上前のオンボロの海上保安庁の巡視船が
本来は買い換えるべきものを、予算がなく、修理して使っています。 海上保安庁のあの働きに報いることなく、 ボロ船で竹島を守り、尖閣を守り、国を守らねばならないのです。 |

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正直こちら(自分の家の方面)の方も、道路のことばっかり考えるのは如何かと思っています。あちこちで工事をしていますが、何故そこに大きな通りが必要なのか判らない部分もあり・・・道路族いい加減にして、と思うこともあります。高速には殆ど乗らないので、値下げされても関係ないですし、ETC付ける気もないですので。
[ 菜月結衣 ]
2009/3/27(金) 午後 1:15
こんにちわ。経済の流通という意味ではとても重要な事だと私は思っています。そして財政の事を心配なさるなら、ぜひ『国債を刷れ』
http://www.amazon.co.jp/dp/4883926788/
こちらを一読する事をお薦めします。目が点になりますね。
[ 鉄人4号 ]
2009/3/27(金) 午後 3:51
菜月結衣さん
高速乗らない人は直接は関係ないですからね。
私は月6万円くらい は使いますから・・・
2009/3/27(金) 午後 4:26
Xマンさん
情報ありがとうございます。
勉強させていただきます。
2009/3/27(金) 午後 4:29
やはりそういう裏があるんですね。
桜井女史は鋭いです。
「日本高速道路保有・債務返済機構」
変な組織ですよね。
いい勉強になりました。
傑作
2009/3/27(金) 午後 4:50
桜井さん 目の付け所が流石ですね
尊敬します
傑作
[ 道後 ]
2009/3/27(金) 午後 5:03
seijinさん
桜井さん主催の国基研に参加し、
よい勉強させていただいています。
国は本当に必要なところにお金を使うのではなく、
あくまで自分たちの都合ですよね。
休日に、高速道路を、普通車で走り、しかもETC。
少なくとも私は恩恵がほぼありません。
傑作ありがとうございます。
2009/3/27(金) 午後 5:20
水大師さん
桜井さんの月例研究会はとても勉強になります。
私も尊敬します。
傑作ありがとうございます。
2009/3/27(金) 午後 6:38
問われているのは構造そのものだと思います。
実は高速道路はほとんど使いませんが、
料金所も全てETCのようになって、
渋滞を緩和すること、
同時に人件費を削ってもらいたいと考えます。
ETCも国民監視に使われるという話もありますが、
田舎の料金所まで人が24時間はり付いている状態も
決して 良 とは考えませんので。
それにしても現在の搭載機無し状態、
ひどいものです。
騒ぎが収まるまで様子を見ます。
2009/3/29(日) 午後 6:58
a_sap2100さん
今回の件、いろいろお気の毒です。
料金所に張り付きは是正してほしいものです。
しかし、あの人たちの人件費は聞くと安いもので、
それより採算度外視の公団の体質のままの現状のつけは
巨額です。
まずは大きな金額と体質を何とかしなければと思いますが、
結局は国民負担なのでしょう・・・
2009/3/29(日) 午後 8:07
確かに麻生政権の、この高速道路料金値下げは以上です。
とても景気対策と呼べる代物ではありません。
上記以外にさらに付け加えるなら・・・
JR、航空各社はこの政策で減収になるでしょう。
他の民間企業との競争条件が著しく不公正になります。
2009/3/29(日) 午後 8:08
こかげさん
コメントありがとうございます。
仰るとおりで、
確かに景気対策としては一部だけの盛上がりですし、
民間となった高速会社のみを優遇するような政策は
不公平です。
景気対策としてはこれのみでは
期待できるものではありませんが、
いろんな景気対策を総合して、
早く実行して、国民に示している と言う意味においては
やらないよりはましなような気がしますが・・・
2009/3/29(日) 午後 8:27
あんまり海保の巡視船をボロ船ボロ船いうのもなんですが、海保予算は全然足りてません。世界有数の広大な排他的経済水域を持つのにわずか350隻で切り盛りしている海保は本当にご苦労様です。本来は海自がやらなきゃいけない任務まで押し付けられていますからね。
2009/3/30(月) 午後 1:19
後ろの6時さん
耐用年数を過ぎてもさらに5年は使用のようですが、
海洋国家として予算はつけるてやるべきと思います。
ご苦労様なことはそう思いますが、
思えばこそ何とかしてやってほしいものです。
老朽化をボロ船というのは確かに申し訳ありませんが、
道路公団のようにいいおもいしているのがいる反面、
大変苦労している海上保安庁には任務とはいえ
すまないものです。
2009/3/30(月) 午後 4:18