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さくらの花びらの「日本人よ、誇りを持とう」
保守の会会長 松山昭彦のブログ

書庫修身

布田保之助(ふた やすのすけ)と通潤橋(つうじゅんきょう)
 
熊本の町から東南十数里、緑川の流れに沿うて、白糸村(しろいとむら)というところがあります。
あたり一面高地になっていて、緑川の水は、この村よりずっと低いところを流れています。
また、緑川に注ぐ二つの支流が、この村のまわりの深いがけ下を流れています。
白糸村は、このように川に取り囲まれながら、しかも、川から水が引けないところです。
それで、昔は、水田が開けず、畠(はたけ)の作物はできず、
ところによっては飲み水にも困るくらいでした。
村人たちは、よその村々の田が、緑の波をうつのを眺めるにつけ、豊かに実って、
金色の波が打つのをみるにつけ、どんなにか、うらやましく思ったでしょう。
 
今からおよそ百年ほど前、この地方の総庄屋に布田保之助(ふたやすのすけ)という人が
ありました。保之助は村々のために道路を開き、橋をかけて交通の便をし、
堰(せき)を設けて水利をはかり、大いに力を尽くしましたが、
白糸村の水利だけはどうすることもできないので、村人たちと一緒に、水のとぼしいことを、
ただ嘆くばかりでした。
 
いろいろ考えたあげくに、保之助は、深い谷を隔てた向こうの村が、白糸村よりも高く、
水も十分にあるので、その水をどうかして引いてみよう、と思いつきました。
しかし、小さなかけいの水ならともかくとして、田をうるおすほどのたくさんの水を引くのは、
なまやさしいことではありません。
 
保之助は、まず木で水道をつくってみました。ところが、水道は激しい水の力で、
ひとたまりもなく壊され、堅い木材が深い谷底へばらならになって落ちてしまいました。
けれども、一度や二度のしくじりで、志のくじけるような保之助ではありません。
今度は、石で水道をつくろうと思って、いろいろ実験してみました。水道にする石の大きさや、
水道の勾配を考えて、水の力のかかり方や、吹きあげ方など詳しく調べました。
とりわけ、石の継ぎ目から、一滴も水を漏らさないようにする工夫には一番苦心しました。
そうして、やっと、これならばという見込みがついたので、まず谷に高い石橋をかけ、
その上に石の水道をもうける計画を立てて、藩に願い出ました。
 
藩の方から許しがあったので、一年八カ月を費やして、大きなめがね橋をかけました。
高さが十間余り、幅が三間半、全長四十間。
そうして、この橋の上には、三すじの石の水道がつくってありました。
 
始めて水を通すという日のことです。保之助は、礼服をつけ、短刀を懐にして、
その式に出かけました。
万が一にも、この工事がしくじりに終わったら、申し訳のため、その場を去らず、
腹かき切る覚悟だったのです。
工事を見届けるために来た藩の役人も、集まった村人たちも、他村からの見物人も、
保之助の真剣なようすを見て、思わずえりを正しました。
 
足場が取り払われました。しかし、石橋は、びくともしません。
やがて水門が開かれました。水は、勢い込んで長い石の水道を流れてきましたが、
石橋はその水勢に耐え、相変わらず谷の上に高くどっしりとかかっていました。
望みどおりに、水がこちらの村へ流れ込んだのです。
「わあ」という喜びの声が上がりました。
保之助は、永い間、苦心に苦心を重ねた難工事ができ上がったのを見て、
ただ涙を流して喜びました。
そうして、水門をほとばしり出る水を手に汲んで、おしいただいて飲みました。
 
まもなく、この村にも、水田の開ける時が来て、百町歩(ぶ)ほどにもなりました。
しだいに村は豊かになり、住む人は増えて、藩も大いに収益を増すようになりました。
橋の名は通潤橋(つうじゅんきょう)と名付けられ、
今もなお深い谷間に虹のような姿を横たえて、一村の生命を支える柱となっています。
(第五期(昭和十六年)・初等科修身三より)
 
 
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    ランクリ

    あまのじゃく

    2011/9/8(木) 午前 9:28

  • どこぞのゼネコン元幹事長に読ませたいです^^

    傑作・ランクリ○です。

    近野滋之

    2011/9/8(木) 午前 9:33

  • こんにちは。

    昔の庄屋さまは立派な方が多いですね。
    それに比べて、今のお偉いさまは・・・。
    金満自己中の塊です。

    傑作
    応援クリック

    [ - ]

    2011/9/8(木) 午前 10:39

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    終身講座(10)出席○

    昔から公より民に卓越した人物が居たんですね。
    素晴らしい、滅私奉公精神です。
    傑作・くり

    [ 敬天愛人 ]

    2011/9/8(木) 午前 11:01

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    日本の偉人達には、ただただ頭が下がる一方です。
    決して偉ぶらず惹けちらかさず・・・

    修身の授業を必ず復活させなければなりません!

    ★!

    ジョウジ

    2011/9/8(木) 午前 11:57

  • 今の政治家にこの人の10分1の気概でもあったら・・・
    やはり、教育から見直さないとだめですね。自虐史の歴史教育。はき違えた平等感。義務を果たさず権利の主張・・・

    傑作・ランクリです。

    緋色

    2011/9/8(木) 午後 1:58

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    転載させて頂きます。

    応援&今日のランクリ 傑作ポチ凸

    hito

    2011/9/8(木) 午後 4:16

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    これもまた、良いお話です

    傑作、ポチ

    red

    2011/9/8(木) 午後 6:45

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    このような堅牢な橋を架けるだけでも大変なことなのに、
    100mを超える石の暗渠を正確に仕込む技術力に驚きました。
    こういった先人の努力が、現在の日本の技術力になっていますね。

    傑作、ランクリです。

    [ nadarechan1113 ]

    2011/9/8(木) 午後 7:01

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    滅私奉公の精神こそ今の時代一番に必要ですね。
    先人を敬う心こそ日本の誇りの淵源ですね。

    傑作
    ランクリ

    アメブロにタイトル同じで移行。

    2011/9/8(木) 午後 10:48

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    ( ´ー`)y─┛チァーパーボェー
    何年か前にここ行きました いい仕事してますよねー

    傑作&ランクリ

    にっぽに屋にっぽん

    2011/9/8(木) 午後 10:51

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    江戸時代になって城が作られず、石積み工法は廃れてしまったのかと思っていましたが、この地では受け継がれていたのですね。

    傑作

    [ - ]

    2011/9/8(木) 午後 11:01

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    こんばんはっ!

    本日も素晴らしい記事を有難うございますっ!!

    是非、子供たちに知ってほしいですね♪

    つくづく左翼の馬鹿共に覚悟と信念すらないのが分かります(怒)

    傑作!

    [ ちびっこライダー ]

    2011/9/8(木) 午後 11:02

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    なんと素晴らしい奉仕精神ですね。人々の暮らしをよくしたいという強い愛念で、この工事を研究工夫してやり遂げたということですから、いかにも日本人の研究工夫の心の根源が何処にあるかを教えるようなお話です。
    ほんとに修身は素晴らしい授業であったのに、これを封建的で悪いものとする左翼思想がおかしいことがよく判ります。
    傑作ランクリ

    [ さざんか ]

    2011/9/8(木) 午後 11:38

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    転載させて頂きます。
    傑作ランクリ

    [ kakinoki ]

    2011/9/8(木) 午後 11:40

  • 通潤橋は何度か訪れた事があります。素晴らしい記事をありがとうございました。

    傑作&ランクリ

    [ 鳳山 ]

    2011/9/8(木) 午後 11:57

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    応援&今日のランクリ ポチ凸

    hito

    2011/9/9(金) 午前 0:17

  • このようなモノづくりの技術は日本の財産ですね。初めて知りましたが、こんな激しい水の勢いにもびくともしないのですから驚かされます。傑作、クリ

    遊坊zz

    2011/9/9(金) 午前 2:10

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    本日も受講しました。

    傑作・ランクリ。

    urusaioyaji

    2011/9/9(金) 午前 5:30

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    志の高さとは、まず心が民の方向に向かっていないとダメなのですね。多くの人々の益を第一に生きること(生かされること)の大切さを学ばせて頂きました。☆

    ピコさん

    2011/9/9(金) 午後 8:58

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