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栞と紙魚子、諸星大二郎/古書狩り、横田順彌/出久根達郎、紀田順一郎

ジョン・ダニングの「古書」をテーマにしたミステリ(死の蔵書他、ハヤカワ文庫)は、とても面白い。
ところが、既に、シリーズ四冊を読み尽してしまっている、とほほ。
しかし、考えてみれば、類書がいっぱいあるのだと気が付いた。

古書、古本屋が登場するミステリは、翻訳ものでも、国内物でも、山ほどあるさと気を取り直したのだが。
実際には、足は短し手は長し、ちょうどぴったりのものがない。
しかたがないので、コミックスでも読むかと考え直したら、おっと、大好きな諸星大二郎にも古書が絡む話があったはずだと思いだした。コミックス「栞と紙魚子」シリーズである。これが、もう滅法おもしろいのである。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/ee/b9/bones_the_moon/folder/778690/img_778690_30929549_35?1246783728.jpg

ところでこの表紙の絵を見て、思わず笑ってしまった。
なぜかって?
この二人の美しきおねいさんは、わたしの敬愛するプロガー、AさんとBっちさんのイメージに、似てないか?
絵だけではない、物語の中のキャラがまた、ぴったし・・痛っ。逃走。逃走。逃走。


諸星大二郎の『栞と紙魚子(しおりとしみこ)』
(朝日ソノラマ→ソノラマコミック文庫)
主人公は、二人の女子高生。
栞は、新刊書店の娘。どこかネジが抜けている。紙魚子は、古書店「宇論堂」の娘。古本マニアで、いつも奇怪な本を持ち出してくる。このコンビが絶妙である。
物語は、いつもの諸星調の綺譚のようで、もう少し日常の世界よりの話か多い。例えば。
栞が死体の首を拾ってくる。扱いに困り相談すると。紙魚子はそれではと「生首の飼い方」という本を持ってくる。そんな問題かあ。そんな本あるのかい。と、読み手は突っ込みながら笑い転げることができる。もう抱腹絶倒である。このオカシサ、伝わってるかなあ?


https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/ee/b9/bones_the_moon/folder/778690/img_778690_30458186_30?1245847537.jpg

古書にまつわるミステリ。こんどこそ小説の話である。
ほとんど読んだことのない国産の有名どころを、まとめて読んでみた。

出久根達郎
(むほん物語☆☆、紙の爆弾☆☆)、
紀田順一郎
(古本街の殺人☆☆☆、神保町の怪人☆☆☆★、古本屋探偵の事件簿☆☆☆、古書収集十番勝負☆☆☆)

…さすがは老練、どれも読み応えがある。
しかし、いまひとつ、楽しめない。
出久根さんのは、何か社会派サスペンスのような話で、そんなアクチュアルなものは読むつもりはないのである。ああ、時代ものの「御書物同心日記」(☆☆☆☆)は、あんなに面白かったのに。

紀田さんの方は、古書マニアにまつわる話を、ミステリ仕立てにしたものである。どれも、なかな読ませる。マニアの世界、稀覯本の世界を覗き見できる楽しさもある。読み疲れるほど読みごたえもある。しかし、どこか評論家先生の小説だなあという感じが残る。笑い転げさせてくれるような抜きどころがないのである。わたしの好みから言うと、どこかで脱線したり、転覆したり、昇天したりしてほしいのである。
それではと読んでみたのが、これである。

横田順彌
(古書狩り☆☆☆☆)

これも、古書マニアにまつわる話をミステリ仕立てにした短編集である。
しかし、ミステリといっても、こちらは多彩である。
SFあり、綺譚あり、スラプスティックありで、お得意のはちゃめちゃ風味が混じる。
わたしの好みでは、これがイチバンである。
ミステリファンには軽すぎるとか、古書マニアにはちゃかしすぎだとか言われてしまうのかもしれないが、実は、巧みな小説でもあるなあと、笑い転げながら感心もしてしまったのである。

古書街で見かけた美女と老人の謎の行動…、その秘密を解く鍵は古本のどこに隠されているのか?本の取り憑かれた者の執念を描いた表題作。狙った古書の獲得のためなら悪魔に魂まで売る男たち。恋愛よりもコレクションを選んだ男の恐るべき末路。鬼気迫るもの、爽やかな結末のもの、古書マニアの驚くべき姿を描いた最高に面白い連作小説集。(ちくま文庫)

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TBありがとうございました。「日常よりの話」なのですか、それ。月野さんがAさんやBさんをどうご覧になっているのかがうかがえます(笑)。

2009/7/9(木) 午後 0:17 冴 返信する

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諸星大二郎の作品、これはぜひ読まなくちゃいけないですね。ボクもこの手のむちゃくちゃなストリーが大好きなんです。

ボクが日本の小説で面白かったのは梶山俊之の「せどり男爵」です。

2009/7/9(木) 午後 10:17 [ sho*ha*ng*5 ] 返信する

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えっ、私ってこんなイメージ・・・?なんだかとっても性格が悪そうに見えるのは気のせいかしら。きっと黒い方のイメージなのよね。そうよね。そうといって。二人のおねいさんの性格がきになるなぁ。

2009/7/10(金) 午前 0:05 べる 返信する

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冴さん、そうなんです、いつもの諸星さんの調子から言うと、これ、「日常よりの話」なんだと思うんですよ^^

2009/7/10(金) 午前 8:35 月の骨 返信する

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showhanngさん、梶山さんのは、昔、読みました。なかなか面白かったですよね^^。

2009/7/10(金) 午前 8:36 月の骨 返信する

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べるさん、とてもカワイイ少女に描かれているので、いつかぜひどうぞ^^

2009/7/10(金) 午前 8:37 月の骨 返信する

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紙魚って文字を食べる妖怪だっけ?

2009/7/10(金) 午後 3:20 panda 返信する

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パンダさん、それは綺譚の範囲で、ほんとうは紙をたべるんじゃないかなあ^^

2009/7/11(土) 午後 3:20 月の骨 返信する

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『栞と紙魚子』、1巻を買って読んだら超絶面白かったです。もうAさんとBっちさんにしか見えません。

2009/7/23(木) 午後 2:06 冴 返信する

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冴さん、でしょ^^。しかし「超絶」とまで書いていただくとは、記事を書いたかいがありました。
後は、二人で、今年のベストに、この本を推していくことだけですね^^^

2009/7/28(火) 午後 2:53 月の骨 返信する

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本書の魅力を表すのは言葉では無理なのではないかとすら思いましたが、催促に乗せられて記事にしました。広めるために一役買えるでしょうか。

2009/7/30(木) 午後 4:00 冴 返信する

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なんと、「☆☆」とはね^^
果たして広まるのでしょうか??

2009/7/31(金) 午後 5:02 月の骨 返信する

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はじめまして、先日はコメントを有難うございました
来てみて諸星大二郎のコミックスに先ず飛びつくのもどうかと思いますが(笑
大好きなので嬉しくて、つい。。。
全て網羅とまではいきませんが、主だった作品は殆ど全て持っています
栞と紙魚子シリーズは他の作品群と比べるとかなり肩の力が抜けていて、凄くいい感じですよね
でも他のディープすぎる作品群があってこそ描けるような底の厚さがあります
これもですが、「諸怪志異」シリーズの最新刊も待ち遠しいです

2009/8/11(火) 午前 1:02 [ 金の木馬 ] 返信する

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金の木馬さん、こちらこそありがとう。
諸星さん、わたしも大好きです。といっても、大作はどれも途中までしか読めていないのですが。いつか読破してやろうとは思ってるんです。

2009/8/12(水) 午前 9:57 月の骨 返信する

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よこじゅん・・懐かしい・・超革中のイメージがまだある。

2009/8/13(木) 午後 10:15 [ 素人市民 ] 返信する

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素人市民さん、コメント、ありがとう。超革中というと、永井豪のイラストですよね。それだけしか覚えてないような、とほほほ^^

2009/8/14(金) 午後 5:06 月の骨 返信する

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ありゃ。画像の方にしか目が行ってなかったです。紀田さんのくだりについては完全に読み逃してました。失礼しました。思ってた記事と違ってたから探せないはずだぁ。ごめんなさい〜〜^^;;

2009/8/28(金) 午前 1:42 べる 返信する

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べるさんところへ行くと、わたしもいつも画像の方にしか眼がいってないんですよ〜、おなじだおなじだ〜〜^^

2009/8/29(土) 午後 0:09 月の骨 返信する

今頃コメントですいません。このシリーズ、ネムキ連載中に読んでました。
クトゥルーちゃん一家が好きですねえ。

2009/9/15(火) 午後 8:23 [ さくら ] 返信する

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さくらさん、クトゥルーちゃん一家、わたしも大好きです^^

2009/9/15(火) 午後 9:06 月の骨 返信する

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