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★★★☆☆ 舞台は雪の降り続くニューヨーク。 24時間後、つまり25時間目にはオーティスヴィル行きのバスに乗り、7年の刑期を務めなくてはいけない主人公・モンティ。 24時間の間に“お別れパーティ”でさよならを言うべき人に会い、しておくべきことを片付ける、 その時間の流れをモンティの友人、恋人、父親の視点から淡々と描いた作品です。 とても現代的な、悲喜劇、人生の顛末、人間模様を、現代的な温度で表現してあります。 ドラマチックな展開はない。熱い涙もない。 けれど私達が生きる現実、現代では、私達は一見平凡で変わり映えのしない出来事の中で、信じるもの、たぐり寄せたいものを必死に掴んでいるようなものではないでしょうか? 明日収監され7年という年月を監獄で過ごすことを定められた主人公の身の上は、私達にとって馴染みのある設定ではありません。 が、読んでいくうちに、淡々と進む時間の日常性に潜んだ目に見えぬ思いに自分の感情や思い出を重ね合わせることができる瞬間に思い当たります。 別れの前の24時間、行かなければいけない友人(または恋人や家族)に何をしてあげられるか。 食事を共にすること、一緒に酒を飲むこと。 その食事や酒が、普段のそれといかに意味合いが違うかということは、私達誰もが一度は経験したことがあるはずのものです。 いつもと変わりなく振舞うモンティの絶望をくみ取ってあげるのが、ふたりの友人スラッタリーとジェイコブです。 なかでも作中最も共感を覚えやすいのがジェイコブですが、 (比較的距離をとって描かれる人物の中で、ジェイコブは脇役ながら自身のコンプレックスと向き合う出来事に遭遇するのです) ジェイコブは、モンティの一番気がかりだった醜く凶暴な犬を引き取る役目を引き受けます。 エリートで強気なスラッタリーは、モンティの希望を聞き入れて汚れ役を引き受け、モンティの7年間を少しはマシなものにする役目を果たします。 そして25時間目。 オーティスヴィルへ向かうという極限の状態で、ハンドルを握る父親と助手席に座るモンティ。 傍目には平凡な親子に見えるかも知れません。 しかし父の思いは世の親の思いを具現したように深く、その深い思いがモンティに美しい夢をもたらします。 その鮮やかな美しい、理想郷のような夢は、モンティの抱いた最後の幻想でしょうか、それとも現実になったのでしょうか? ラストにモンティが思い描いた理想郷は、その突き放したような作風の中で、美しい鮮やかさをもって物語の最後を締めくくってくれました。 この作品は2002年スパイク・リー監督『25時』として映画化されました。 主人公モンティ役は当初トビー・マグワイヤの予定だったのがエドワード・ノートンに変更になったとか。 この俳優さんはハンサムなのかしら? あとがき同様、私も飛び切りなハンサムなモンティを見たいものだと思いつつ、 (作中の主人公は誰もが目を瞠るほどの美貌の持ち主なのです) あとがき同様、私もラストシーンの映像化は是非見てみたいものだと思います。 (2001年9月、新潮社文庫) |
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なるほどぉ〜。面白そうですねぇ〜。
でも主人公はハンサムじゃなきゃダメなのかしらねぇ〜(ーー;)
2009/5/10(日) 午後 11:36
これは本も映画も見ましたが、本はもちろん映画も好きです^^主人公役はエドワード・ノートンでバッチリでした!この人は悪役もヘタレもサイコもどんな役でもなりきるので、僕の中ではモーガン・フリーマンと同率一位です(笑)モンティを泣きながら○るスラッタリーの場面はラストとともに印象深かったです^^
2009/5/11(月) 午前 0:33
この人は以前に短編集の方を先に読んで、たいへん感銘を受けました。紹介されている「25時」も読もうと思って買ってあるんですが、まだ読んでないんですよね。とっても良さそうですね^^。
2009/5/11(月) 午後 6:16
evagoroさん!これはねぇ〜ハンサムでないと駄目なんですよ。ニューヨークの刑務所に7年間お務めするのが、若くて白人のハンサムな男の子だったらどうなるか…想像すると分かりますよね〜?ハンサムがゆえの悲惨さがあるのです。
2009/5/11(月) 午後 9:01 [ booklover ]
チルネコさん!本も映画も体験済みとは!スパイクリー監督が手がけそうな状況設定の映画だなと思っていましたが。クラブ、音楽、ニューヨーク、というところで。俳優も良かったのね。私も見てみよう。スラッタリーの場面も印象的でしたね。楽しみ。
2009/5/11(月) 午後 9:04 [ booklover ]
ベックさん!私も『99999』というタイトルは変わっているという意味で記憶に残っていましたが、これがこの作者と同じ作家によるものとは驚いています。読んでみなくちゃ。
『25時』良かったです。昨日読後すぐに★みっつつけましたが、時間が経ってくるとじわじわとそのエッセンスが沁みてきた気がして、評価がもうちょっと高まりつつあります。
2009/5/11(月) 午後 9:07 [ booklover ]
映画の方は見ました。エドワード・ノートンには目を瞠るほどの美貌はないかもしれませんが、かっこいい俳優さんですし、トビー・マグワイアよりは断然よかったんじゃないかと思います。
ラストシーンの理想郷は穏やかで素敵に描かれていましたよ。
2009/5/13(水) 午前 0:33 [ - ]
なるほどぉ〜。
ハンサムじゃなくて良かった^_^;
2009/5/13(水) 午後 11:23
たこさん!そうですか、トビーマグワイアよりいいですか。確かにトビーがはまり役、とまでも思いませんでしたが。クラブのシーンとか音楽も興味があるところ。レンタル屋さんに行こうっと。
2009/5/14(木) 午後 10:15 [ booklover ]
evagoroさん!わはは、ハンサムでないってことはないと思いますが^^。ま、お務めしなきゃいけないようなことをしなければ良い、ということで…^^;。
2009/5/14(木) 午後 10:17 [ booklover ]