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今、手元に、『村上朝日堂』という本があります。 表紙が安西水丸さんのイラスト。 ダッフルコートを着た村上さんの似顔絵、ビール、ジャズのレコード、などといったカラフルなイラストで彩られていて、とてもほのぼのとした気分になる表紙です。 中身は短いエッセー、見開き2ページで一話完結、各回水丸さんのイラスト付き、という内容。 短く読みやすいけど、小説には現れない村上春樹さんそのものの生活が覗えるところもあり、 一気読みするも良し、気が向いたところだけちょっと読むも良し、寝る前に読むも良し、 と、様々な使用法をおすすめできるエッセー集です。 数あるエッセーの中でも、いくつかとても鮮やかに記憶に残っていることがあります。 村上さんはヤクルト・スワローズと神宮球場が大好きであること。 奥さんの実家は布団屋さん、そこではかつての地下牢の幽霊が出ること。 行きつけの床屋は千駄木にあって、そこに月2回通うこと。 それら印象的なエッセーを押さえて堂々1位の印象深さを誇るのは、 『ロンメル将軍と食堂車』と『ビーフ・カツレツについて』という連作2編。 『ロンメル将軍と食堂車』は、 昔ある本でロンメル将軍が食堂車でビーフ・カツレツを食べるシーンにぶつかった、 僕は方々でビーフカツレツの素晴らしさについて書いてきたがなかなかその良さが認められない(特に東京はひどい)、という内容。 『ビーフ・カツレツについて』では、 東京でビーフ・カツレツになかなか出会わないので、次善の策としてウィンナ・シュニッツェル(ウィーン風仔牛のカツレツ)を食べる、 ウィンナ・シュニッツェルにはレモン、アンチョビで巻いたオリーブ、ケッパー、熱いバター、という様々な決まり事があり、特に付け合せは白いヌードルでなければウィンナ・シュニッツェルとは呼べない、 ビーフ・カツレツにはそういう細かい規則はないが、やはり付け合せは白いヌードルである、 という内容です。 このロンメル将軍とビーフ・カツレツに関するエッセイは私のハートにぐっと深い処まで食い込んでおりましたが、 ついに出会いました、『ウィンナ・シュニッツェル』。 お茶の水から神保町に向かって明大通りを下っていくと、駿河台下の小さなレストラン『ザ・ハンバーグ』に ウィンナ・シュニッツェルがある哉にメニューの載った垂れ幕がさがっているではありませんか。 早速試してみたのがこの写真です。 付け合せは…レモン、人参のグラッセ、いんげん豆のバターソテー、ベイクド・ポテト、そして山盛りの黒胡椒が盛ってありました。 村上さんこだわりのウィンナ・シュニッツェルではないなぁ。 けれど私は、これが憧れのウィンナ・シュニッツェルか!という思いで初めて食べた仔牛のカツレツでしたので、 これはこれで美味しいものでしたよ。 ここでの決め手は、黒胡椒でした。 機会がある方は…『村上朝日堂』を読んでウィンナ・シュニッツェルを食べてみましょう。 (1984年7月、若林出版企画 1987年2月、新潮文庫) |
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シュニッツェルおいしいですよね〜。でもドイツで食べたときには、日本のソースが欲しくなってしまいました(笑)。村上さんやbookloverさんのように、本格シュニッツェルを楽しめるほどの食通ではなさそうです。^^;
2009/5/15(金) 午前 6:34
お早うございます。
僕も、あなたのブログをいつも拝見しています。楽しみの一つです。
僕の手元にもいまその本があり、偶然、全く偶然です、栞が挟まっていました。そのへージに。何か気になって挟んでいたのかわかりませんが、不思議な事です。チョット嬉しい感じがします。
たぶん、僕も食べてみたいと思ったからでしょう。
いまだ食べていませんが。
東京の人は豚カツなのでしょう。東京は豚肉が美味しいと
「ノルウェーの森」の中で、京都の山奥の施設の門番が言っていた様に。僕の記憶が正しければ。
2009/5/15(金) 午前 7:57
おいしそうな写真ですね〜
エッセイを読まない人なので、「村上朝日堂」は未読です
御茶ノ水の予備校時代はもっぱら大学の学食に忍び込んで
安い昼食を食べていたので、この店は行かなかったと思います
しかしあの界隈は懐かしい土地なので、遊びに行ってみようかなぁ
そうしたら「ザ・ハンバーグ」にも寄ってみますね
2009/5/15(金) 午後 3:03 [ macska ]
ビフカツやぁ! 最近は関東も関西も同じような食生活になりつつあるけど、俺の子どもの頃は大阪は豚カツよりもビフカツやった。
2009/5/15(金) 午後 9:17
ただでさえ珍しいこの料理を出すお店が、
神保町にあるとは意外でした。
本と街の案内所の方も、「食」については
あまりご存じない様子でした。
良い情報を有難うございます。
2009/5/15(金) 午後 10:59 [ - ]
りぼんさん!シュニッツェルをドイツで食したとは、うらやましい。付け合せはどうなっていましたか?よろしければ追加で情報をお願いします^^。
2009/5/18(月) 午後 10:32 [ booklover ]
mbk550さん!おぉ〜ロンメル将軍に栞がはさまっていましたか!これはやはりかなり心に食い込むエッセイのようですね。安西水丸さんの描いたロンメル将軍が食堂車で食事をしている絵も、ものすごい印象を残しますものね。
ノルウェイの森に、そんなくだりがありましたか。今度読むときは注意深く読んでみよう。
2009/5/18(月) 午後 10:35 [ booklover ]
マチカさん!大学の学食に忍び込むのも、結構勇気いりそうですね、楽しそうだけど。私もM大の立派なビルを見ては、学食や生協を覗いてみたいと思いつつ、決行したことはありません^^;年齢が厳しいかな。
ザ・ハンバーグ、一度いってみても損はないと思いますよ〜。
2009/5/18(月) 午後 10:37 [ booklover ]
輝樹さん!へ〜ぇ、豚カツよりもビフカツですか、それはびっくり。豚カツメインの、まぁビフカツもありかな、位の位置づけだと思っていました。関西の文化圏なんですかね、私は九州でしたが東京と同じく豚カツ文化でした。
2009/5/18(月) 午後 10:39 [ booklover ]
空想癖さん!私も憧れのビーフカツレツに、神保町で出会おうとは予測していませんでした。ふと目にとまった、って感じで見つけたレストランです。空想癖さんも神保町でおすすめの食がありましたら是非教えてくださいね。
2009/5/18(月) 午後 10:42 [ booklover ]
今晩は、ご機嫌如何ですか?
僕は、「ノルウェイの森」下巻を文庫本で持っています。
p35の終わり付近に書かれています。....(笑)
2009/5/19(火) 午後 7:14
私の目の前に村上朝日堂あります。
安西さんが大好きで、表紙だけでもウキウキです。
黒胡椒は今や定番、何にでもガリガリしてしまいます。
今は特にないのですが、一時ヤクルトファンでして、村上さんの影響だったようにも思います。
2009/5/21(木) 午前 9:59
mbk550さん!おぉ、詳しい情報ありがとうございます。ノルウェイの森、機が熟すのを待ってから再読しようと、本だけは買っておいてあります。豚肉がおいしいのくだり、心に留めて読むこととしますね^^。
2009/5/21(木) 午後 10:36 [ booklover ]
あおいさん!安西さん、いいですよね〜昔安西さんが短編小説を書きイラストも入れてある恋愛小説集を愛読していました。今はあの本どこに行ったのだろう…。「手のひらのトークン」という本のタイトルだったか、そういうタイトルの短編があったかと、記憶がうっすら。
ヤクルトは息子がファンです。今調子良くて嬉しいです。由規投手かわいいわね。
2009/5/21(木) 午後 10:39 [ booklover ]
私も「村上朝日堂」を読んでウィンナ・シュニッツェルっておいしそうだなあ、と思ったのを覚えています。
村上さんのこだわりが見えて面白いエッセイでしたよね^^
村上さんのエッセイは軽妙な味があって私は大好きです。水丸さんのイラストの村上さんはいつまでも少年のようでかわいいですね。
2009/5/30(土) 午後 0:34
ねこりんさん!コメント遅くなりました〜ごめんなさい。
村上朝日堂は村上春樹さんの人間的な可愛らしさが随所に見え隠れしていて、それでいてスタイリッシュで、ほのぼのといいなぁと思うエッセイ集です。イラストもいいですよね。安西水丸さんの色使いも素晴らしいと思います☆
2009/6/5(金) 午後 5:05 [ booklover ]
『ザ・ハンバーグ』さんは入ったことがありません!とても貴重な情報と画像をありがとうございました!今度行ってみたいと思います!
ちなみにビーフカツレツだと人形町の「キラク」さんが頭に浮かびます、とっても美味しいんですが、お値段のよさとボリュームのすごさで、半年に一回くらいが限度ですが・・・
2009/6/10(水) 午後 10:41