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★★★★★ いや〜良かった。 ただ今深夜3時過ぎ。寝る前にちょっと読もうと本書を抱えて布団に入り…止められませんでしたよ。一気に読みました、読まされました。読書って楽しい!と久々に心底思いました! その興奮冷めやらぬままにこの記事を書いております。 本作品は、春・夏・秋・冬、と4つの章立てから成り、それぞれが4人の登場人物の短編から成っているという、合計16編の短編を繋ぎ合わせた形をとっているのですが、若い女性向きファッション雑誌JJに連載されたものだったそうです。 そう思えば納得、高級ブランド広報に勤めるレイ、やり手編集者の桂子、という華やかな女性が活躍し、その割りにそれぞれの恋人と配偶者である大路家の男性ふたりは結構平凡だったりするのですが、仕事あり、不倫あり、出生の秘密あり…と、盛り沢山なんですね。 盛り沢山でありながら、実に見事に颯爽と、話は淀みなく展開し、それでいながら吉田作品らしく、登場人物はみな心に虚々実々抱えていてどこか不安定。 不安定だから、か、不安定なのに、か、みな肩寄せ合って生きていたい。ぬくもりを感じていたい。 それぞれの1年間を追った形の小説の中で、事件や変化は起こったけれど、どこへどう辿りつくか結論を見ないまま、四つの季節は過ぎていきました。 最後心に秘め事を隠したままの男女が星空の下抱き合って物語の幕はおります。 人はみな不安だし薄汚いし行き先なんて分からないけれど、それでも愛し合っていこうよ。 その愛は、人類愛みたいなものです。 みな愛し合っていこうよ。 (2006年1月、光文社 2008年6月、光文社文庫)
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ついに★5つの吉田修一作品の登場ですね!初読み作品はこれに決めました。かすかな希望を託すラストがよさそうですね。
2009/1/12(月) 午後 3:53
大三元さん!いや〜、大三元のような読書家の方にこれに決めたと言われると、自信がなくなるわけではありませんが、私の好みにズバッとはまった本作が果たして初吉田修一として適当かどうかちょっと考えました。『ひなた』は吉田修一を語るときにメジャーな作品ではないようなので。
私にとって、ここの所の吉田体験は、ヒットヒットツーベースヒット、に継ぐホームラン、という感じでした。これまで頭半分心半分で読んでいたものが、ガチンとハートに届いた、みたいな感じです。
『パレード』『悪人』というメジャーどころを未読なので、私自身わくわくしています。五つ★の連発となるか、それとも個人的には『ひなた』超えは出ないのか…。
2009/1/13(火) 午前 8:42 [ booklover ]
そういう本に出会った時には世間の評価は関係ありませんよね。あたしの場合、昨年出会った本の中では『スコーレNo.4(宮下奈都)』がそんな本でした。主人公とは家族構成も生い立ちも違うけれど「あたしのことを書いてくれた・・」とまで思わせてくれた本です。
2009/1/14(水) 午前 7:31
りぼんさん!あたしのことを書いてくれた、という経験、残念ながら私にはまだないのですよ。数打ちゃ当たる、で、読み続けるしかありませんよね。出会い、でしょうから。『ひなた』は、客観的に思うと、JJ連載ということで、かなり女の子サイドの憧れの職業、活躍が設定されていて、やや不自然な感じはあるのですが、私の心に届いたのはそういう設定からは離れた部分なので、それも良し、としました。
2009/1/15(木) 午前 10:24 [ booklover ]
おお〜、★5つですね!実は、吉田修一作品は「悪人」や「ウォーター」以外自分の中でのヒットがなく、なぜだろう?と思っていたところです。これは面白そうですね!チェックさせてもらいます♪
2009/1/15(木) 午後 6:28
『悪人』『ウォーター』未読ですが、私がこれまで読んだ短編・中編と、この『ひなた』は明らかに作り方が違っていました。デビューから4年のこの作品で、吉田さんが進化したのかなとも思います。硬さが感じられなくて、私の好みにピタッとはまりました。
2009/1/17(土) 午前 7:38 [ booklover ]