おとなバンド「健康」のムリムリ活動報告

仕事きっちり、バンド活動もきっちり?「健康」な4人のおとなバンド

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仕事のFAXを待っており、帰りたいのに帰れない。
その間に、今や義務なのか単なる意地なのか分からない「音響豆知識」の執筆だ!

さあ、行きますぜ。
ちなみに、今回の内容で、宅録マニアの方々の役に一番たつのは、後半の
「VU計とピーク計のレベル合わせ」んとこだと思うんで、そんなあなたは、
そこだけでも読んでね。


さて、たいていの音響機器には、入・出力レベルのいずれか、あるいは両方をチェックするための、
「レベルメーター」が付いてますな。

音響のプロにとっては、このレベルメーター、いわゆる「いい仕事」をするためには、
非常に大切な道具なのだが、やはり、アマチュアの方々からは、あまり正確に理解されていない、
と思うぞ。

そこで、きょうは、この「レベルメーター」をテーマにひとくさり語ってみたいと思う。



<レベルメーターの種類>

まず、レベルメーターはざっくり「VUメーター」と「ピークメーター」の2種類に分類できる。
それぞれについて説明しよう。


1.VUメーター(RMSメーター)

Volume Unit Meterの略である。
ほとんどのアナログ音響機器において、このVU計が採用されている。
表示されるレベルが、人間の聴感に近い値を表してくれることから、
英語では、「実行値」を意味するRMS(root mean square value) Meterとも呼ばれる。

業務用ミキサーやテープレコーダーの多くは、針が触れるタイプのVU計(写真上段)だが、
カセットデッキなんかには、棒が横に伸び縮みするタイプのメーター(写真下段・RMS)が乗っかってますな。
まあ、カセットのメーターなんかは、JIS規格をクリアしていない、誤差たっぷりのいい加減なのが
多いらしいが、それでも録音するときの一応の目安にはなる。

ところで、このVUメーター、瞬間的なパルス音の表示には向かない。
なぜなら、信号が入ってきてから針が触れるには、約300ms(ミリセック)=0.3秒かかり、
入力信号が途絶えると、たとえ、入力レベルにまで針の表示位置が届いていなくても、
途中で針を振らせる作業をやめちまう。

だから、VU計においては、

0.3秒以上継続しない音については、レベルがかなり低めに表示される


しかも、音楽の場合、0.3秒以上同じ音が同じ音量で鳴っていることなどほとんどないので、
音楽の音声信号は、VU計では常に実際のレベルよりかなり低めに表示されている
と思わなくてはいけない。

しかし、それでいいのである。なぜなら、

人間の耳も、一瞬のパルス音を聞いた場合、その音量は、継続音よりは小さく感じてしまうので、
むしろ、この電気的なピーク値を表すには不正確であるVU計表示のほうが、感覚的に納得できるんだよ、これが。

アナログ機器を使って録音をする場合、
従来は、オープンリールやカセット、VHSビデオなどのアナログテープに記録していたわけだが、
アナログテープには、テープの品質やテープスピードによってかなり差はあるものの、
10dB程度以上の「ヘッドルーム」というのがあって、0(ゼロ)VUを超えた信号が記録されても、
いきなり歪む(ひずむ)ことなく、そのヘッドルーム分はお腹を膨らませながらも耐えてくれる。

だから、

VUメーターの表示が実際の信号レベルよりも10dB程度低めに「ゼロVU」と表示され、実際には、
+15dBuとかのデカイ信号がテープに入力されたとしても、たいていは歪まずに録音できちゃうのだ!


ところがだ。

ところが×5だ。

ミキサーに付いたVUメーターを見ながらDATやDVD、ハードディスク・レコーダーなどの
デジタル機器に録音する場合、やはり素人はしばしば血を見ることになる。

なぜか・・・。

デジタル・レコーダーは、一瞬でも一定レベル(0dBfs)を超えたら、必ず歪む

からである。

VU計の針の触れがゼロVU付近なので、「問題ないぜ」と安心していると、
スネアドラムのたまたまアタックの強かった一発とか、
ソプラノの声張りまくりの一瞬とかで、
実際には瞬間的にVU計表示よりもはるかにデカイ信号がデジタル・レコーダーに送られてしまい、
「ブチッ」「パチッ」といったデジタル・クリップノイズ(オーバーレベルによるノイズ)
お見舞いされることになるから気をつけよう。

いてててて。


2.ピークメーター

そこでデジタル・レコーダーには、VU計みたいなアバウトな実効値ではなく、
一瞬のパルス音でも、正しくその瞬間最高レベルを表示する「ピークメーター」が必要となる。

ピークメーターにも、針が触れるアナログタイプのもの(写真中段)と、
棒グラフ状(写真下段・Peak)のデジタル表示タイプのものがあるぞ。

何せこいつは、とにかくデカイ信号が来ると、一瞬にしてそのピーク値を表示する。
アナログ表示タイプのピーク計(写真中段の針表示タイプ)で説明すると、
針が左方向に戻るのはゆっくりだが、そのときの針の位置より大きい信号が入ってくれば、
たちまちそのレベルを表示すべく、右に針をぶん回してくれる働きモンだ。

レコーディング・エンジニアは、ミキサーに付いたVUメーターとピークメーターの両方を
チラチラ見ながら、ミキサーからの出力が適正レベルであるかどうかを多角的にチェックしているのだ。

こう書くとなんかカッコいいが、ま、スピード違反を気にしてスピードメーター、チラ見してる運転手と大差ないか。


このピークメーター、
とにかく一瞬でもレベルオーバーしたらノイズになってしまうデジタル・レコーディングにおいては不可欠だ。
だから当然、DAT、DVD、ハードディスクレコーダーなどのデジタル録音機には、
一つの例外もなくピークメーターが付いている。

写真下段を見ていただきたい。
これは、デジタル・レコーダー用のレベルメーターであるが、
この製品は、ステキなことに、ピークメーターとRMSメーターが両方付いている。

便利だ。

が、残念ながらこんな製品、実際は滅多にない。

もちろん、ピークレベル管理が重要となるデジタル録音時には、特にピークメーター優先でチェックし、
オーバーレベルしないように気をつけながら録音やミックスをする必要があるが、
ナレーション収録などで、VU(RMS)メーターを見ながらのレベル管理に慣れているエンジニアは、
RMS表示のほうも参考にしながら録音するのである。

さて、下段の写真をもう一度良く見てみよう。

同じレベルの信号に対して、ピークレベルの表示とRMS表示を見比べ、
おおよそ10dB、ピークレベルのほうが高くなっているのを確認すれば、
今までの説明に納得していただけると思うが、どうだろう。


<VU計とピーク計のレベル合わせ>

さて、ここからは、実際の録音作業において非常に重要な、レベル合わせの方法だ。
プロとアマチュアの差が一番出るところは、実はミックスの巧拙ではなく、この辺りなんじゃないかな。
プロでも、駆け出しクンたちの中には、結構この辺りの理解がいい加減な人もいるんで、
一応、書いておきたい。

ここでは、

「アナログミキサーでミックスした音楽を、DAT(MD、DVDやハードディスクと置き換えてもいいぞ)に録音する場合」のオペレートについて説明しよう。たぶん、こういう作業が一番多いからね。


<結線>
1.ミキサーのLine Output(Main Output、Master Outputなど呼び名は製品により様々)より、DAT等デジタル機器のLine Input端子につなぐ。
2.DATのLine Outputより、ミキサーのMonitor Input(Tape Inputと書いてある製品もありますな)につなぐ。

こんだけ。簡単。じゃ、次はどうやってミキサーとレコーダーのレベル合わせをするかだ。


<オペレート>
1.ミキサー内蔵のオシレーター(ピーという発振音を出す機械)から1KHz(1000Hz)の発振音を出す。
2.発振音の出力レベルが0(ゼロ)VUになるように、ミキサーのVU計を見ながら調整する。(この時点で、業務用のミキサーからは、0VU(=+4dBu=1.23V)の発振音が出力されていることになる。)
3.DATの入力モードを「Input」に切り替える。(すると、DATに入力された音声信号のレベルが、DATのレベル計に表示される。)
4.ミキサーのモードを、「VU計にモニターレベルが表示されるモード」(「Monitor Level to VU Meter」等、機種により呼称は様々)に切り替える。
5.ミキサーのVU計を見ながら、その針が0(ゼロ)VUを表示する位置になるよう、DATの録音レベルを調整する。
6.ミキサーのモードを「マスターアウトのレベルをVU計に表示するモード」と「モニターレベルがVU計に表示されるモード」にカチカチと切り替えてみて、どちらの場合でもピッタリ0VUになっていることを確認する。

以上だ。
発振音を出したまま、DAT(などデジタル録音機器)の録音レベルを確認すると、多くの製品では、−14dBfsってとこに振れているはずだ。ただ、メーカーによってはこの状態で−18dBfs、−12dBfsなどに振れるような設定になっているぞ。まあ、業界内の規格が不統一なんだから仕方ないよな。

え?
RECレベルはDATのメーター見て合わせればいいじゃんって思った?

それねえ、ダメなの。

まず、デジタル機器の棒状のメーターって奴は、どうしたってVU計みたいな精度がない。
業務用音響機器のVU計は、厳しいJIS規格をクリアしたものだから、
発振音のような継続音に対する表示誤差はきわめて小さく正確だ。
それに対して、デジタル表示の棒メーターはどうしたって、1dB刻みやせいぜい0.5dB刻みだから、
その間の微妙なレベル差はそのまま誤差になってしまうし、
VU計ほどの厳しい規格をクリアしてもいないから正確さに欠ける。


え?
「dBfs」ってえのが出てきのに説明がないって?

いやあ、もう大変だなあ。


<dBfs表示について>

dBfs(dBFSとも書く)は、dB Full Scale Digitalの略だ。 

デジタル録音機器の場合、一瞬でも規定のレベルを超えると歪んでしまう。
ということは、録音する人間は、そのギリギリのレベルを強く強く強く意識しなければならない。

そこで、

デジタル録音機器においては、歪みを生じるスレスレの飽和録音レベル(クリッピングレベル)を
「0(ゼロ)dBfs」と規定しているのである

うちの1年生、しかも授業中居眠りしてた奴なんかが、しばしばやらかすミスに、
「ミキサーから発振音を0VUで送って、DATの録音レベルを0dBfsに合わせる」
というのがある。

これ、何がいけないか分かります?

1時限目の時間なので、これ、宿題にします。

答えは次回書きまする。(ぶ)

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凄く勉強になります;

dBはピークと同じなんですか?

2011/5/1(日) 午前 11:46 [ - ]

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>Modernさん
dBというのは、レベル差を比で表すために用いられるもので、ピークというのは記録媒体の飽和レベルなので、全然別のものです。音響豆知識の(1)〜(3)にデシベルの説明があるのでそちらをご参照ください。(ぶ)

2011/5/2(月) 午前 9:22 boo*a*ken*o

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いやぁ〜 懐かしく昔を思い出しながら、、、、
リタイヤした今は趣味でオケ等を録音していますが、とても刺激的です。
ホールの3点吊りの音声とアンビも頂いて、PCでテキトーにMixしています。
オケやブラス、合唱団やハーモニカなど、とても好評です。
私の場合、音声は AutoMax -20dB に揃えていますが、
これ、ど−なんでしょうねぇ・・・・
勿論、ピークは -1.5dB位で治まっています。

2011/12/8(木) 午前 0:22 [ チロ ]

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>チロさん
楽しそうでいいですね〜。アタクシの場合は-14dBfsをデフォルトにしていますが、Comp/limitterを使いたくない場合、音源のダイナミックレンジによって柔軟に変えております。(ぶ)

2011/12/10(土) 午後 9:48 boo*a*ken*o

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「実行値」じゃなくて、「実効値」です。

漢字に注意して下さい。

2013/8/7(水) 午前 4:10 [ sharpayu ]

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sharpayu様、訂正させていただきました。ご指摘、誠に有り難うございました。

2013/11/19(火) 午前 8:57 boo*a*ken*o

フリーでアレンジャーやっております。
最近あるアーティストに頼まれてFM局に納品する音源作成のエンジニアみたいな事をやらせてもらっているんですが、
-12db の設定で冒頭の1kと本編のピークを0VUに合わせて納品して欲しい と某局から指定がありました。
恥ずかしながらCDの制作しか経験が無く、DAW上で±0dbを狙って納品するのが当たり前という頭でいたので正直困ってしまっております。
どうかご指南頂けないでしょうか…

2014/5/26(月) 午後 11:32 [ AtTwo ]

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AtTwo様。
滅多にこちらを開かないもので、今頃頂戴したコメントに気づきました。
1kHzの基準信号を-12dBfs(fs=フルスケールデジタル)で入れてくれ、というオーダーは、「デジタルのヘッドルームを12dBに設定した状態で、あまりガツガツレベルを稼がずに完パケてくれ」という意味のオーダーですね。

簡易的には以下のように作業すれば良いでしょう。
1.ミキサーから1kHzを出力する際、レベルをミキサーのVUメーターで0dBになるように出力する。
2.ディジタルレコーダーをinputモードにして、RECレベルをLRともに-12dBになるように調整する。

どんなコンテンツを納品するのかにも寄りますが、ちょっと乱暴に言ってしまえば、これであまりヘッドルーム使い切ろうとせず、パルシブな信号が来た時以外はピークレベルギリギリにいかないように余裕を持ったレベルで録れば、概ね指定された通りのレベルになっちゃうはずです

2014/7/11(金) 午後 6:31 boo*a*ken*o

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→音を入れすぎて見事にクリップがかかる→結果Dレンジは狭くなるわパンチ力や奥行きはなくなるわの街宣車音質・・・。エイ○ックスのCDがモロニこういう録音なんですよね。ありゃアーチストとリスナー(ファン)を馬鹿にしているとしか思えない。3ヘッドカセットデッキに信号を入れ、ヘッドホンで聴くとはっきり解る。元の音源がこれでは処置のしようが無いですね・・・。ヨウツベ音質でがっかり・・CD買う気なくなるのも道理。ちゃんとレベル管理しているSONYを見習って欲しい。鼓動のCDは本当にいい音でとれてる。ああでなきゃ和太鼓の収録なんてできないよね。

2016/4/23(土) 午前 1:06 [ okaden75 ]

ど素人の私には、凄い勉強になりました。
ご執筆ありがとうございます。感謝!

2018/8/25(土) 午前 2:41 [ fms*on*e* ]


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