咆月狼日乗

かんじんなことは、目には見えない/サン・テグジュペリ

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平岡都さんのご冥福を祈ります。

どんなに怖かっただろう。痛かっただろう。無念だっただろう。

なるべくなら、ニュースにはきちんと目を通して、目をそらせることなく、彼女が受けた苦しみの少しでも理解するように努めようと思います。

こんな事件は二度と起こってはいけない、と思うような事件が繰り返されます。皆が本気で「二度と起こしてはいけない」と思っている訳ではないのかもしれない。自分は関係ない、喉もと過ぎれば、なのかもしれない。そう思えてきます。

怖いから目をつぶって、なかったことにして。日本人は情緒的に弱いところがあって、というのを聞いたことがあります。ストレスに耐えられない、ともいいいます。

だからこそ、日本人はいつまでも暴力に支配されているのかもしれません。周りに怪しい人間がいても、怪しいことがあっても「危うきに近寄らず」。もしかすると通報すると逆恨みされるかもしれない。変な団体に嫌がらせを受けるかもしれない。だから通報してトラブルになったら通報した方が悪い。味方もしない。

そういうところが日本人にはあると思います。

だからこそ、死刑制度というのは廃止したほうがよいと思います。死刑で片付く話はない、からです。

世の中を良くしている努力を怠っていて、凶悪事件を死刑で片付けてしまうのは実はお手軽なのではないか、と思うのです。我々全員が、凶悪犯が生存し続けている不条理をペナルティとして受けないといけないのです。

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フルートだそうです。

あるとき、娘が私に折り紙を渡して、「小さなマル切って」と頼むので、いくつか切ってやりました。彼女はそれを使って、なにやら作っていたのですが、完成したものを見せてくれました。フルートだそうです。最近、童謡の「山の音楽家」を好んで歌っていたのでそれからでしょう。

フルートの現物を見たことはない、と思うので、少し驚いています。

似たような話なのですが、先日、「駅で切符を切る人。カチンカチンって」とぶつぶつ言いながら絵を描いていました。

もちろん、彼女は、有人改札を利用したことはありません。

ふむ。

読めますか

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今日帰宅したら私の机の上に載っていた。娘(3歳9ヶ月)の書いた手紙である。読めますか?

こころよ

最近、娘(3歳6ヶ月)が気に入っている歌のひとつ。意味が分かっているかどうかは定かではないが、テレビと一緒にたどたどしく口ずさむ。

すごい詩であるし、曲も素晴らしい。よくわからないけど泣ける。沁みる。

http://www.youtube.com/watch?v=RQ6SOmT219I

こころよ
では いっておいで
しかし
また もどっておいでね
やっぱり
ここが いいのだに
こころよ
では 行っておいで

                「こころよ」作詞:八木重吉 作曲:うなりやベベン

会社の健康診断で、甲状腺が肥大しているのが見つかった。

機能低下症か亢進症か。エコーをとって、血液検査をして、とりあえず、深刻な状況ではない、ということが判明。経過を観察しようということになった。

原因不明の眩暈がある。階段を降りるのが怖い。朝起きると不整脈がひどく、心臓が止まるのではないか、と思うことがある。甲状腺異常は眩暈や不整脈の原因か、と思ったが、どうもそうでもないらしい。いろいろ原因不明の不調である。

歳をとると、なにかと不都合が顕れる。このままひどい状態になるのではないか、死んでいくのか、という恐怖もあるが、諦めもある。

まあ、そんなもんかもしれない。

歳をとると、自分の人生のことよりも、自分を頼っている、自分を好きでいてくれる人が自分の不調をどのように思うか、の方が心配である。

例えば私の娘。3歳半。一緒に出かけ、帰り際になると愚図り、抱っこをせがむ。抱っこして歩く。しかし私が「おとうさん、ちょっと辛いから降りて自分であんよして?」と頼むと彼女は素直に従う。彼女は言う。「おと−さん、かなちゃんが抱っこしてあげるから、大丈夫だよ」と私の足にしがみつく。家に帰ると、折り紙を折って、「お薬」を作ってくれる。「ちゃんと飲んでください」と私に渡す。

娘は私の不調をどこまで理解しているかわからない。でも彼女なりに懸命に私をいたわってくれる。万一のことがあったとしても、私が望むべくは彼女が「自分が至らなかったから」と自分を責めないようにしてほしい。あたりまえだ。

生き物としてそれ相応の年月を生きてきたのだから、それなりのことがあるのは仕方がない。「生き物としての覚悟」はあるさ。自棄になるわけでもないし、執着するわけでもない。なぜなら、自分の今までの人生を認めているから。


「生き物としての覚悟」を持っているのは人間だけではない、と私は思う。それこそ尊敬すべきものなのだ。

自分の不調は棚に上げて、自分を気にかけていたわってくれる存在をいとおしく思う、ということなのだ。

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