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蟲愛ずる日々
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長い実のおつきあい

イメージ 1 いつも買い物に通る道端に、春先からオレンジ色の可憐な花が咲いていました。

「ナガミヒナゲシ」という名前だそうです。

 以前から近所で良く見かけていましたが、今年は特に目立っていたように思えます。

 コンクリートの隙間にも健気に生えて可愛らしい花を咲かせるのと、種が沢山採れて面白いので、小人類達と一緒になって花を摘んだりあちこちに種をばらまいたり楽しんでいた結果でしょうか。

 


 ところが最近、一部インターネット上では危険な外来種として、駆除が奨励されているという事を知りました。 
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 公立鳥取環境大学のアカウントにもこのチラシがシェアされています。
しまった、もう拡散に大いに貢献してしまっているではありませんか!

 ナガミヒナゲシは確かに種が多く、一つの花にギッシリと細かい種が詰まっていて、Wikipediaによると一つの果実には約1600個の種子が入っているとか。
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 一株で100個の果実を成す事もあるので、単純に計算すると一粒の種から15〜16万粒の種ができる計算になります。しかも発芽力は強く、未熟な種でも発芽することがあるとか...。このままでは爆発的な勢いで増えそうです。
 しかも、ナガミヒナゲシは他の植物の発育を抑制する「アレロパシー物質」を放出すると言われています。何と恐ろしい響きでしょう...!
 知らなかったとはいえ、こんな危険な外来植物の種をあちこちに撒いてしまったと事に罪悪感を禁じ得ません。
 
...と、そこでちょっと立ち止まって考えてみました。私達がこれまで近所にばら撒いた種はのべ数百万粒に登るのではないかと思われます。確かに近年、道端でオレンジ色の可愛らしい花を見ることが徐々に多くなってきているとはいえ、さすがに何万株とまではいきません。あの撒いた種がぜんぶ発芽していれば、これどころでは済まないのではないでしょうか?

 気になって調べてみると、これには諸説あるようです。
 ナガミヒナゲシは道端の痩せた土地でもたくましく育つとも言われていますが、実はコンクリート脇のアルカリ土壌を好んでいるだけではないかという説もあります。確かに、買い物の道中で見かけるナガミヒナゲシの群生は、コンクリートとアスファルトの隙間から生えています。もし本当に彼らがそうした土壌を特に好むののなら、問題はナガミヒナゲシそのものが拡散する事よりも、それが育ちやすい環境が身近に増えている事の方が問題なのではないでしょうか。

 また、恐ろしげな「アレロパシー」についても、その意味は「ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレ ロケミカル)を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする 効果の総称(Wikipediaより)」だそうで、そういう名前の物質があるわけではありません。ましてや、「毒」という意味でもありません。
 しかし「アレルギー」に似た語感と、ケシの仲間であるという事で「毒」「危険物質」というイメージに結びつき易いのかもしれません。 桜、松、ソバ、ヨモギなどお馴染みの植物もアレロパシーを有しているそうです。

「ナガミヒナゲシのアレロパシーによって生態系が破壊される」と懸念されていますが、コンクリートを敷いた時点で既にその場所の生態系は破壊されています。

 そこで思い出すのがセイタカアワダチソウ。これもアレロパシーがあるそうで、確かに私たちが子供の頃は空き地にセイタカアワダチソウが繁茂した時期があり、ススキが駆逐されてしまうのでは?と問題視された事もありました。しかし数年するとススキが勢いを盛り返すことがわかり、あまり脅威ではない事がわかりました。それよりも、今は空き地や空き家を放置する事の方が問題になっています。 

 ナガミヒナゲシはカワイイ花ですが、誰が植えるともなく勝手に生えているので、道端に雑草が繁茂して歩きにくいのなら刈り取るのは自由です。「駆除」などと物々しい言葉を使わずとも、普通に「草刈り」をすれば良いだけの事ではないでしょうか。
 それを「生態系を破壊する外来種だから絶対駆逐しなければっ」と除草剤を撒いたりすれば、より深刻にその場所のみならず周辺の生態系も破壊してしまいます。

 また、「有害な雑草が決して生えないようにしよう!」と更にに土をコンクリートで覆えば、逆にナガミヒナゲシが増えるばかりか、水はけが悪くなり、夏は温度が上がり、人類にとっても不快な環境になってしまいそうです。
 それほどなら、道端に適当に花が咲いているのを愛でる方がずっと素敵ではないでしょうか。

 この議論には、我らがアメリカミズアブの問題と共通するものがあります。
 かつてこのブログで、「外来生物を飼育するとはけしからん」とお叱りを受け、それをきっかけに外来生物との関わり方について以下のように考察した事がありました。


①アメリカミズアブは外来種ではあるが、環境省の危険外来生物のリストには入っていない(さらに近年は生ごみ、畜糞処理への利用研究に環境相から補助金が出ている!)
②食生活の変化によって生ごみの総量も増えているので、新しい生ごみ処理の方法を編み出すのも必要
③多くの食品を海外から輸入しているので、輸入由来の生ごみを分解するのに外来昆虫の助けを借りても良い
④外来昆虫であるというだけで敵視する前に、それらが増えやすい環境=生ごみが大量に出るような食生活や、野山の果実が放置されるような町づくりを考え直すのが先ではないか。
⑤むやみに嫌うよりも、習性を良く知った方が発生を適度にコントロールできる。


 別に外来生物の方を持つ訳ではありませんが、どんな生物もその環境に適応しているからそこに居るはずです。目に見える外来生物だけを目の敵にして駆除するだけでは環境を守る事にはならず、逆に環境を悪化させてしまう場合さえあるのではないかと思います。
 ...これは人類同士の関係にも当てはめられないでしょうか、大統領?

そこでナガミヒナゲシに話を戻しましょう。  
 「コンクリートが好き」という点がこの植物が決して危険ではないという説の論拠になっていますが、一方でWikipediaには、「土壌の種類は選ばず、温暖で日当たりの良い乾いた肥沃地を好む」という国立環境研究所の見解も紹介されています。

 どっちなのでしょう!? 
 そこで、アメリカミズアブの時と同じように、実際に試してみる事にしました。
我が家のベランダには、何も植えていない土だけのプランターがあります。ここには栽培の終わった植物の蔓や根っこなどをどんどん放り込んで、色んな種から芽が出たり、カナブンが卵を産みに来たり、放置して土を再生させるコーナーになっています。

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 そこに、買い物帰りに摘んだナガミヒナゲシの種をばらまいてみました。
また駆除を訴える方からお叱りを受けてしまいそうですが...まぁいいでしょう。

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 果実十数個分の種なので、数万個はあるでしょうか。細かくてサラサラ、まるで土と区別が付きません。
 コンクリート脇に比べればここはかなり肥沃な土壌で、日当たりもまずまずで、特に水やりはしていませんが、雨はかかるので放置してもそれなりに色んな雑草や野菜のこぼれ種が芽を出す事があります。
 果たしてここからどれだけのナガミヒナゲシが発芽するでしょうか?そして、シソやトマト、朝顔、瓜、カタバミ、ネギなど様々な種もここには混じっているはずなのですが、例年通りに発芽するでしょうか?

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もしベランダがオレンジ色の花盛りになっても、それはそれで楽しいかもしれません。
 結果が出るのは来年の春。ナガミヒナゲシの名の通り、気の長い地味な実験ですが、放置するのが楽しみになりそうです。

エコの支配からの卒業

悪戦苦闘の3年間を経て、エコ農園の利用期間がついに終了し、市役所からは利用期間終了のお知らせと共に、意識調査の用紙が送られてきました。
 
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 昨年秋、草取りをサボっていたばかりに草と一緒に埋もれたサツマイモのツルを刈られてしまい、ぶち切れて役所に怒鳴り込んでしまいましたが、今回は正式に「感想、ご意見についてお聞かせ下さい」と言っていただいているので、心置きなく述べる事ができます。
 ところが書き始めるととても用紙には収まりません。仕方ないので、wordで書いてメール添付して提出しました。ついでに「詳しくはWEBで」という事でこちらにもアップしておきます。
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 エコ農園利用者意識調査
 
(1)エコ農園を利用して、ごみの減量や環境に関する意識の変化はありましたか。 
 
× a)あった   ◎ b)なかった
 エコ農園を利用する前から生ごみ減量は趣味だったので、エコ農園がきっかけで変わった事はありませんでした。
 
(2)堆肥作りをされての感想をお聞かせ下さい。また、失敗談、失敗から得たヒント、工夫などをお聞かせ下さい。
 私の場合、「野菜作りのための堆肥作り」が目的ではなく、生ごみ減量のために処理した結果、できた堆肥を有効に利用したいと思ってエコ農園に申し込みました。
 しかし、腐葉土に生ごみを混ぜて堆肥化させる方法(腐葉家族)で出来る堆肥の量はとても少ないので、実際にはお借りした面積に使うには全く足りませんでした。
 これは、腐葉土によるゴミの減量効率が高いというだけではなく、それまで数年にわたって自家処理をしてきたので、既に生ごみの排出量そのものを減らす習慣がついていたからかもしれません。
 もし十分な量の堆肥を作るには、そのために他の材料(落ち葉、糠など?)を集めて堆肥化させなければならないと思います。
 
 逆に、以前EMで堆肥作りをしている方から、「エコ農園の面積では堆肥が余る」という体験談をお聞きした事もあります。同じ量の生ごみを処理しても方法によって堆肥のできる量が違うのか、それとも元々の排出量が違うのか?他の方はどうされていたのか興味があります。
 
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・お借りした区画はとても日当たりが悪く、秋から冬にかけては特に条件が悪かったので、野菜作りを諦めて替わりに穴を掘って落ち葉を溜め、「腐葉土畑」にしました。積み上げていただけで、春に掘り返すと底の方はとても良い腐葉土になっていました。
 
・できた腐葉土は生ごみ処理の基材に使えましたが、色々試してみた所、必ずしも腐葉土でなくても、ただの枯葉に生ごみを混ぜるだけで十分堆肥化させられました。
 
・向日市の生ごみ堆肥化サークルでは、EM用の「エコペール」に生ごみと糠を混ぜて入れるだけで堆肥化させる方法を紹介していました。「EMボカシ」を使わなくても、糠で全く同じ事が出来るようです。臭いも殆どありませんでした。
 
(3) エコ農園の設備、備品、利用基準について、ご意見をお聞かせ下さい。
・設備について
 農具をしまう物置は、縦型にして鍬などを吊してしまえるようにして欲しいと思います。
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 設置されていた物置は横型で、鍬などを寝かせて置かざるを得なかったので、片付けるのも取り出すのも不便でした。いつもゴチャゴチャしていたので、農具が扉にひっかかって物置も農具も傷みやすかったのではないでしょうか。
 
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 縦長の物置に場所を決めて吊すようにすれば、しまい忘れたりしてもすぐ気づき、紛失や破損も防げると思います。
 
・利用基準について
 実際に家庭の生ごみ堆肥を使う意志があるかをもっと詳しく事前に審査し、途中でもちゃんと実践しているかチェックするべきだと思います。
 堆肥作りの方法についても、利用者任せだと途中で上手く行かずに止めてしまったり、虫や臭いの問題が発生したりする恐れがあります。講習会を開いたり、利用者同士でノウハウを交換できるような場を設けるなど、情報提供が必須です。
現在の運用方法では、エコ農園とは名ばかりの、ただの貸し農園になりかねません。
 
・除草について
 畦に接している区画とそうでない区画で、草取りの負担が大きく異なります。今回お借りした区画は日当たりが悪いだけでなく、角地で二面が畦だったので、作物は育たないのに草取りの手間ばかりかかりました。自分の場所だけ除草していても、隣の畦や河畔が草ボウボウになれば種や虫が飛んできて、きりがありません。一方で北側の日当たりの良い場所は畦に面していないので草取りは自分の畝以外は必要無し。あまりに不公平です。
 せめて、年に2〜3回、利用者全員で自分の区画と周囲の畦の除草、用具の手入れなどを行う日を設けては如何でしょう?そうすれば、利用者同士の交流もでき、野菜作りや堆肥作りのノウハウを交換したりして、やる気も起こり、放置区画が減るのではないでしょうか。
 どうしても作業の日に出られない人は、前もって共用部分の一部を除草するなどして貰い、それも協力してもらえない人には、使用を停止して構わないと思います。エコ農園の利用料は水道代だけでとても安いので、それくらい厳しい基準を設けても良いのではないでしょうか。
 
・通路について
 利用者の中には、水はけが悪いからと自分の区画の廻りに深い溝を掘っている方もおられました。
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 手前の区画(日当たり良)でそれをされると、自分の区画(日当たり不良)に歩いていくのも困難になってしまい、不快感と不公平感が倍増です。西側の畦が通路となっていましたが、除草がされていないと危険で歩けません。とにかく奥の区画で不利な条件が多すぎました。
 対策として、奥の区画に行くための共同の通路を農園の中程に設けてはどうでしょう。そうすれば、手前の区画の利用者も、他の人に自分の畦を踏み荒らされる心配がなくなります。通路の除草も周囲の畦と同じように、日を設けてみんなで管理すれば良いと思います。
 
・草や収穫後のゴミ処分について
 雑草や収穫後の茎などが畦に放置されていた時、「持ち帰って処分して下さい」と掲示されていた事がありましたが、それはおかしいと思います。
 持ち帰って再び堆肥化させられれば良いですが、もしそのままゴミに出されたら、いくら生ごみを堆肥化しても減量にならず、かえってゴミを増やす事になってしまうので、それら「農園ゴミ」を集めて堆肥化させる場所を設けるべきです。日当たりの悪い東南隅の区画をそのような用途に利用すれば丁度良いのではないでしょうか。もちろん、使える堆肥にするために、種の付いた雑草は入れない、強い農薬は使わない、放置せずに必ず土に埋める、などルール作りは必要でしょう。
 共同で管理するのが難しければ、各区画の一部に必ず「農園ゴミ」を埋設する場所を設ける事!と指導しても良いと思います。
 
(4)ゴミの減量化やリサイクルをすすめていく上で、市に力を入れてやって貰いたいこと等があれば、ご意見、アイデアをお書き下さい。
 農園で生ごみ堆肥を有効利用できる人は限られているので、むしろ農地を持たない人にこそゴミ減量の意識を持って貰う工夫が必要ではないでしょうか。
 エコ農園も含め、様々な市民活動が紹介されてはいますが、参加できるのは殆どが高齢の方です。本当は、生ごみを沢山出しているのは食べ盛りの子供が居る世帯なので、そんな忙しい働き盛りの世帯が減量しないと効果は上がりません。
 若い人が気軽に参加できるよう、「集会」や「講座」ではなく、SNSをもっと利用してはどうでしょう。例えば、facebookで一定期間報告できる事を条件に、お試し用の腐葉土や糠を提供する、とか、グリーンカーテン用の種を提供する、とか。特典はあくまできっかけなので、ほんのちょっぴりで良いと思います。
 ゴミの日に生ごみを持ち寄って堆肥化させる活動も、全市の小学校に広げて欲しいものです。 
 
(5)エコ農園を次期に利用される方へのアドバイス等があればご記入下さい。
できるだけ他の利用者の方とコミュニケーションを取って、生ごみ堆肥の作り方や、野菜の育て方を教え合ったり、農園の運営についても話し合えば、楽しく利用できるかもしれません。
 
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これを読まれる役所の担当の方には申し訳ないですが、3年間モヤモヤと思い続けていた事を吐き出したので、ちょっとスッキリです。
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 今回、私の区画はあまりに条件が悪かったため、役所からは次期も別の場所で申請を受け付けると言って貰ったのですが、鄭重にお断りしました。
 もう学校や家や日陰には帰りたくない...というのもありますが、ハッキリ言って「必要無い」からです。
 野菜を沢山作りたいのも山々ですが、 アンケートの中でも書いたように、私の腐葉家族でできる堆肥はベランダのプランターでほぼ使い切ってしまい、畑で使える分まで残らないのです。それに、ベランダだけでも結構な収穫はできます。
 
 元々、私が最初に「ソルビオ」で生ごみ処理を始めた時の動機は「堆肥が欲しい」ではなく「生ごみを消滅させたい」でした。エゴ農園での3年間で得たものは、行儀良く真面目に野菜を作る事では無く、「畑は要らない」という原点に帰る事だったのかもしれません。
 この春、エゴ農園から卒業し、また新たな気持ちで「畑の要らない堆肥化」を求めて抗い続ける日々に転がり出そうと思います。

エゴ農園始末

3年間限定で長岡京市から借用していた「エコ農園」ですが、来春に返却期限が来るので、そろそろ幕引きを考えなければならないときが近づいていました。

 当初は意気揚揚と耕作を始めたのですが、何故か何度種まきをしても芽が出ず、苗を植えても枯れ、育ってもあまり実が成らず、雑草ばかりがはびこる...貸して貰っておいて言うのも申し訳ないのですが、何ともやりがいのない畑でした。
 その原因に気付いたのは1年目の秋。実は道路から一番遠い私の区画は、東西南の三方を住宅と竹藪に囲まれていて、この敷地内で最も日当たりの悪い位置だったのです。
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 春から夏の太陽が高い季節はそこそこ陽が当たるのですが、10月から3月の間はこの区画には殆ど直射日光が当たらず、冬の露地栽培はほぼ絶望的でした。
 しかし、ここは単なる貸し農園ではなく、生ごみ原料を目的としたエコ農園なので、作柄はともかく有効に利用することが重要だと思った私は、様々な試みを続けてきました。

ある時は大穴を掘って落ち葉を貯め込み、腐葉家族を生産してみたり、
http://blogs.yahoo.co.jp/bpjjy686/37627114.html
ある時はその腐葉家族の堆肥をぶちまけて放置カボチャをはびこらせてみたり、
http://blogs.yahoo.co.jp/bpjjy686/38569441.html
 
ある時は、土嚢袋にジャガイモを植えて日当たりの良い場所が変化する毎に移動させたり、
またある時はサツマイモを植えても大きなイモが期待できない代わりに、徹底的にツルと葉っぱを食べる事を試みたり..
.と、涙ぐましい悪あがきをしてきたのです。

 この区画は日当たりが悪いだけではなく、南側と東側の二面が畦に面していて、そこの草取りにも相当の労力を要します。それに比べて、日当たりの良い道路側の区画は畦に面していないので草取りは自分の畝だけで良く、不公平感は否めませんでした。
 そういうわけで、なるべく手間をかけずに3年目の秋で全て終わりに出来るよう、今年は管理に手間のかからないサツマイモの苗を春に植え、梅雨明けに一度除草した後、暑い夏の間は放置する事にしたのです。
そして先週、やっと過ごしやすくなって雑草もイモのツルも伸びてきた頃なので、どちらも刈らなければ、と久々にエコ農園を訪れてみたのですが...
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これは一体?
草が刈られている、というよりも、なぎ倒されている、という感じです。
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 しかも、刈られた草がイモの植わっていた畝の上に積み上げられ放置されているではありませんか!?
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 かき分けてみると、草をなぎ倒した時にイモの葉っぱも一緒にちぎられて、すっぽんぽんにされた上に肝心の根っ子まで抜けかかっています。この時期にこうなってしまえば、もう台無しです。株の傍にはハッキリと巨人の足跡が。

 あまりに雑草が伸びていたので、周りの利用者の方が雑草のとばっちりを恐れて草を刈られたのでしょうか。それにしても草の刈り方が雑です。嫌がらせでもされたのかも知れません。
 ガッカリして帰宅してその話をすると、中人類がその前日、市役所の車がエコ農園に乗り付けて、職員が草刈り機で刈っているのを見たというのです。
蹂躙したのは巨人ではなく、よりによって市役所だったとは。

 夏の間全く草取りをしなかった事で他の利用者や、周辺住民にご迷惑をかけてしまった私に落ち度があるのは確かです。ろくに管理していないので、荒らされて惜しまれるほどの収穫も無いでしょう。しかし、だからといって一応作物を植えている場所を勝手に刈るのは如何なものでしょう?市役所ならその場所の利用者が誰か当然把握しているはずなので、もし周辺から苦情があったのなら電話で連絡してもらえば、自分で除草したのに。現に一日違いで私は草取りに出かけたのですから。

 更に許せないのは、私のイモ(のツル)を踏み荒らしてまで畝の除草をしておきながら、そもそも私が草取りをする意欲を失わせる原因となっていた畦の草は伸び放題のままだったのです。
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 それだけではありません。私の区画以外にも日当たりが悪くて放置されていた区画があり、そこも同じように除草されていたのですが、そこでは一部サツマイモの株がちゃんと残されて居るではありませんか。
何故私のイモだけ踏みにじられなければならないのでしょう?

 踏まれたのはイモだけではありません。腐葉家族を撒いて、雑草に混じって勝手に生えてくる放置カボチャが成るのも楽しみにしていました。それに、雑草の中にもスベリヒユのように食べられるものもあるので、夏の初めにそれらは残して除草していたのです。
 出来の悪い畑なりに、変化球を駆使して楽しませて貰い、後は綺麗に整地して気持ち良く返却しようと思っていたのですが、そんな気持ちも丸ごと踏みにじられてしまったわけです。

八重「わがんねぇ、会津はなんも悪ぐねぇのに!?」
 
 すぐに市役所に抗議の電話を入れようとしましたが、残念ながら土曜日だったので連絡がとれず、私の憤りは連休を挟んでじっくりと熟成せざるを得ませんでした。
 元々自分にも非はあるので、抗議をするにしても、少し時間を置いて頭を冷やす事ができたのは良かったかもしれません。
 台風に翻弄された3連休の間、私の憤りは丁度良い具合に発酵して、フカフカササラの堆肥に熟成されていました。休みが明け、役所が開いたら即、進撃の開始です。

 元々このエコ農園に関しては、言いたいことが畝の上に積み上げられた雑草よりもてんこ盛りに溜まっていました。そこでこの際、電話やメールではなく、直接役所に進撃して担当部署の皆さんに向けて真意を確かめる事にしました。

「エコ農園の事でお聞きしたいことがあるのですが」
まずはとにかく笑顔でご挨拶し、3日間熟成された怒りを全力で抑えつつ質問します。

「先週の金曜日に草刈りをされたのはどなたです..か?」
担当者によると、確かに、その日草刈り作業を行ったそうです。

「それは誰が指示されたのでしょうか、あるいは周辺からの苦情を受けての事なのでしょう...か?」
特に個別の苦情というわけではなかったのですが、あまりに雑草が伸びていると周辺の迷惑になるので、除草をした、との事。
「ではなぜ、利用者(つまり私)に事前に知らせずに勝手に除草したんです....かっ!?」
全力で感情を抑えて話そうとすると、風祭警部になってしまうという事にこの日私は気付いてしまいました。

驚いたことに、他の区画の利用者に事前に問い合わせたところ、除草しても構わないと了解が得られたので、除草したとか。
「なぜ他の人には了解を得たのに、私には断りもなく踏み荒らしたんです.....かっ!?」
ついに風祭警部を怒らせてしまいました。

 雑草があまりにも伸びていてすごいことになっていたから...との言い分ですが、だからこそその除草は役所ではなく、草を生やしてしまった私にさせるべき事ではないのでしょうか。
 
「私のイモは、イモはぁぁぁぁ.....っ!!!」
もう風祭警部の手には負えなくなってしまいました。
人は失った物を過大に評価してしまいがちです。私の脳内では、雑草に隠れて出来損ないのはずのイモがどんどん太りはじめ、それに合わせて私自身の怒りも巨大化して壁を越えそうになってしまったのでした。
 
 この際、自分の事は棚に上げるどころか、ウォール・ローゼの上あたりまでドーンと上げて言わせて貰うと、そもそもこの農園はエコ農園といいながら、利用者が本当に生ごみを使用しているか、ゴミ減量の場としているかのチェックや指導は全くありません。車で乗り付けて耕耘機を持ち込み、鶏糞を大量に使用する人もいれば、日当たりの悪さを補うためか黒マルチを張ったりビニールでトンネル栽培をしたり、かえってゴミの出る栽培をする人もいたり、これでは単なる貸し農園と変わりません。
 野菜作りのスキルも様々で、農家並に手慣れた人もいれば、私のような放置農法しかできない素人もいて、更に 区画によって日照や草取りの面積にも極端な差があり、1カ所の農園の中に大きな格差ができてしまっています。
 現に、今回草ボウボウになって役所に除草された区画は全て東寄りの陽の当たらない「負け組」でした。正直なところ、この日陰では何をやっても楽しくなくて、不満ばかりが募ってしまいました。その不満が草を伸ばしてしまったのかもしれません。

 役所が行うべきなのは、その日陰に育ったダークな草を草刈り機で勝手に刈る事では無く、日陰でも気持ち良く管理できるような環境を整えて、心に光りを当てる事では無いでしょうか。

 例えば、畦や通路など共有の場所は年に数回、全員で一斉に除草する日を設けてみんなで管理してはどうでしょう。そうすれば、角や端に接する区画の利用者の不公平感も少しは和らぐでしょうし、放置している人もその日だけでも自分の区画を手入れする機会になります。自分たちで管理するという責任感が芽生えれば、刈った草や野菜の枝などを通路に放置するような行為も無くなるでしょう。
 そうしてみんなが集まる機会を年に一度か二度でも設ければ、互いに情報交換ができて、全体のスキルがアップし、結果的にみんなが楽しく管理できるようになるかもしれません。

 草刈り以外にも、役所からは生ごみ堆肥の作り方や利用法、季節毎に害虫防除の方法、種まき時期や作物管理の案内などこまめに情報提供すれば、もっとみんなやる気になって放置区画も減るのではないでしょうか。それにかかる郵送費などは、現在も徴収している水道代と同じように受益者負担で最初に徴収しておけば良いのです。そうして利用者も責任を負えるようにすれば、もっと良い「エコ農園」になるのではないでしょうか?

 ただ農地を機械的に区切って配り、後の使い方は利用者に丸投げ、そして苦情が出ればその時だけ場当たり的に対応する、そんな体質が結果として暗黒の草を伸ばし、今回のような問題を生じさせたのではないでしょう...かっ?
 
....などと、常日頃モヤモヤと抱えていた思いをぶちまけさせてもらい、担当者氏からは無断で草刈りをした事を謝罪してもらい、あわや風祭警部すら飲み込んで巨人化して暴れそうになっていた私は、全身から蒸気を上げつつも何とか人間体を保つ事ができました。
 実際、ほったらかしのサツマイモがそんなに実るはずもないので、それを台無しにされたからといって役所に怒鳴り込むほどの損害ではないはずなのです。それなのにこんなに悲しい気持ちになってしまったのは、エコ農園をエコ農園として機能させられない事へのこの3年間の憤りが、今回の事でスイッチを入れられてしまったからなのかもしれません。
 
 1週間後、再びエコ農園を訪れると、積み上げられた草はだいぶ枯れてその下から僅かに生き残ったサツマイモのツルがのぞいていました。根元を掘ってみるとちゃんと小さなイモが付いています。
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ほんの一日違いで、自分で丁寧に草取りして11月初旬まで育てていれば、それなりにイモも食べられたかもしれないのに、本当に残念です。ともかく、枯れ草の中から比較的きれいなツルを10本ほど救出し、人参と合わせてきんぴらにしていただきました。
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 こんなにちょっぴりですが、とにかく口に入れることで少しは溜飲を下げる事ができたような気がします。
それにしても、食い物の怨みというのは本当に恐いものです。

放置 or Treat

 秋になると日に日に太陽の角度が低くなり、我が放置エゴ農園もそろそろ日照の限界が近づいてきました。
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 昨冬、あまりの日照の悪さに気付いた時はショックでしたが、今年は心の準備ができているので、居合わせた近隣区画の利用者同士で「そろそろ終わりですなぁ」と笑って開き直るだけの余裕もあります。
日照だけではなく水はけも良くないこの土地で、私のような横着者が生半可な手入れをしても徒労に終わる恐れがあるので、今年は徹底的に放置農法に取り組むことにしました。

  春に一度耕し、そこに昨年から貯め込んだウジコンの醸し残し(堆肥とも言う)を「捨てて」、その後サツマイモの苗を数本植えただけ。肥料はおろか、水遣りもせず、夏の間は草取りに1〜2度訪れた程度でした。

ところが、それでもサツマイモはそれなりに茂り、ツルや葉っぱは定期的に収獲できるようになりました。
  更に、サツマイモに混じって色の違う葉っぱも見られます。芋づるをかき分けてみると...ありました!

 
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堆肥からカボチャがうんざりするほど発芽するのは毎年の事なのですが、こんなに立派な実が成ったのは初めてです。思い切って半年分の堆肥をまとめて捨てたのが良かったのでしょうか?ゴミに混じった種が発芽し、周囲のゴミ仲間を栄養にして育ったのでしょう。

記念すべき収穫第1個目はまだ若いようでしたが、ポタージュスープにするととても甘く、美味しく頂く事ができました。ゴミを捨てただけでこんな大物が頂けるとは、それこそ美味しい話ではないでしょうか。

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他にも小さい実があちこちに成っていて、収獲が期待できます。以前どこかで、カボチャの若い実を丸ごとぬか漬けにすると美味、と聞いた事があり、一度試してみたいと思っていました。ここは贅沢をして一つ小さな実を採り、漬けてみる事にしました。

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  しかし肝心のお味は...やはりキュウリの方が美味しいような気がするのは、私の漬け方が悪かったのかも知れません。これは無かったことにしましょう。
 
  しばらくして再び様子を見に行くと、次々と大きなカボチャがゴロゴロと成っているではありませんか!

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それだけではなく、何故かサツマイモとカボチャの茂みの中に赤い物が。これもやはりゴミから芽を出したトマトのようです。
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芋づると共に、大収穫です。
その後も思い出したように農園を訪れると、そのたびにカボチャが見付かり、通算して8個収獲することができました。しかもこのゴミカボチャはどれもとても甘くて美味しいのです。
 聞くところによると、カボチャは良く熟成させると甘みが増すとか。放置し続けたのがかえって良かったのでしょうか。

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ところが、旬とは有り難くも恐ろしいものです。
私ごときが日陰に「ゴミ」を捨てただけでこんなにカボチャを得ることができるのですから、良い土地と知識と経験を持ち、さらに気合を入れて育てている方の所ではもっと沢山実るのは当然の事かも知れません。

自慢の「ゴミカボチャ」よりも更に一回り大きな立派なカボチャを4個も、大屋様から頂いてしまったのです。食べても食べても次々に供給されるカボチャは台所からあふれ出て玄関の靴箱にまで進出してしまいました。

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 そしてとどめを刺すかのように、数日前、小人類の親友のYちゃんが「今日はお菓子が無かったから...」と、20センチはあろうかという最大級のカボチャを抱えて遊びに来てくれたのです。

Yちゃんによると、お祖父さんから2個頂いたらしいのですが、Yママ曰く「うちに2個もあっても仕方ないから、おすそわけ」との事。
2個でも多すぎるというお家から、こんなカボチャ屋敷のわが家が頂いて良いものか...甚だ申し訳ない気がしながらも、やはり意地汚く頂戴してしまいました。カボチャならいくらでも食べられるから、というのもありますが、これには良い使い道があるからです。

そう、折しもカボチャ祭の季節です!

ハロウィーンという習慣はわが家には無いのですが、Yちゃんが小人類達をパーティーに誘ってくれたので、それに便乗してカボチャを消費させて頂く事にしました。

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パーティーは午後から。午前中から小人類達は大カボチャの脳髄をほじくる作業に取りかかりました。「麝香ランタン」なるものを作るのは初めてですが、意外と手間がかかるものです。

ほじくり出した「ジャコー」の脳みそでケーキを焼こうとしたのですが、脳みその供給に手間取ってしまい、焼けたのはパーティーにでかける5分前。
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  完成品の写真を撮る間もなく、親のコートやエプロン、スカートで仮装した小人類達は、まだ湯気の上がったケーキを風呂敷に包み、ジャッ子の生首を抱えて意気揚揚と出かけて行ったのでした。

宴が終わり、ケーキはお友達のお腹に無事収まったものの、麝香は小人類と共に帰って来たので、わが家でもロウソクを点し、初めてカボチャ祭の雰囲気を味わう事ができました。

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「帰って来たウルトラマン」の事を「ウルトラマンジャック」と呼ぶようになったと知ったのは近年の事ですが、この顔はジャックというよりはベリアルではありませんか。

さて、祭が終わってこのベリアルの首級はどのように処理するべきでしょう?

半日ロウソクで燻されてしまったので、脳天の部分はかなり焦げています。焼きカボチャの良い匂いもしていますが、ロウの臭いも染みついてしまったので、この「子供達」に「Treat」することにしました。
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夏は生ゴミ処理に大活躍したアメリカミズアブの幼虫たちも秋になって活動が鈍ってしまいましたが、久々に大好物を与えられてマゴットハロウィーンは大いに盛り上がっています。

問題は本体の顔です。

夏ならば、この中にマゴット達をそのまま投入すれば大喜びで内部から食い破り、口や目から溢れ出す素晴らしい絵が撮れそうなのですが、今はその勢いは望めません。かといって、腐葉家族に放り込めばもっと時間がかかりそうです。

顔と顔を見合わせて、ふと気付きました。

そもそもカボチャの普段食べている部分は、脳みその部分ではなく、主にこの面の皮の方ではありませんか。みすみすマゴットにくれてやるよりも、可食部に限っては人類の処理能力の方が遙かに勝っているはずです。ロウソクで燻された部分をそぎ落としてもまだまだ食べられる肉はたっぷりあります。

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かくして、ベリアルもといジャックは、大量のコロッケと化して人類に食われる事になったのです。最初は「美味しい!」と大喜びで食べていた小人類ですが、食べ終わる頃、ぽつりと呟きました。「かぼちゃはもうええわ...」

とんでもない。放置カボチャがある限り、まだまだカボチャ祭は続くのです。

収穫の春

です。
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 我が世の春がやってきました。
 
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 長い暗黒の季節は終わり、ついに我がエゴ農園にも太陽の恵みが届くようになったのです。
 
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発育不良だったブロッコリーも花を付け始めました。茹でたブロッコリーに塩をかけて食べるのが大好きな小人類もご機嫌です。
 
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大根はお正月のお雑煮には間に合いませんでしたが、とりあえず葉っぱだけは食べられそうです。
 
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 さらに放置された畝にはタビラコ(春の七草のホトケノザ)が満開。せっかくなのでこれも作物として収穫し、切り花としてテーブルを飾る事にしましょう。
 
 そして、この冬の最も重要な作物がついに収穫の時期を迎えようとしています。
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 これは野菜作りのための「土作り」では無く、純粋に腐葉土を作るための施設として建設された坑です。筍の産地である我が乙訓で竹藪の事を「竹畑」と呼ぶように、この場所も「腐葉土畑」と呼ぶべきかもしれません。

 この区画には全く直射日光が当たらないと判明した秋から建設を開始し、雑草1号炉と2号炉、落ち葉1号炉から6号炉、そして笹号炉と合わせて9基の腐葉土炉が並んでいます。表面の様子を見るとまだ全葉脈消失には至っていませんが、既に段ボール製格納容器の損傷は始まっているので、底に溜まった落ち葉燃料の分裂反応はある程度進んでいるのではないかと思われます。

はやる気持ちを抑えつつ、順番に発掘作業を開始してみました。
雑草は腐葉土としては使いにくそうなので当面放置、笹も分解が遅いので引き続き放置するとして、落ち葉の様子から見てみましょう。
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まず落ち葉一号炉。ここにはゴーヤカーテンのツルを落ち葉と混ぜて埋設していました。
ところが掘り返してみると、ゴーヤのツルがまだ原型を留めています。
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しかも底からは仄かに嫌気性の匂いが立ち上ってきました。どうやらこの水はけの悪い立地と水分の多いゴーヤの組み合わせで好気性細菌がうまく働かなかったようです。やむを得ずここは廃炉という事で、中身は全部取り出して畝の上に広げました。太陽に晒せばそのうちいつか分解し、堆肥になってくれるでしょう。
 
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続いて2号炉と3号炉。こちらは栗の落ち葉100%なので期待が持てます。
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上の落ち葉を除けて掘り返すと、何れも美味しそうな真っ黒の腐葉土が出土しました。この分だと4号炉5号炉も同じような状況ではないかと推測されますが、更に大きな収穫を期待して残り二基は放置を続ける事にしました。

そして最後に大物の6号炉です。
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期待通り、立派な腐葉土ができつつありました。
 
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以前お借りしていた放置農園は日当たりが良く乾燥気味の土地だったので、そこで「栽培」した腐葉土はサラサラのドライタイプでしたが、この日当たりも水はけも悪いエゴ農園で採れる腐葉土はこのようにしっとりしています。野菜と同じで、腐葉土もその土地によって質が異なるのかもしれません。
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 田舎の庭でも「野生」の腐葉土は採掘できる事がわかりましたが、山菜採りと家庭菜園が全く異なる行為であるように、自分で作る腐葉土にはまた違った喜びがあります。これで 海賊版ソルビオの量産体制にも目処が付いたと言えるでしょう。
 
ここで収穫された腐葉土は秋に集めた落ち葉のほんの一部で、残りの殆どはこれからゆっくり時間をかけて醸されようとしています。次の落ち葉が散り始めるまで、まだまだ収穫が楽しめるに違いありません。
 
 日当たりの悪さにもう少しでダースベイダーになりかかっていた私ですが、この豊作ぶりに危うく大満足してしまいそうです。
 本当にこれで満足してしまって良いのでしょうか...?たぶん良いのでしょう。春だから。

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