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蟲愛ずる日々
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書庫ウジコン2011〜

ウジコンとは、アメリカミズアブの幼虫(うじ)を利用して生ゴミを急速に分解する夏限定、最小最速最強コンポストである。
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ウジコン日記

今年もウジコンは稼働しています。
(注:「ウジコン」とは、アメリカミズアブの幼虫(蛆)に生ごみを食べさせて処理する画期的な生ごみ処理法です。アメリカミズアブの利用は各研究機関で環境省の補助金を受けて研究が進んでいますが、ここでは家庭で小規模に行う方法を模索しています。)

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ただ、例年とは少し運用方法が異なります。
ただ喜んで蛆を愛でているように見えるかもしれませんが、実はウジコンは結構手がかかるのです。

容器を準備し、
そこに卵を採取し、
孵化するまで約3日、
その小さな蛆が生ごみ処理を急速分解できるくらいの大きさに成長するのにさらに数日、
そして好調にゴミを食べ始めたと思ったら今度はどんどんエサを要求して這い上がって来るので、次々に食べやすそうなゴミを選んで投入し、
それで容器が一杯になったら上に集まった蛆を別容器に移し替えてまた新たに生ごみを入れ、
下に沈んだ元気の無い蛆と食べかすの半堆肥化した生ごみは屋外のコンポストに投入する。。。
。。。と、結構なプロセスを踏んでいます。

 それでもやめられないのは、実用的な面ではとにかくウジコンの方が処理スピードが格段に速い事と、気持ちの面では目の前で生き物にエサを食わせる楽しみと、何より否応なしに彼らが勝手にやってくるので使わざるを得ないからかもしれません。

今年はこの面倒なウジコンをもっと簡単に楽しめる方法を試しています。

従来:「蛆にゴミを入れる」→今年:「ゴミに蛆を入れる」

...これぞ、コペルニクス的転換!


イメージ 2まず、綺麗に洗って乾かしたウジコン容器に、生ごみを入れます。

生き物が入っていないので、調理中開けっ放しでゴミが出る都度投入しても大丈夫です。つまり、この時点ではウジコンではなくただの生ごみ入れ。



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 そして容器に生ごみが8分目くらいまで貯まったら、そこにアメリカミズアブの卵または幼虫を入れます。
 卵は外のコンポストに産み付けられたものを別容器に採っておき、卵のまま投入するもよし、数日して小さな幼虫になってからザラザラと振りかけても良し、という感じです。

→写真の茶色い粉は幼虫の培地にしているコーヒー殻です。写真では見えませんが、この中に体長1mm前後の幼虫が数百頭混じっています。

こうして、ゴミ容器に蛆あるいは蛆のタネ(卵)を入れて蓋をし、後は放置するだけです。

そして翌日はまた新しい容器に生ごみを入れ、一杯になったら蛆を入れ、蓋をする。

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 上手い具合に、この味付け海苔容器は1日分の生ごみを入れるのに丁度良いサイズです。容器には蛆を仕込んだ日付をシールに書いて貼っています。窓辺にずらりと並んだウジコン。左奥から順番に仕込んでいるので生ごみが減量している様がよくわかります。

 投入した時の蛆の大きさにもよりますが、こうして日付を見ると大体5〜6日でウジコンとして本格稼働している事がわかります。
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 窓辺に並べきれなくなったら、古いものから順に外に出して、さらに熟成というか、分解というか、培養というか、とにかくほったらかします。
 外に置くとまたアメリカミズアブやその他のハエ類に産卵される事もあるので、それを避けるために布で防止を被せておきます。



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 蛆が大きく成長して殆どのゴミが分解されて茶色いドロドロになったら、中身を全部外のコンポストに入れます。
 都合の良い事に、この方法だと同じお誕生日の蛆ばかりが一つの容器で育つので、大きさのばらつきがあまりありません。また、ゴミも殆ど堆肥化しているので、容器の掃除がとても楽なのです。 












そして空の容器を洗ったらまた新たに生ごみ容器として使えるので、10個くらいの容器を循環させれば毎日の生ごみをほぼ100%これで処理できます。
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 様々な材料を仕込んだウジコンが並んで熟成が進む様はさながらウイスキーやワインの貯蔵庫。その日私たちが食べたメニューによってそれぞれの容器に仕込まれる栄養が異なり、投入した卵の数、あるいは蛆の数や大きさによって分解される速度も異なり、様々な表情を見せてくれる事でしょう。夏休みといえば絵日記ですが、言うなればこれは生ごみで綴る蛆日記。

今年はこの新しいウジコン運用法で暑い夏をのりきろうと思います。

Amaujing Grace

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(↑小人類主催のクリスマスパーティーにて)
 
今年もクリスマス寒波がやってきました。
秋からずっと暖かい日が続いていたので急な冷え込みは堪えますが、やはり冬は冬らしく寒い方が良いように思えます。
 
我が家の冬の風物詩、「部屋コン」もやってきました。夏のウジコンと同じ容器に入れていますが、中身はマゴットレスのソルビオでした。(過去形)
 
10月に一旦全滅したのを機にウジコンは終了して生ゴミ処理はソルビオに切り替えたのですが、台所の飼育ケースにはまだまだたくさんのマゴットが元気に成長していました。これをそのまま飼い続ければ春にはまた早すぎる羽化をした成虫を持て余す事になります。
 
そこで、せっかくマゴットレスを維持していたソルビオですがやはり最後の一働きしてもらうために投入してしまったのです。これから寒さに向かう時期、可哀想ですが仕方ありません。
...と思ったのですが。
 
夏と違って暑くなりすぎないのが良かったのか、ソルビオの微生物環境がやはりウジコン単品よりも優れていたのか、暖冬のソルビオはウジコンよりもウジコン的様相を呈してしまったのです。
これはほんの一ヶ月前の状況です。
毎日昼は日向に出し、夜は玄関に取り入れて、と大事にお世話していた事もありますが、例年ならあり得ないAmazingな繁栄ぶりでした。
 
しかしやはり季節はちゃんと巡り、いつも通りの寒さがやってくると、彼らは毎日少しずつ数を減らし、いつしか元のSilent Nightを取り戻したのです。降り積もる雪の如く白いダニに覆われたWhite Christmas。
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やはり冬は寒くなくてはなりません。
 
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メリークリスマス!

奥のほそ虫

秋が来て 山のパレット 赤黄色

 小人類が国語の俳句授業で詠んだ一句です。
 
 実際には秋とは言えまだ暖かく、教室から見える山は少しも紅葉していないのですが、本人はなかなかの傑作と自画自賛していました。この他にも、学級通信にはお友達が詠んだ名句が満載です。
 
そこで私も小人類に負けじと短冊を手に、したためて見ることにしましょう。
 
 
夏のウジ ひねもすくねり くねりかな 
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 6月14日から開始したウジコン(アメリカミズアブの幼虫〈=蛆=マゴット〉による生ゴミ処理)。
今年のウジコンはゴミと共に投入したマゴットが急速にゴミを分解した後、次々と燃え尽きて全滅するというパターンを繰り返し、殆どウジ無きウジコンという不思議な様相を呈していました。

 しかし秋の到来と共にマゴットの食欲も減退し、ついにいくら交替要員を投入しても翌日には殆どがぐったりしてしまうようになったので、9月末をもってウジコンは終了の時を迎えたのでした。
静けさや 土に染みいる ウジの殻
 
 マゴット達の食べ残しは堆肥となって少しずつ蓄積します。昨年は容器が堆肥でいっぱいになると中身を総入れ替えしていたのですが、今年は溢れた分だけをソルビオ箱内の空き袋に移し替え、新たなゴミとマゴットを追い足すという使い方をしました。
 いつしか袋は夏中のゴミのなれの果てで満たされています。そして最後のウジコンもこの袋に合流させ、ひとまとめにしました。
 
まだ醸し残しがありますが、米糠と水を足して毎日撹拌し、微生物に最後の仕上げをしてもらいます。

 
ウジ終えて 箱いっぱいの 芥かな

 空になったウジコン容器には、休眠していたソルビオを入れて秋の生ゴミを処理することにしました。しかし実戦に復帰したばかりのソルビオは俄に勝負勘を取り戻す事ができず、数日で容器内はゴミでいっぱいになってしまったのです。
 
 やはりこのサイズでゴミ処理をするには微生物だけでは荷が重いのか?と思っていた所...。

ダニ一万 一万ほどの 温かさ

 ちゃんとダニ達が手伝いに来てくれたおかげで、スムーズに再稼働することができました。自然の摂理は実に上手くできているものです。

やれ打つなアブが手を擦る卵産む

 ウジコンは終了しましたが、アメリカミズアブの産卵はラストスパート。台風一過の晴天には、雨の中、卵を抱えて待っていたお母さん達が大挙しておしかけて来ました。

秋孵化し 隣は何を 食う虫ぞ
 今の季節生まれた幼虫が秋の間に蛹化する事ができれば、寒い冬を越すことが出来ます。彼らが夏の間懸命にゴミを食って成長し、命を繋いで死んで行ったのは正にこの最終ランナーにバトンを渡すためだったのです。この卵は大切に育てて来年の夏に備えたいものです。

果皮食えば アブになるなり 放流ウジ
 夏には大好物の瓜をもりもり食べていたマゴット達ですが、秋には甘い果物が実り、冬に備えて栄養を蓄える事ができます。これまた自然は良くしたものです。
 
 
 こうしている間にも、ソルビオ箱の中で熟成させていたウジコンの醸し残しはすっかりサラサラの堆肥になってしまいました。この袋の中にはひと夏の我が家の食生活が凝縮されています。
 
つち臭や うじむし共が 湯気の後 

 6月14日から9月30日までの109日間でウジコンに投入された生ゴミの総量は21430g
 因みに、夏休み旅行に出かけていた三日間を除いた107日間で排出したゴミの平均を取ると、一日あたりの生ゴミ排出量は約200gとなります。

 この生ゴミをマゴットが分解した後、二週間の微生物による最終処理期間を経て生成された堆肥は5500g
実に1/4以下まで減量した事になります。しかも、腐葉土やピートモスなどのベースとなる基材は一切使用していません。純粋にマゴットとゴミだけによるコンポストです。
 
 大活躍に敬意を表し、物言わぬマゴット達に代わり、古式に則って辞世の句をしたためる事と致しましょう。
 
ゴミを食い ゴミと消えゆく 我がいのち 真夏のことは 夢のまた夢
 
 
大部分、盗作。

食欲の秋

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残暑厳しい日々が続いていますが、それでもサンマの美味しい季節は巡ってきました。
我が家の人類達は気温に関わらず年中無休で何でも美味しく分解してくれていますが、やはり秋には美味しい物が出回るので一層食欲が旺盛になってしまいます。
 
一方、我らがアメリカミズアブの場合、9月も半ばになると真夏の如き爆発的な食欲は急激に鳴りを潜め、ウジコンは徐々に普通のコンポストへと移行して行くのが例年の流れとなっています。
しかし、このところの残暑のおかげでもうしばらくは彼らのお世話になることが出来そうなので、ひとつここは秋の味覚で精を付けて貰う事にしましょう。
 
台所のマゴット育成ケースにはいつも1000〜1500頭のアメリカミズアブの幼虫が居て、小口の生ゴミ処理をしながら本格ウジコンに成長するのを待っています。ここに思い切って3尾分のサンマの頭を屹立させてみました。さて、どうやって食べてくれるのでしょう。
 
16時間後。
真夏の絶頂期ならサンマの頭などは一晩で平らげてしまう事もあるのですが、やはりシーズンオフに入っているからでしょうか、意外と仕事が進んでいません。一度に3尾は多すぎたのか、それとも縦に入れたのが食べにくかったのか...。
しかし立っていたサンマの頭がいつの間にか倒れている所を見ると、根元から作業は着実に進んでいるようです。
 
確かに地下では彼らの動きが活発になっています。
 
20時間後。頭は完全に倒れてしまったので彼らも真面目に働いているのはわかるのですが、どうもスピード感が感じられません。
 
そこで、恥ずかしがり屋の彼らがのびのびと仕事に打ち込めるよう、コーヒー殻を上にかけて身を晒さずに食事ができるようにしてやりました。
ヴィジュアル的にはちょっと物足りないのですが、秋にも働かせるためには配慮が必要という事なのでしょう。
 
 
ついでに、暖かい所の好きな彼らのために昼間は日当たりの良いベランダに出してやった所、効果てきめん、元気に動き出しました。
そして48時間経過。
 
 
小さなウジ虫達が集合して大きな龍と化しています。栄養と熱によってやっと大きなムーブメントが起こりつつあるようです。
 
とは言うものの、土中では龍がのたうちまわっているわりには、上から見た景色にあまり変化が無く、物足りない...と感じていたのですが。 
60時間後。
ついに龍は地中に埋もれていたサンマを押し上げはじめました。
80時間後。
一見姿は変わっていないようですが、外皮を残して中身は殆ど食べ尽くされつつあるようです。
 
ここまで人類は一切エサに手を触れたり容器を振って撹拌したりしていませんでしたが、ここで初めて、一頭でも多くのマゴットがエサにありつけるように軽く揺すってかき混ぜてあげました。
 
サンマを投入した時はまだ2〜3㎜前後だったマゴットは、倍くらいに成長して元気にベリーダンスを踊っていました。
 
そして96時間。 
かき混ぜたのに再びサンマ(の残骸)は浮上していました。マゴットは食べ終わった後の滓ををこうして上に押し上げるのです。でもまだ食べられそうな所が残っているので、もう一度撹拌してやりました。
 
そして110時間。
完食です。
 
 マゴットの大きさと個体数に対してエサの量が多かったのと、季節が少しだけ遅かったのとで時間はかかりましたが、無事分解する事ができました。
 普通台所にサンマの頭を5日も放置すれば大変な事になりそうなものですが、不快な臭いに悩まされる事は殆どありませんでした。これはマゴットが食事をするときに出す酵素の働きに、コーヒー殻の消臭効果も手伝ったのではないかと思います。
 
 エサを食べ尽くしたマゴット達はすぐにお腹を空かしてしまいそうだったので、満を持してウジコンに投入する事にしました。容器をひっくり返して見ても、魚の痕跡は見当たりません。
 
さらに2日後。彼らの仕事ぶりを覗いて見ましょう。
 
今年はゴミ処理が好調過ぎて投入したマゴットが次々と全滅し、「ウジコン」と銘打ちながらウジの居ないただのコンポスト状態の事が多かったのですが、この時期になってやっとウジコンらしい景色を見ることができました。
 
今度の台風が過ぎれば流石の残暑も和らぐのではないでしょうか。いよいよウジコンもラストスパートです!
 それはバブル華やかなりし頃の事。
世間知らずの新入社員だった私が、同じく同期入社のN君とランチを食べていた時です。熊本県出身の彼が店内のTVを見て、ぽつりと聞きました。

「藤山寛美って誰だ?」
当時まだ関西から一歩も出たことの無かった私は、上方を代表する喜劇俳優であるという説明もそこそこに、松竹新喜劇が全国レーベルでは無かった事に必要以上に驚いてしまったのでした。するとN君はこともなげに、

「じゃお前、ばってん荒川って知ってるか。」
 
と問いかけました。知らない、と答えると彼は納得したように頷いて、
「そういうもんだ」
とほくそ笑んだのです。
(因みにそれから数年後、私は九州に出張し、宿泊先のTVで確かに「ばってん荒川」なるタレントが彼の地で活躍している事を確認したのでした。)

 彼は続けて、熊本にあって京都に無いものを列挙しはじめました。私にとってはどれもばってん荒川並みの新出単語ばかりです。からしれんこん、球磨焼酎...そして「ニガウリ」。

 この野菜の事を初めて知ったのは、恐らくその時だったろうと思われます。
今ではすっかり「エコ」とセットで語られるようになってしまったニガウリことゴーヤですが、20年前には関西では殆ど知られていなかったのです。おかげで、夏になってこのでこぼこの実を見かけると、飲み友達だったN君の熊本弁を思い出すのでした。

 田舎育ちのクセにそれまであまり園芸に興味が無かった私ですが、ソルビオでの生ゴミ処理を始めたのをきっかけにベランダで流行り物の「グリーンカーテン」に挑戦し始めました。しかし生来の横着と吝嗇のためロクに肥料もやらず世話もしないので、例年は「カーテン」とはほど遠い「すだれ」に終わっていたのです。

 しかし今年は心を入れ替えて早めに良い苗を購入、昨年のウジコン堆肥をタップリ入れた大きめの発砲スチロールケースにゆったりと一本だけ植え、朝な夕なせっせとと洗濯の残り水を遣りました。
 

おかげでベランダは緑に覆われ、「カーテン」と呼んでも良い状態に育ってくれました。
肝心の実もぽつりぽつりと成り、苦いのが苦手な小人類達も刻んでサラダに混ぜれば喜んで分解してくれています。品種によるのか、ウジコン堆肥が良いのか、市販のものより苦みは少ないような気がします。

好きなタイミングで収穫できるというのもベランダで採れる事の利点です。大きく成りすぎないうちに採れば、食べきれずに持て余す事もありません。
こうして今年も暑い夏ではありましたが、見た目だけでも涼しげに楽しむ事ができたのでした。
 
唐突ですがここで話は再びバブル期の職場に戻ります。

 当時勤めていた会社は業種も一風変わっていたせいか、先輩社員には更に風変わりな方が沢山おられたものです。
 例えば、直属の上司だった人が結婚祝いにくれたのは「ウルトラマン肩たたき」でした。

 変身ポーズをとったウルトラマンの拳の部分で肩を叩くというナイスな代物だったのですが、それはもう現存せず、付属品だった「ピグモンのマッサージボール」だけが残っています。

 手のひらサイズのピグモンを手のひらでニギニギすると、トゲトゲがツボを刺激する...というアイテムなのですが、その本来の目的で使用された事は殆ど無く、今ではすっかり小人類のなぐさみものとして、怪獣ソフビと共におもちゃ箱で余生を過ごしています。元は原作通り赤い色でしたが、色あせて黄色くなってしまいました。
 
まるで熟れすぎたニガウリのようです。

 因みに、ニガウリを教えてくれたN君は熊本に帰り、会社を辞めて18年経った今も年賀状をくれますが、ウルトラマン肩たたきをくれた上司とは音信不通です。もしや今頃は、ウルトラマンではなく社長に肩を叩かれてはいないでしょうか。

 緑色のニガウリの実は保護色なので、葉っぱの影に隠れてついその存在に気づかず過ごしてしまう事もあります。そうしてある日、忽然と黄色いピグモンがぶら下がっているのを見つけてしまうのです。

これをさらに放置すると、ピグモンは自爆して真っ赤な内臓をまき散らします。
ピグモンの内臓は真っ赤でヌルヌルしています。甘いので虫達が寄ってきました。

ニガウリに限らず、野菜や果物の種子はヌルヌルした膜で覆われています。このヌルヌルには発芽を抑制する物質が含まれていて、種子が土に落ちて成長出来る環境になるまで保護する役割を果たしているそうです。
逆に、発芽させるためにはこのヌルヌルを除去しなけれすればならないという事です。

前置きが大変長くなりましたが、ここからが本題です。

そこで登場するのが我がアメリカミズアブ。
これまでにもカボチャやトマトの種をソルビオでクリーニングしたり、銀杏の果肉をソルビオで処理したりしていましたが、それには最低でも数日はかかります。

ではアメリカミズアブのマゴットならどれくらいでピグモンの内臓からニガウリの種を取り出してくれるでしょう?ウジコンではなく、台所のマゴット飼育ケースにピグモンの皮ごと投入してみました。
 
イメージ 3
人類の子供と違ってこの子供達は好き嫌いをしないので、苦いウリでも大喜びに違いありません。
昼に投入して夕方開けて見ると、もう表面にピカピカの種が浮き上がっていました。
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これはマゴット達が下に潜ろうとする自然な動きによって、食べ終わったカスが上に残されるからです。何ともお行儀の良い子供達です。
 
こうして僅か4〜5時間で、種子のクリーニングと分別を済ませてくれました。
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 水洗いと違い、マゴットによるクリーニングは洗い残しがありません。可食部をピカピカに食べ尽くした後、さらに微生物がミクロ単位で掃除してくれているはずです。
 普通、種子が土に落ちるとまず表面に残ったヌルヌルが土中の微生物に醸され、発芽抑制物質が無くなってから発芽するというプロセスを踏むのでしょうが、こうして完璧にヌルヌルを除去できていれば植えてからの発芽も早いのではないでしょうか。

マゴットの素敵な利用方法がまた一つ見つかったような気がします。

こうして処理された種と、処理作業を行ったマゴットのなれの果て(またの名を堆肥とも言う)は来春まで保存し、再びウジコン堆肥で種は育ち、実を成らせ、人類とマゴットは緑陰の下でそれを食べるのです。
 
 その実は「ゴーヤ」ではなく、N君に敬意を表して「ニガウリ」と呼ぶべきなのかも知れません。

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