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「ドン・カルロ」

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先日、行ったマリエッラ・デヴィーアのリサイタルがあまりにも素晴しかったため、家に帰って、現在発売されているデヴィーアのCDをこれでもか!というくらいに一気に買った私。

というのは大げさで、買えるものを全部買ったとてせいぜい三種類程度なのだ、悲しい。
彼女の実力とは反比例して、発売されている彼女のCDは本当に少ないのだ。

で、その際に、次回のオペラの予習として「ドン・カルロ」を併せて購入。

数多くのCDが出ている中から、値段と指揮と歌手を総合してこれ!というものを独断と偏見で選んだのだがこれがもう素晴しいのなんのって。

1978年ステレオ録音の版で東芝EMIから出ているカラヤン指揮のベルリン・フィル。
これだけでもワクワクなのに、歌手が早々たるメンバー。
カレーラスは好きじゃないんだけどヒステリックでパワフルなリリコ、フレーニ、バルツァも敢えてコメントをしなくていいほど素晴しいし、カプッチッリもいい。

しかしこの中で最高なのが間違いなくギャウロフ。
いやもう彼のフィリッポ二世はワンダフォーです!

Il Grand' Inquisitor!
Ardita troppo voi favellate

カプッチッリも本当に、、、、いいですね。。。。
Per me giunto è il dì supremo

それと、カルロとロドリーゴの二重唱、
Dio, che nell'alma infondere amor…

この二重唱はもう歌も最高ながらオケも素晴らしく、完全ノックアウト。。。。。。
もし今、これを生で聴けたなら、もう思い残すことはないでしょうに。。。。。(本当は思い残すことはまだまだ山ほどある。)

間もなく、これらを愛するルネ・パペさまで聴けるのだと思うと、聴く耳にも力がこもってしまうというもの。

毎朝毎晩、昼でも暇さえあればこれを聴いて盛り上がる準備万全のyolなのでした。
二幕。
これはもう待ちに待った松岡梨絵@ミルタ。
これが観たくて足を運んだといっても過言ではないのです。

数年前に松岡さんのミルタに感激し、そこから数年経って、その間にプリンしパルに昇格し、どんどん上手になっている松岡さんがどのようなミルタを演じてみせてくれるのか本当に楽しみだったのです。

ところが。

うんうん、いいんですよ、本当に。
技術に関しても申し分ないし、やはり松岡さんは女優バレリーナの道を進んでいるのだわ、という感じで演技にも磨きがかかっています。

ただ、ちょっと怖い。。。。。
とにかくもう目が怖いの(泣)。
森で会ったら怖くて足がすくんじゃう。

松岡さんは美しく威厳があり、踊りも柔らかだけれどまさに要所をピシッ!と音がしそうに歯切れのよい所作で締める、まさに私の好きなミルタの振る舞いなんだけど如何せん視線が怖すぎます。
睨んでるんだもん(泣)。

私のミルタのイメージは氷のように冷たく、言ってみれば孤高と威厳の女性。
人間どもを見下す感じで静かに冷たくばっさり切り捨てる、、、、とこんな感じなのですが、この日の松岡さんは徹底的に戦いを挑むような攻撃的ミルタで、いやいやホント、ここまで敵意をむき出しにするミルタはやはり珍しいので、これはこれで面白かったのですが、そりゃー、怖かったですよ。。。。

次回はもう少しお手柔らかにお願いしたいです。

あ、でもこれはこれで楽しめました。
もう少し反芻が必要ですが、こんな鬼のように怒りに包まれ、いや怒りをここまで表すミルタという解釈もまた。。。。うん。

さて、二幕でどうしても引っかかってしまうもの。
それは熊川さんへの暗黙的崇拝的愛慕的光輝的憧憬的渇仰的な拍手喝采。

最近は、楽しみにしている人がいるは事実だし、と半ば諦めて飲み込むようにはしているのですが、多少ジャンプが綺麗で高いからとて、多少回転が速くて美しいからとて、あそこまで盲目的になれるものなのだろうかと。

熊川さんは素晴しいし、間違いなく一流のダンサーで、テクニックはずば抜けているのだけれど、だからと言ってあの盲目的喝采が舞台を盛上げているかといったらそうでもなくて、拍手をしようと大きく手を打とうと息を吸った瞬間、あの必要以上の喝采に溜息。そしてなんだか変な白けた気持ちになってしまうのです。

もう少し、熊川さんのバレエ芸術を真っ当な形で鑑賞することは出来ないのでしょうか?
じゃぁ、何が真っ当なのかというと、やはりアイドル的喝采を送るということも一つの真っ当な形であると言われたら何も言い返すことが出来ない以上、白けてしまったとしても受け入れざるを得ないのでしょうかね。

はぁ〜 =3

ってなわけで、その部分に関してはもう忘れることにして。




東野さんの二幕のジゼルも良かったです。

やはり彼女に対する期待感が物凄かったのですが、その期待そのままのジゼル、儚げだけれどアルブレヒトを思う強い気持ちが滲み出て滲み出て、彼を守り抜こうとする静かで強い意志に満ち満ちた素敵なジゼルでした。

これから先、まだまだ続く公演で東野さんはどのようにジゼルを完成させていくのでしょう。
最終は神戸に行かれる方が羨ましいです。

練って練って練って、
絞られて絞られて絞られて
そして舞台を経験する毎に輝きが増していく東野さん。

近い将来、いいニュースが入ってくるような、そんな期待感ももててしまうような素敵な舞台だったと思います。

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