|
流出した口座番号を悪用した新種のカード詐欺が発覚した。カードから直接、情報を盗み出す「スキミング」とは異なり、各銀行独自のカードシステムを解析したうえで流出した個人情報を合体し、カードを偽造する手口だ。被害は少なくとも2006年12月以降、地方銀行6行で総額約4億円に上るという。読売新聞が報じた。
これまでのカード詐欺は、カードを盗んだり、金融機関に設置されているATMに特殊な装置を仕込んで情報を盗み出すスキミングが主流だったが、今回はまったく違う手口が使われていた。
警視庁などによると、北洋銀行(札幌市)では07年10月17−23日の間、顧客が知らない間に現金が引き出される被害が186口座であり、被害総額は約1億4100万円に上った。このほか、中国(岡山市)、千葉興業(千葉市)、八千代(東京都新宿区)、大分、紀陽(和歌山市)の各行でも被害が確認された。
どの顧客もカードを紛失した経験はなく、大分ではカードを作っていない顧客の口座からも現金が引き出されていた。
被害者には居住地や同じATMを使うといった共通点はなかったが、唯一の接点があった。それは、顧客の大半は都内にある健康食品会社の会員ということだった。
引き出しに利用されたカードは、口座番号を暗号化して磁気部分に組み込んでいたもので、犯行グループは銀行ごとに違う暗号化システムを解析したうえで、口座から引き出したとみられる。
暗号化システムには「暗証番号」が必須だが、これは電話で口座残高を照会するサービスが悪用されていた。犯行グループは、電話番号や生年月日を手当たり次第に打ち込み、間違った暗証番号を打ち込んだヒット数が、2日間で1000件を超えた銀行もあったという。
警視庁では被害が確認された地域の警察と合同捜査本部を設置し、近く本格捜査に乗り出す。背景には、金融の高度な専門知識を有する組織的な犯行グループが存在するとみられている。
|