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仮説としても十分な読み応え


安彦良和の 神武(全5巻) を読了。

前作『ナムジ』にて古事記を基にした大国主命(オオクニヌシノミコト)を中心とし、ヤマト王朝の成り立ちに
ついて大胆な仮説を繰り広げた安彦良和。
本作はその続編として、大国主命による国譲りから神武東征までを描く意欲作。


前作「ナムジ」において作者は、記紀の考察とともに大胆な想像力を駆使して古代日本を語っていました。
邪馬台国=北部九州起源説を基にして、南九州における天孫降臨伝説を結びつけるための出雲勢力との
争いのプロットは非常な読み応えがありました。


そして、本作です。
皇統始祖とされる神武天皇(イワレヒコ)が南九州(作品内では南遷した邪馬台国)に生まれ、如何にして
畿内へのいわゆる神武東征へ至ったのか?が語られています。
語られているとはいえ、あくまでも安彦良和の描くフィクションの世界です。

しかし、記紀やその他の学術書を読み込んだと思われる作者の知識から醸し出される大胆な仮説としても
非常に興味ある内容です。

その白眉は、「神武東征=婿入り説」には驚かせられました。
学説としては傍系にあたる仮説を自らの解釈を加えて、妙な説得力を感じます。

主人公を神武その人ではく、ナムジの長男であるツノミ(武角身)にすることで、南九州−出雲−畿内
といったラインを結びつける部分も見事の一言でした。

あとがきによると、古事記伝については未完であると明言していることから、続編が今から待たれます。
現在連載中の「ガンダム THE ORIGIN」が終了したあとになるのでしょうか?
日本古代史は、ある意味で安彦良和のライフワークになりそうです。


にしても、やはり記紀は難しい><
血縁関係が複雑な上に、一人が複数の名前を持つために人物把握が大変。
ちょっと古代史関係の本を読み直したりしています(^^;

安彦良和の美しい描線を楽しみながら、日本古代史に興味を持つのもいいかもしれませんよ?

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