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石原慎太郎 『天才』

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意外に淡白な語り口


かつて政敵であった石原慎太郎が描く田中角栄の伝記ともいえる『天才』の感想。


田中角栄といえば、ウィキペディアを読んでも波乱万丈という言葉が当てはまる壮絶な人生です。
ベストセラーになる要素は十分にあったと思うのですが、売れた一番の要因は ”あの” 石原慎太郎が田中角栄を語るという点であったと思います。


かくいう私もあのエキセントリックな石原慎太郎が田中角栄をどのように語るのか?
強い興味をもって手に取りました。
ところが田中角栄の一人称で語られる回顧録の形式をとった手法にまず驚き、読後はその淡白な筆致に再び驚くことになりました。


石原慎太郎の作品は一番有名な「太陽の季節」さえ未読の私ですが、ただ漠然と非常に攻撃的な文章を予想していたため、この小説における淡白な語り口に戸惑いさえ感じました。
率直に言えば、”特徴のない文章” というのが正直な感想です。
この点の違和感が読書中、ずっと気になってしまい、今ひとつ没頭できませんでした。


政界の権力争いやロッキード事件などショッキングな人生を語っている割にインパクトが薄いのも、その淡白な筆致が原因ではないか?と感じました。
この小説を読んだ限りでは、石原慎太郎の他の小説を読みたいという衝動は起きませんでした。
正直、小説そのものの評価よりも、田中角栄と石原慎太郎という組み合わせの妙がベストセラーに結びついたのではないでしょうか?

ただ、非常に読み易い文章であることも確かなので、”田中角栄がどのような政治家であったか” を知るには最善の入門書としてオススメかもしれません。


ちょっと期待はずれの一冊でした。

 

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