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言葉を持つ指導者


イビチャ・オシムの『信じよ!』を読みました。

かつて日本代表監督を務め、健康問題で志半ばにして日本を後にすることになったオシム。サッカーへの情熱と日本への愛は冷めず、日本サッカーを応援しつづけている。ブラジルW杯へ向けて、日本代表への貴重な提言

独特の言い回しでサッカーを語るオシム氏ですが、この本でも特徴的な語り口は
健在でした。

まずはW杯グループリーグで対戦するコートジボワール、ギリシャ、コロンビアの
特徴と対策を述べるとともに、日本チームの不安要素にも触れています。

次に各グループの戦力分析とその展望。
特にスターとされる選手たちへの懸念については、学校の先生のような感じです。

次にザッケローニへの提言として、スピードに欠けるディフェンスの課題、ハイ
プレスの賛否など、特に目新しさは感じませんでした。

次にキープレーヤーについて。
長谷部、遠藤、今野、本田、岡崎の5人をキープレーヤーとして挙げ、その長所
短所を語っています。
あとGKの川島の起用については、大きな疑問を投げかけています。

最後に次期代表監督とJリーグの未来について。


全体的に落ち着いた語り口で奇抜なことは何も言っていません。
言っていることは割と普通なのに読んでいるときは深く関心してしまいます。
これが「言葉を持っている指導者」ということなのでしょう。

岡田武史氏には失礼なのですが、南ア大会まで日本代表を指導していれば、
どのようなチームが誕生していたのか想像を膨らませてしまいます。



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自転車に乗りたくなる


亀頭莫宏の『のりりん』第1巻〜第9巻を読みました。

自転車乗りを頑なに拒む青年・丸子一典(28歳:彼女なし)が出会ったのは、キュートな女子高生ロードレーサー・織田 輪。ひょんなことから免許取り消しになってしまったノリに、彼女は自転車に乗ることを勧めるが……。『ぼくらの』の鬼頭莫宏が描く、大人の自転車デビュー入門漫画!

ロードレーサーの漫画と言っても「弱虫ペダル」のような競技ものではなく、
趣味で乗る愛好家たちの物語です。

主人公の丸子は、自動車マニアで自転車を拒否するのですが、リンちゃん母娘の
強い勧めもあり、ついに自分もロードレーサーとしてデビューすることになります。
その過程も丁寧に描かれており、その際の一助になっているのが妙にロードバイクに
詳しいりんちゃんのお母さん。
一体、何者なんでしょう?

そのうち丸子の仲間たちもロードレーサーとして加わるのですが、その様子が
実に楽しそうで「自分もロードバイク欲しいかも」と思ってしまいます。
実際にはロードバイクは何十万円もするので高嶺の花なのですが、そこにある
確かな楽しみが伝わってくるマンガです。

第9巻になり、丸子一同はサーキットレースにデビューし、楽しさと苦しみを
知ることになるのですが、この先の展開が非常に楽しみです。

バリバリの博多弁をしゃべるりんちゃんが、とても可愛いですよ♪



桑田真澄 『心の野球』

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真摯で謙虚だけれども

桑田真澄の『心の野球』を読了。

がむしゃらな努力は無駄だ。一心不乱に根性だけで練習に没頭したことは一度もなかった。やるべきことを精査し効率性を重視しながら、練習を積み重ねていた―。日々、闘う全ての男たちに捧ぐ、努力の天才が辿りついた「成長の法則」。そして、はじめて言及する盟友・清原和博との関係と、引退の真相。小さな大エースの全思考全感覚を凝縮。

努力、試練の克服、感謝、プロ意識、プロセスなどといった章立てで桑田真澄の
野球観というよりも、人生観を綴った内容。

その全てに共通するものは「己を律する」という点でした。

野球選手として、指導者として、一人の人間として謙虚さを忘れず、自らを強く
律する姿勢は脱帽そのものなのですが、読んでいて何か引っかかるものがあります。

誤解を恐れずに言えば、それは「ちょっと気持ち悪い」という感想。
桑田真澄の主張はあまりに聖人君子的というか優等生的であり、私のような人生や
日々の生活に引け目を感じる人間にとってはズレのようなものを感じずにはいられ
ませんでした。
終始、穏やかな口調で切々と論じているので、尚更でした。

どちらが正しいかといえば、圧倒的に桑田真澄の方が正しいです。
ただその正しさを維持継続する強靭な精神力がない者にとっては、耳が痛いだけ
ではなく、軽い拒否反応を起こしてしまいます。(あくまで私の場合)

球界きっての理論派でなる桑田真澄が指導者になった際の手腕には大いに関心が
あるのですが、このような高いレベルでの人格形成に周りがついてこれるのか?
という点に強く興味が残りました。



掛布雅之 『若虎よ!』

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阪神愛


掛布雅之の『若虎よ!』を読みました。

GM付きの育成&打撃コーディネーターに就任したミスター・タイガース。彼はどうやって若虎たちを指導し、阪神をどんなチームに変えていこうとしているのか? 25年間蓄積された知恵がついに明かされる!

掛布雅之の考える育成の流儀、バッティイング理論、選手時代のエピソード、
これからの阪神論といった内容になっています。

特に育成とバッティング理論については一家言あるようで、かなりのページ数を
割いて説明しています。

育成についてはとにかく褒めて長所を伸ばすという特徴。
バッティング理論については、こと詳細に技術論をなるべく分り易く書かれており、
野球経験のない私にはピンとこなかったのですが、経験者には何か感じるところが
あるんだろうなぁという説得力がありました。
その他、野村、星野、岡田の3監督について、主にその功績を評論しています


あとは阪神の4番を任せられた者のプライドと責任について、熱く語られています。
正直ここまで執着を感じねばならないのかと、その重責に驚くばかりです。

そして、選ばられた阪神の4番だったからこその阪神愛。
「阪神のためなら何でもやる」「阪神に属している人間のためなら何でもやる」と
いった強烈な阪神愛を感じる著書でした。

ファンに愛される4番だったことに大きく納得しました。



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愛を感じる1冊


野村克也の『私の教え子ベストナイン』を読みました。

辛口ノムさんのお眼鏡にかなったのは誰か? 読み始めたら止まらない! かつて監督を務めた南海、ヤクルト、阪神、楽天のチームメイトの中から、 まずは候補者50人をノミネート。そこから「ベストナイン」を決定! 9 つのポジションに加えて、投手は「先発」「救援」に分け、その他「再生」 というカテゴリーも設定し、それぞれから選出した結果、計13人に。い ったい誰が選ばれるのか? おなじみのノムさん語録満載、弟子たちの生き様とともに人生哲学も学べる 濃厚な一冊! 

昨今の野村克也の著書は重複するエピソードが多く、酷い本になると水増し感を
感じずにはいられないものがあります。

本著もそういう傾向が無きにしもあらずなのですが、各ポジションごとに複数名
列挙することにより、これまで語られることのなかった選手のエピソードに
触れることができます。

南海、ヤクルト、阪神、楽天の監督時代からベストナインを選ぶというのは
とても面白い企画でした。
ベストナイン候補に選ぶというのは、野村監督自身が「お世話になった選手」と
いうことになり、必然とその選手の長所を述べ、愛ある言葉で綴られています。

一番印象深かったのは、江本孟紀の項の最後を「江本は野村再生工場の最高傑作
である」とわざわざ太字で書いてある点でした。
江本自身も野村の愛弟子を自負している節がある一方、評論などでは辛口で野村
監督を論じることも多々あります。
そんな江本が現役時代から可愛くて仕方ないという心情を垣間見た気がします。

昨今の野村克也の著書に辟易している方でも得るものが多い1冊だと思います。



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