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近頃ジニョンは肩こりに悩まされていた。
“運動不足なのかしら・・・”
エイヤット!
事務室で思いきりストレッチをしていると、そこにヨンジェが入ってきた。
「ジニョンさん、いくら既婚者だからって、制服で体操は大胆過ぎますよ。」
「あ〜らヨンジェさん、いい所に来たわ。休憩時間でしょ、チョットつきあってちょうだいな。」
ジニョンはヨンジェにニッコリほほ笑みかけた。
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二人はいそいそとテニスコートにやってきた。
ジニョンの手には野球ボール。
たまたま事務室に置いてあった硬式ボールが目に付いた。
何か文字が書いてあるが、まあいいやと持ち出してきたのだ。
「ヨンジェさん行くわよ〜」
さっそくキャッチボールを始めた二人。
「ジニョンさ〜ん、どうして右手で投げる時右足が前に出るんですかぁ?」
ヨンジェは笑いながら、ふんわりとボールを投げ返した。
「お〜い、何サボってんだ〜」
その時テジュンがニコニコと近づいてきた。
あっ!
ジニョンは、顔が向いているのとは全く違う方向にボールを投げ込んだ。
そのボールは凶器となってテジュンの顔面に激突した。
パッコ〜ン!!!
あう〜〜〜
テジュンはその場にうずくまった。
「うっうっう」・・・痛すぎて声も出ない・・・
「テジュンさ〜んごめんなさ〜い、大丈夫ぅ〜?」
・・・大丈夫に見えるかよ・・・
「社長、はやく医務室へ」
・・・ヨンジェ良くぞ気づいた、ううう、何とかしてくれ〜・・・
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「社長良かったですね、眼球直撃じゃなくて。」
テジュンは氷嚢をそっとはずし鏡を見た。
腫れ上がった頬・・・目の周囲は紫の鬱血・・・まるで誰かにぶん殴られたようだ。
「はぁぁぁ〜、オ総支配人に連絡してくれ。
今日のVIP対応を代わってもらうように・・・」
「あ〜ん、テジュン社長、ごめんなさ〜い」
さすがのジニョンもしょんぼりしおれていた。
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その頃事務室では、オ総支配人が大騒ぎしていた。
「おい、誰かここにおいてあったサインボールを知らないか!
やっと手に入れたイ・スンヨプのなんだぞ!!!」
オ総支配人を呼びにきたヨンジェは、事の重大さを知り、事務所の入り口で真っ青になって立ち尽くした。
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その晩自宅で夕食を摂りながら、ジニョンはテジュンのことばかり話していた。
「私のせいで、当分人前に出られないのよ。」
「・・・・・」
「目に当たっていたら大変なことになっていたわ。視力に影響したらどうしましょう。」
「・・・・・」
「後で電話をして、少しは痛みや腫れがひいたかどうか聞いてみようかしら・・・」
「もう夜遅いし、明日様子をみたら・・・君が投げた程度のボールじゃ大丈夫だよ。」
・・・テジュンの奴、大げさに騒ぎやがって、面の皮が厚いんだから大丈夫だろ!・・・
「でも心配で・・・」
「もういいかげんに、僕だけを見て、僕だけの話を聞いてもらえないかな。」
フンッ!
ジニョンの気持が自分だけに向いていないので、ドンヒョクは面白くなかった。
「さあジニョンこっちにおいで。」
ドンヒョクはジニョンをソファーにいざなった。
膝の上にジニョンを座らせギュっと抱きしめ・・・
結局この横抱きの体勢がジニョンの肩こりの原因だったのでした。
テジュンさんお大事に。
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