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私は16歳の時から、「犬界」と言われる、犬の業界で生きてきた。 凡そ、四年間の間に見た、現実の酷さは、心が持ち応えなくなりそうな程だった。 ペットショップでは、子犬や子猫が大きくなると、売れ残ってしまうから、 体が求めるだけのご飯をあげない。 病気になっても、私がいた店は、子犬を獣医にすら見させてくれず、 結局その子を見殺しにした。 繁殖所になると、暴力の度合いは、もっと凄まじくなって来る。 繁殖所には、普通、子犬を生ませて、金を稼がせる為の、「台牝」と呼ばれる 女の子達が多数いて、散歩も出来ず、狭い所に閉じ込められている。 この子達は通常、年を取って、子供が生めなくなったら、薬殺される。 種牡にしても、同様で、種が尽きる時が、彼の命の尽きる時である。 純血種や、人間好みの血統で、子供を犬に作らせる為、犬には相手を 選ぶ権利は与えられない。 台牝達は、発情期になる度、牡と交尾をさせられるが、全く見知らぬ犬を、 普通女の子は、素直に受け入れない。 交尾を求める相手に、敵意を剥き出しにする。 しかし、そこには人間の事情しかない。 好もうと好まざると、いきなり交尾が開始されるのだ。 人間が、無理やり女の子の、体をみんなで抑えつけて。 女の子は、嫌がって暴れる。 泣き叫び、男の子に噛みつこうとして、牙を剥き出して。 それを抑えつけるのが、私も含めた人間達の仕事で、私は嫌悪感と、罪悪感とで、 気が遠くなりそうだった。 手には力が入らず、自分が何をしたらいいのかも、その時分からなかった。 その場にいる、私以外の人間は、興奮して、犬を煽りたてる。 「やれ!それ!やっちまえ!!」 泣き叫ぶ犬の声を掻き消す程の罵声をあげる。 これは唯の集団レイプだ。私には耐えられなかった。 男も、女も、みんな、この残酷ショーに取り憑かれた様になっている。 私がいたのは、ポメラニアンの繁殖所だった。 イギリスの、ハドレーと言う、名門(やってる事なんか、変わらない。 あれが出来ずに、名門になれる犬舎なんか有り得ないのだから。)犬舎から 買った、600万もするポメがいる所で、犬界でも、有名な犬舎だった。 私は尋ねた。繁殖は、どこもこんな風にしているんですか? そうだよ、と店主は答えた。 犬の好きで相手を選ばせてたら、良い血統の犬なんて残せないだろ。 良い血統の犬を作る為だ。どこも同じなんだよ。 じゃあ、大型犬は?あんな風に、人間の力じゃ抑えられないでしょ? 大型犬は、自由に交尾させてるんですか? まさか、と店主は答えた。 牛と同じ、人工交配だよ、と。 私は結局、大好きな犬と触れ合える、大好きだった、トリマーの仕事を止めた。 私は、彼らに染まることが出来なかった。 この業界に入った時、先輩トリマーに言われた事を、いつも考えていた。 「あなたには、この業界は無理だよ。本当の犬好きには。 何処かで、犬も猫も商品として、割り切れる人間でなくては務まらない。 結局、私達がやっている事は、唯の生体売買なんだから。 この業界の人間に比べたら、政治家や不動産屋や、芸能人の方が、よっぽどマシだね。 あんまり嫌なものを、見ない内に止めちゃいな。」 私が、専門学校を出て、ペットショップに勤務した、初めの日に言われた事である。 「動物」愛護団体などが、きちんと良質の血統にこだわり、犬の繁殖に取り組む 繁殖者を、「いいブリーダー」と評価しているのを見ると、あの交尾を思い出して、 吐き気がしてくる。 むしろ、血統にこだわらないブリーダーの方が、まだマシな事も多い。 彼らは、血統の良し悪しは関係ないから、その犬種の、「欠点」(健康上のものではなく、 見た目の欠点)を持っている犬でも、平気で売ってくれるから。 良い血統を残そうと、頑張っているブリーダーなら、欠点持ちの子犬など、即座に殺す。 毛色一つで、子犬は殺される。 柴犬の繁殖所で、白い毛の子犬が生まれた事があった。 白い毛は、柴犬ではタブーとなっている色なのだ。 こんな犬を売ったら、自分の繁殖所の名に傷が付くと言って、店主は、翌日、生まれたての子犬を、 山に捨ててくると言った。 もう、やりきれない怒りで、その子犬を引き取る事にした。 乳離れが出来るまでは、大好きな母犬と、共に暮らさせておくのを、絶対条件とした上で。 犬や猫の、売買なんか、どうして許されているのだろう? いや、全ての「ペット」の売買が。 犬や猫が欲しいなら、自分で探し回って、貰いに行けばいい。 今も昔も新聞には、毎日の様に「子犬、子猫を差し上げます」の、 記事が載っているではないか。 犬や猫なら、色や毛の長さや、大きさは元より、足の一本や二本足りなくたって、 或いは多くたって、気にせず可愛がれるのが、本当の犬猫好きの人間で、 あんな、理屈無用の、お部屋の中でも、小便をするような生き者なんて、 そんな人間じゃなきゃ、付き合い切れないものだ。 さもなければ、訓練をしっかり入れて、人間の「ルール」に、完全に犬や猫を 従わせるか。 でも、犬には犬のルールがあって、猫には猫のルールがある。 それを理解せず、人間のルールばかりを犬猫に押し付けている人間の、 一体何処が、犬猫好きなのだろう? 犬猫の、生体売買そのものは批判しないで、「ブリーダー」として、「良い血統」 作りを訴えて行く、「動物」愛護論者の、頭の中は掴み難い。 私は生体売買、そのものを批判する。 彼らの命を弄び、金に勘定して、売り買いする事は、私達の魂を、腐らせるだけなのだ。 そんな事をせずにも、私達の周りに犬や猫はいる。 小鳥が好きなら、鳥かごに閉じ込めないで、森へ来て、小鳥を好きなだけ眺めればいい。 犬猫よりも、珍しい野生種を飼いたがる人間は、犬猫さえまともに飼える筈もないから、 どうかそんな無謀は、諦めて欲しい。 アニマルを、アクセサリーにはしないで欲しい。 彼らは、決して物じゃない。 それを知った方が、人間の人生は、遥かに豊かになるものだ。 【転載元】倫理の進化 山口ブログ ← この記事に賛同していただけたらポチっとお願いします。
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ペットショップ・ブリーダーの裏事情はよく耳にしますが、
聞いたことのある話とは言え、はやり重たいですね。。。
すべての繁殖場が同じではないけれど、
こういうブリーダーが多くいるのも事実。
重たい話だけど、知ってもらいたい話でもあるから、
転載させてください。
2008/10/22(水) 午後 11:39
転載、ありがとうございます。
この記事はブログでお知り合いになったハピママさんから紹介されたものです。
こういう記事をもっと多くの人に知ってもらい、ペットショップで生き物を飼う人がいなくなればいいなと思います。
そうすれば捨てられたり処分される子も少しは減ると思うのですが…。
2008/10/22(水) 午後 11:59
とてもショックな記事ですよね。できることなら、避けて通りたい、そんことがあることを認めたくない・・・しかし命をものとしてしか見ていない、儲けの対象としてしかみていない人たちに 許せないです。命を売る商売にはもっと厳しい規制をお願いしたい。ペットショップで売られている命も 物ではなく命なのに・・・
自分の無能さにも 腹が立ちます・・・
[ サエ ]
2008/10/23(木) 午前 8:22
お久しぶりです。
やりきれないですね。。。
女の子は子供をどんどん産まされるってことは
知っていましたがこんなに酷いとはショックです。
血統書や毛の色や見た目なんてどうでもいいこと!!
でも血統書や見た目を好んで選ぶのは人間です。
犬や猫はなんの罪もないのにいたたまれません!!
2008/10/23(木) 午前 10:39
サエさん、ありがとうございます。
そのとおりですね。こんな世の中にしたのも私たちなのですから…。
仔猫さんというかたが言っておられましたが、ペット販売時に顧客情報をマイクロチップとしてペットに埋め込んだらどうかとい提案がありあました。
そうすれば捨てたりしてもすぐに飼い主を見つけることが出来るのでは…?と。
マイクロチップに対しては、また賛否両論があると思いますが、これも一つの案だと思いました。
2008/10/23(木) 午前 11:33
大福ママさん、ちょっと重い記事ですが、ペット愛好者にはぜひ知ってもらいたいと思い転載しました。
マスコミなどで有名人が可愛いペットを連れていると、あんな子が欲しいなんて思ってしまいますよね。でも、それはアクセサリー感覚で見ているだけで、決して動物好きではないと思います。
その辺を勘違いしている人がいかに多いことが…。
昔のように近所で子犬が産まれたから貰って来た…という世の中が懐かしく思えます。
ペットとの出会いは人間が選ぶのではなく「縁」であって欲しいものです。
ペットブーム…、いいようで悪いように感じてしまいますね。
2008/10/23(木) 午前 11:42
わぁ〜転載してあるぅ〜・嬉しいです。
このかたの記事・・とても好きです。
響きますよね。
ここにコメントを入れてくれたかたも・・皆さん素敵です。喜
ぶちねこさんは良い方達とお友達なのね。ハァト
2008/10/23(木) 午後 1:54
ハピママ☆さん、ありがとうございます。
コメントを入れて下さっている方々はみなここでお知り合いになった人たちですが、それぞれ動物愛護の精神がいっぱいの方たちです。
いろいろと教えられることも多くて勉強になります。
こういったネットワークをもっともっと広げていけたらいいですね。
それがきっといつか動物たちの楽園につながるのでしょうね。
2008/10/23(木) 午後 2:10
心が震えました。とても大切なことを書いてると思います。
[ 焼肉ラオウ ]
2018/4/14(土) 午後 6:49
すいません、転載させていただきます。
[ 焼肉ラオウ ]
2018/4/14(土) 午後 6:51