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「向かい風」
NさんとTさんに、「風が強いので予定を早め、ここで引き返えします。」と伝え折り返した。
今まで斜め目後方からの追い風・追い波状態だったので気が付かなかったけど、いざその風に正対すると向かい風の強さは予想していた以上に強かった。
必死に5分間、MAXで漕ぎ続けた。ふと横を向いて絶壁の続く海岸線を見ると100mほどしか進んでいないことに気が付き驚愕した。
なんとかせねば!
まず針路を岸沿いギリギリに変更した。風は陸地から海に向かって斜めに吹いていたので、沖を行くより、岸沿いを行く方が風、波ともに弱かった。
しかしそれでも風は強かった。
次に、海面上に風紋を作るほどの強風も塊でやってくる。その塊が過ぎ去れば、ほんのしばらくだが風の比較的弱い時間が存在する。風の強い塊の時間をなんとか押し戻されないように現状維持で持ちこたえれば、風の弱い時間に一生懸命に漕ぎ進み、その時に一気に距離を稼ぐという作戦だ。
この二つは功を奏し、次第にカヤックは進んでいった。
往路の追い風時では苦労したスターンデッキに積んだ川用パドルのブレードが、風上に向かう時はビシッと見事なスパンカーとしての役割を果たし、針路が全くブレなかったのは楽だったので今度は助かった。
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