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「長桶さん」
白浜を漕ぎ抜けて、ようやく外浦に入ってきた。外浦の湾の真ん中は風の通り道で風が強く吹いていたからそこを避けて、端っこの岸ギリギリを漕いだ。
外浦には、フォワードストロークもまだぎごちない初心者らしきシーカヤッカーが数人、そしてファルトが2組いた。彼らは湾の真ん中を漕いで沖へと向かって、私とすれ違っていった。自分がいままで苦労した海域なので、彼らに対して少し不安を感じた。
外浦のビーチにようやく辿り着いた。行きは1時間、帰りは1時間半かかった。
駐車しておいた自動車に戻り、服を着替え、シーカヤック道具一式を片付けた。
歩いて海人さんを訪問した。海人さんには、長桶さん、奥さん、タキさん、他お客さんが数人昼食をとっていた。
タキさんの御紹介で長桶さんと挨拶ができ、少し話ができた。
さっきすれ違ったお客さんが案の定、強風に四苦八苦して漕行不能状態に陥っていたので長桶さんがレスキューのためスクランブル発進する間のほんの30分くらいの時間だったが、実に中身の濃いお話しが聞けた。
今もなお感銘に残っている長桶さんの言葉は「私が学んだアメリカの団体・ACAの考え方は、現実の海・実際の海というフィールドはけっして静水だけではなく、ロックガーデンがあり、サーフゾーンありの様々な要素で構成されている。だからシーカヤッキングというものは、ロックガーデンやサーフゾーンにおいて漕ぐということを前提に全て考えられていて、構築されている。つまり、This is the Seaが出るずっと前から、彼らはシーカヤックのサーフィンに取り組んでいた。」
もっともっといろいろお話したかったが、風雲急を告げてきたし、かつ、私のおなかも減ってきたので、外浦をあとにした。
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