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茶店や農民から、花田源左衛門の消息を尋ね回る紋次郎。源左衛門は既に死んでいて、娘・お志乃は玉村宿の「田」の字のつく旅籠へと売られたという事実を聞き出す。
その途中、稲荷山の兄弟という兄・仙太(戸浦六宏)と弟・半次(荒木一郎)に出くわす。兄弟による息の合った同時攻撃が、売り物の強敵であった。どうやら稲荷山兄弟は、妹・おつねの非業の死の意趣返しで、玉村宿の巳之吉親分に喧嘩状を叩きつけに向かう途中だった。背後で箱田の六兵衛(大滝譲二(秀治))が黒幕として動いている。
玉村宿の田丸屋に寄って旅籠の男(左とん平)の話によると、お志乃は巳之吉親分に身受けされるとのこと。田丸屋を出ると向かいにあった村田屋のおとよ(十朱幸代)という女が、話しかけてきた。「花田源左衛門の娘・お志乃は去年死んだよ」とのこと。
巳之吉が稲荷山兄弟に殺されると、田丸屋のお志乃は飯盛り女から二度と這い上がれないから、おとよは、紋次郎に田丸屋のお志乃を助けるようにと、巳之吉を助けるようにと、稲荷山の兄弟と戦って倒して欲しいと懇願する。が・・・
ラストで、ある人物の意外な正体が明かされます。
――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――
・見所
今回の紋次郎は、いつもと趣が少し違っていて、過去の思い出の人を探すという非常にセンチメンタルな物語になっていて、飯盛り女達の悲哀が、よく表現された傑作だと思います。
紋次郎の左頬に傷を負ったことと、長い楊枝を咥えだした理由、木枯しの音がする理由が、明らかとなります。
十朱幸代、荒木一郎、戸浦六宏、左とん平、大滝譲二(秀治)と本当に豪華な出演陣です。この頃は社会現象的な紋次郎のブームの絶頂の時期で、高視聴率で出演者への予算も多くなったのでしょうね。ブームの真っ只中、こんな凄い傑作を放送されたら、ファンはたまりません。それこそ火に油に注ぐかの如く紋次郎ブームはさらに加速していきます。(僕もチビッコ時代、この作品を観て紋次郎カッコイイ!って、シビれまくった記憶があります。)
何十年経ても決して忘れられられない紋次郎シリーズ中、最高の名セリフが、誕生した瞬間です。
お志乃「お志乃は死んだよ。紋次郎さん、あんたの知ってるお志乃のきれいな思い出だけを持ってっておくれよ。」
紋次郎「おめぇさんのことは、思い出しもしねぇが、忘れもしやせん」
(う〜〜〜ん・・・切ない。ジワ〜〜〜。何度観ても、たまりません。)
殺陣のシーンでは、顔の映るカットの殺陣ののち、後ろ姿での激しい殺陣がある。その中村敦夫と吹き替えの俳優が、すり替わる瞬間が見ものです。お見逃しなく!
・突っ込み所
荒木一郎が馬で、田丸屋の男を引きづり回すシーンが、マカロニ・ウェスタンっぽい。それにしても荒木一郎、乗馬が上手い。
十朱幸代が、19歳のお志乃には、とても見えな・・・。(ムニャムニャ)
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