追い波で、GO!

愛知県に住むシーカヤッカー・カミヤッカーが、勝手気ままに書き散らす日記です。

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 ただ飯・ただ酒で、あばれ放題で村人から嫌われている渡世人・蛍の源吉(高橋長英)。そんな源吉に、酔っ払いで千三つの酌女・お六(太地喜和子)が、酒をめぐんでやっている。そこに紋次郎は通りかかる。

 お六は、怨念坂に化け物が出ると吹聴して回っているが、大総代名主木村家の御新造さん・お冬は、木村家の家名に傷が入ることを恐れ、その噂を打ち消すのにやっきになっている。

 源吉にその噂を確かめてくるように依頼し、紋次郎の行き先も同じだったので、源吉に同行することになる。

 怨念坂の化け物の正体とは?謎を暴け!紋次郎!

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 紋次郎の名探偵っぷりが冴え渡ります。

 厄介事を二つまとめて片付けたい大総代名主の御新造さんの憎憎しい演技が光ります。

 故・太地喜和子さんが、色っぽい女郎役で出演しております。

 高橋長英さん、「地蔵峠」以来、二度目の出演です。

 廃屋の前で回想する紋次郎。数年前この分限者の家の前を通りかかった時、盗賊が押し入っている最中で、助けてくれと懇願しても「先を急ぎやすので」と言って無視した記憶が蘇る。

 その廃屋の中に入ってみると、喜助という男が寝込んでいた。その男は数年前助けを求めてきた男でもあった。喜助は、死に際に30両で越前三国の遊女屋のお春という女郎を身請けしてきてくれと、紋次郎に頼み込む。

 三国へ向かう紋次郎だったが、隠れ銀山の山賊に捕まり、監禁される。紋次郎の運命やいかに!

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 紋次郎シリーズ、初のオリジナル脚本!

 物凄く荒れた海が美しい。

 「流れ舟」以来2回目の紋次郎の激流下りの操船!でも今回は清吉が前で竹竿を操り、紋次郎は後ろで舵取り。紋次郎、なんでも出来るんだねぇ。カッコイイ。

 「見返り峠」と同様、紋次郎が過去何も関わらずに通り過ごしたことによって引き起こされた悲劇を、さらなる不幸な形で決着をつける話。

・突っ込み所

 協力 芦原温泉 のクレジットがあるが、葦原シーンは琵琶湖で行ったっぽいので、芦原温泉で忘年会でもやったんでしょう。タイトルも含めて、そのタイアップかな?おそらく。

 お春なのか、小春なのか、よくわからん。

 山賊が鉄砲を数丁も持っていて、やたらぶっ放す。

 隠れ銀山の女親分として盗賊の頭に寵愛を受けた女と、遊女として売り飛ばされたお春、同じ日に誘拐されたのに、別々に育ち、誘拐されて以来面識もないなんて、女親分が遊女屋へやってくればすぐ分かるはずだから、話が納得できない。

 夜道を中小阪の源兵衛親分(浜田寅彦)の賭場へ行く紋次郎、住吉屋の主人・紋次郎(!)に出会う。「誰かにつけられているので安中宿まで一緒に引き返して欲しい」と頼まれるも、「他人様のことには、関わりを持ちたくない性分なんで、ごめんなすって」と断る。

 やがて、先ほど出くわした住吉屋の主人が何者かに殺されこと、源兵衛の妻・お染とお松が逃げ出したこと、住吉屋の主人と源兵衛の妻・お染は昔、恋仲だったことなどがわかる。

 果たしてお染は、無事駆け込み寺に逃げ込むことができるであろうか? 紋次郎よ!がんばれ!本当にがんばれ!!

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 つい最近(2009年10月15日)亡くなられた浜田寅彦さん、最高の悪役がやれる俳優でした。ご冥福をお祈りいたします。

 織本順吉さん、気弱な大店の主人を演じたら最高ですな。

・突っ込み所

 紋次郎は、源兵衛一家を全滅させるほど強いのに、なぜか女一人が救えない。ハッピーエンドとは程遠い救いようのない物語。誰一人として幸せを得られない結末。観る者はモヤモヤ感の残る作品です。
 逆に言えば、まさにこれぞ紋次郎!なんですが・・・
 しかし、それにしても紋次郎以外の登場人物全員死亡というのは、あまりにも陰鬱過ぎます。(T_T)
 とにかく、次こそ、がんばれ!紋次郎!!

 相州路を行く紋次郎、道中人足のクモ助・銀次一味にからまれている行商人の久兵衛(下元勉)と名乗る男を助ける。

 その夜旅籠で久兵衛に、峠の見晴らし茶屋に鬼面党という5人組が立て籠もっていて、人質にされている茶屋のおかみ・おみつを救出してきて欲しいと50両で依頼される。50両は断るも、姉の名と同じということだけで引き受ける。

 その後、久兵衛は何者かに襲われ殺される。しかし、なぜかその久兵衛こそが、鬼面党の頭・夜桜の金蔵だということが判明する。自分達でおみつを人質にしておいて、救出してきて欲しいと謎めいた依頼を律儀に遂行する紋次郎なのであった・・・。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――


・見所

 吉田日出子、「流れ舟は帰らず」以来、二度目の出演です。ラスト、楊枝を飛ばし野菊のかんざしをしてやります。「甲州路」の好評価のせいか、女性に、特に死にゆく女性、死んだ女性に、優しい紋次郎。

 下元勉も「龍胆は夕映えに降った」以来、二度目の出演です。

 若き日の石橋蓮司が、手裏剣使いの役で出ています。

・突っ込み所

 ノイズがひどい。従来のテレシネ版でもひどかったが、今回の版でも改善されず。

 姉と名前が同じだけで、1対4の戦いへと挑む紋次郎の行動に疑問が残る。

 紋次郎、立て籠もり現場に乗り込み大活躍が見れると思いきや、鬼面党は仲間割れで自滅で、強敵と5番勝負が待ち構えているかと思いきや、意外と肩透かし。紋次郎が殺したのは手裏剣使いと浪人の二人だけ。シリーズ中最も少ないのでは?

 その浪人との殺陣のシーンで、浪人の刀がまるで竹のようにしなっていた。集中力失ってる。

 自分達でおみつを人質にしておいて、救出してきて欲しいと謎めいた依頼の解明が、紋次郎に鬼面党を壊滅させて、三千両をおみつと二人で総取りってカラクリなのだろうか?いま一つスッキリしない説明で、モヤモヤ感が残る。


 第2シーズン前半あれだけ名作を連発していたのに、ここに来てモヤモヤ感が残る作品とは・・・。ヤバいぞ! 紋次郎!!

 錦絵を描いている。モデルの女には、左目下にホクロがある。その錦絵を持って、絵の女を探し回る女衒(穂積隆信)。

 善光寺街道を行く紋次郎。後ろから、女(小山明子)が追いかけてくる。女は山城屋のお紺といって、重い荷物を持ってくれと無理やり頼まれる。

 しばらく行くとならず者達に襲われている娘・お糸(光川環世)に出くわし、助けてやる。旅烏の渡世人と美女2人の奇妙な三人の旅が始まる。

 お糸は大黒屋に奉公していて、大黒屋の許嫁もいる知恵遅れの若旦那・清太郎に惚れられて、道楽の錦絵のモデルにされて、それが嫌で逃げ出したきたという。

 自分の泣きボクロの運命を呪いながらも何処か遠くへ行って自由になりたいと願い、いつしか紋次郎に憧れ慕う娘、曰くありげなおかみ、そして紋次郎の三人の旅の行き着く先には・・・。


   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 ラストに女衒が何故お糸を追っているのか全ての謎が解け、真犯人が分かります。

 光川環世「背を陽に向けた房州路」以来、二度目の出演です。穂積隆信や、小山明子など、有名な俳優も出ています。

 紋次郎の魅力の一つ ロードムービー全開の作品。一人旅がポリシーの紋次郎が珍しく三人で旅を続けることとなった。お糸を追う女衒。ラスト近くのお紺の言葉「みんな自由になりたいのさぁ、お糸さんだって・・・」が切なく響きます。

 救ってやれなかったお糸の願いだった泣きホクロを、楊枝を飛ばし錦絵の中で取り除いてやる紋次郎、なんともかっこいいです。



   ――― この時期の「紋次郎VS必殺」に関する考察   ――― 

 冒頭から、いきなりお色気路線!必殺の視聴者ガバッといただこうという作戦なのでしょう。既出のグラフですが、見てみるとさほど効果はなかったようです。

イメージ 1


 上記の写真では、6話と9話の視聴率が、下がっています。この作品自体の品質は、お色気路線にブレたくらいで、いかにも紋次郎らしさが随所に散りばめられていて、別に悪い仕上がりではないと思うのですが、いまいち視聴率が振るいません。

 
 ここで、私なりの視聴率下降傾向の原因ではないかと思われる点を考察してみようかと思います。

 まず、今回のエピソードは、紋次郎の頑なな性格が随所に出てしまっている。という点が挙げられるのではないかと思います。

 例えば、お紺が紋次郎の頑なな考え方に「随分と古風な人だねぇ」と女性らしいソフトな表現で、呆れかえる。
 紋次郎「人は人。あっしはあっしなんでぇ」紋次郎なりの考え方を、不器用に説明する。

 また、紋次郎に私を一緒に連れてってと懇願するお糸に対して紋次郎は「甘ったれちゃいけやせん。一人ぽっちは、誰もお互い様ですぜ。」とピシャリと冷たく突き放す。
 今の言葉で言えば、「自己責任」なのでしょうが、紋次郎のように強い人間なら、それでいいのでしょうが、お糸さんのような弱者には、紋次郎の真意は決して伝わらないでしょう。

 紋次郎は、自分の考え方、生き方を、他人から見ればエキセントリックまでに純化し、ついつい原理主義的、教条主義的になってしまう傾向があり、現実の状況を見回して柔軟に考え方を変化させていくことが苦手な不器用なところが、見受けられます。(まぁ紋次郎ファンとしては、そこが魅力的で、いじらしい部分なんですが・・・)

 番組の視聴者は、博打で生計を立てて旅から旅の渡世人ではなく、定住して仕事を持っている人間ですから、なかなか紋次郎の言動は理解しづらく、もっと万人受けするストーリー展開、みんなから共感されるテーマであって欲しいと思ったでしょう。
 つまり「紋次郎よ!お糸に冷たく言い放つんじゃなく、ちゃんと救ってやれよ!」と。
 視聴者の気持ちが、少しづつ離れ始めた瞬間ではないかと、今振り返ると感じられます。

 番組開始当初は、斬新な殺陣、スタイリッシュ映像、モダンな主題歌、紋次郎の一風変わった生き様、などが新鮮なイメージでブームを巻き起こしました。しかし、第1シーズンが終了して、第2シーズンが始まる前の1972年7月6日には、紋次郎が街道の宿場宿場で叩き切ってきた対象であったような金権まみれの田中角栄が、首相にまで上りつめました。世の中、器用に生きてお金持ちなることのどこが悪いの?という風潮がはびこり始めて、紋次郎のような清貧生活をカッコイイと返り観ることは、なくなりつつありました。

 社会をニヒルに拒絶して生きるより、ライバル番組・必殺仕掛人の主人公・藤枝梅安のように、社会の中でふてぶてしく柔軟に清濁あわせ呑み、昼は町医者として町民から尊敬され、夜は莫大な報酬を貰って巨悪をぶっ潰す暗殺者 という生き方の方が、金も名誉も同時に手に入れられカッコイイのではないのだろうか?そんな世の中の風潮になりつつありました。

 紋次郎の観る者に対して、多くの人が共感する最小公倍数的な幸せを提示するのではなく、数少ない限られた人間のみが努力・節制の後、得られる最大公約数的な境地を強いるという共感を呼びづらいテーマは、この時期に視聴率が苦戦し始めた原因の一つと考えます。

 つまり、時代がテーマを追い抜いていってしまって、取り残された形になったのではないかと思います。

 紋次郎の持ち味、かっこいい所が、そうは思えなくなってしまった世の中の移ろいやすさに、呆然とします。


 でも、もしかしたら、この週のライバル番組の話の方が、面白かっただけなのかもしれませんが、スタッフは焦り始めたんでしょうね。

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