追い波で、GO!

愛知県に住むシーカヤッカー・カミヤッカーが、勝手気ままに書き散らす日記です。

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「向かい風」

 NさんとTさんに、「風が強いので予定を早め、ここで引き返えします。」と伝え折り返した。

 今まで斜め目後方からの追い風・追い波状態だったので気が付かなかったけど、いざその風に正対すると向かい風の強さは予想していた以上に強かった。

 必死に5分間、MAXで漕ぎ続けた。ふと横を向いて絶壁の続く海岸線を見ると100mほどしか進んでいないことに気が付き驚愕した。

 なんとかせねば!

 まず針路を岸沿いギリギリに変更した。風は陸地から海に向かって斜めに吹いていたので、沖を行くより、岸沿いを行く方が風、波ともに弱かった。

 しかしそれでも風は強かった。

 次に、海面上に風紋を作るほどの強風も塊でやってくる。その塊が過ぎ去れば、ほんのしばらくだが風の比較的弱い時間が存在する。風の強い塊の時間をなんとか押し戻されないように現状維持で持ちこたえれば、風の弱い時間に一生懸命に漕ぎ進み、その時に一気に距離を稼ぐという作戦だ。

 この二つは功を奏し、次第にカヤックは進んでいった。

 往路の追い風時では苦労したスターンデッキに積んだ川用パドルのブレードが、風上に向かう時はビシッと見事なスパンカーとしての役割を果たし、針路が全くブレなかったのは楽だったので今度は助かった。

「使わないパドルがスパンカー」

 九十浜を漕ぎ出した。案の定、南西の風が強かった。その風で発生する波も強い。自分のカヤックの左後ろの方向から絶えず風と波がやってくる。外浦、白浜、プリンスホテルの前・・・。

 私は、今回のキャンプツーリングに、2ピースに分割できる220cmを越えるシーカヤック用のツーリング用パドルと、初日のサーフィン用にと193cmの短い川用のパドルを持参してきた。

 川用のパドルは分割タイプではなく1ピースものだった。ツーリング時の使わない時には、それをスターンデッキに乗せていた。193cmと短いといっても1ピースものだから、スターンの端っこギリギリで納まった。

 しかし、分割できないから、ブレードが斜めに立ってしまう。そのブレードがスパンカーの役割を果たしてしまって、バウが風上を向こうとする傾向を大きくさせていた。ようするに風見鶏現象が強く出ていた。(スパンカーとは、漁船が風の吹いている方向に向けるため漁船の後ろに付けている帆のこと。)

 対策として、左を長くしてシャフトを握ったり、左側だけ漕いだり、右のスターンラダーをやったり、シートを左端に座りリーンさせシーカヤックを外傾させることに右側を向けたりと様々に工夫して漕ぎ続けた。

 風はさらに強さを増していった。

 私は外浦へ戻ることの困難さを考慮に入れ、11時か11時30分くらいまで一緒に漕ぐという計画を前倒しして、10時頃折り返すことにした。結局1時間漕いだことになる。

 場所は、尾が崎ウィングの絶壁の真下あたりだった。

「最終日のプラン」

 5月5日、朝から南西の風が強く吹いていた。予報では、昼からはさらに強まるとのこと。

 5月3日にから始まったツーリングは、幸運にもスタートと同時に日本列島を完全に覆うほどの巨大な高気圧に覆われてたが、3日目の今日はその高気圧のへりまでさしかかり、とりあえず天気はいいものの風が物凄く強い一日となりそうな日だった。

 初日が6人、2日目が4人とだんだん減ってきたメンバーは、今日、Nさん、Tさん、そして私の合計3人となった。

 今日のツーリングの予定は、NさんとTさんは、まず下田の爪木崎の九十浜を出て、東伊豆を北に向けて行けるところまで行く。できれば赤沢、理想は川奈。

 私は、11時か11時30分くらいまで、NさんTさんと一緒に漕ぎ、そこから折り返し外浦まで戻る。外浦の駐車場には昨夜のうちに私の自動車をセットしておいた。

 NさんとTさんは、16時頃まで漕ぎ上陸し、私が車で回収に向かう。といった計画だ。

「テントで簀巻き」

 疲れていたことと、無風だったので、ペグは打たなかった。疲れた体で、とりあえずテントだけを張り、レインフライも張らずテントに入った。

 前回の日記に「テントに入り爆睡。」と書いたが実際は少し違った。

 一つは、夜の街頭がテントの布越しに眩しくて反対側に寝返りをうってからやっと寝付けたことと、もう一つは、朝日が眩して目覚めるまでの間に、夢を見たことだ。

 その夢の中でも、私はその場所でテントで寝ていて、夜中地元の人達が私の寝ているテントを取り囲み怒鳴っていた。

 「なんだ!このテントは!」

 「キャンプは禁止って書いてあるだろうが!」

 「テントごと海へ捨てちまえ!」

 私はテントに簀巻き状態にされてテントに包まれて、持ち上げられた。

 「すいません。ごめんなさい。」私は大声を張り上げ何度も謝った。と、そこで目が覚めた。

 テントの外では、強風が吹いていて、ペグなしのテントは私をまるで簀巻きのように包んでいた。

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