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小学校6年生の頃、サイクリングに凝っていた。
愛知県に知多半島というちょうど手頃な大きさの半島が、家の近くにあることもあり、自転車で知多半島一周の計画を立てた。
一人でその冒険を実行に移すには、少し不安があったので近所に住む仲良しの同級生のH君を、下校時に誘った。
H君は、「うん。いいよ。」と気軽に返事をしてくれた。
計画実行の日曜日、朝6時前に起き、自分でおにぎりを結び、友人のH君の家へ向かった。
朝の6時頃、H君の家で何回も名前を呼び、ようやくH君はパジャマ姿で現れた。彼の表情はなぜかキョトンとしていた。
「今から知多半島一周へ行くよ」と少年カミヤッカーが言うと、H君は約束をようやく思い出したようで、
「ボクはやめとく。」とだけ言い残し、家のドアを閉めた。
裏切られた気がしたが、誘い方が強引だったのかもしれないと少し反省もした。
不安なので、2人で行きたかったのだが、しかたがないので一人で行くことにした。
一人で見知らぬ土地を75Km以上も自転車で旅するのは、自分にとっては初めてのことであり、たいへんな大冒険であり、非常に不安であった。 景色を見て楽しむ余裕もなく、ほとんど休憩なしで自転車を漕ぎ続けた。家に帰らないことには、この不安な気持ちは消えるような気がしなかった。結局、4時頃には自宅に帰っていた。
その後も学校で友人達に、その冒険談を自慢することもなく、一人、充実した達成感に浸り味わっていた。
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