追い波で、GO!

愛知県に住むシーカヤッカー・カミヤッカーが、勝手気ままに書き散らす日記です。

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 紋次郎を殺して渡世人として名を上げたい若者に、毒を盛られ苦しむ紋次郎、とそこに偶然通った町医者・良庵に助けられる。紋次郎が、あっしみてぇな渡世人を助けた理由は?と問えば、良庵は「医は仁術だよ」と清く答えた。

 中仙道 鳥居峠付近を行く紋次郎、一人旅の娘・加代に無実の罪を負わせてしまう。その結果、野州鹿沼の貸元清五郎親分一行10人に命を狙われることとなる。戦いの中、長脇差を折ってしまうことになる。

 清五郎一家に追われるは、長脇差は折れているは、紋次郎大ピンチ!なんとか出来るだけ早く長脇差を手に入れなければならない。長脇差を求めて質屋などを回る。やっとのことで、元・刀鍛冶が一里塚近くに住んでいることを知る。

 元・刀鍛冶は、名を直光といい、妻の名は千登勢(扇千景)。千登勢が鹿沼の代貸殺しの下手人の嫌疑をかけられ、野州鹿沼から逃げてここに移り住んで、刀鍛冶を捨て、今は鍬や釜などを作り、妻のために生きているという。なんとも素晴らしい夫婦愛ではないか!

 命の恩人である町医者・良庵、自分のせいで無実の罪を負わせてしまった加代、理想的な夫婦の直光と千登勢、迫り来る清五郎一家、折れてしまった長脇差、それぞれの点が線になり、やがて一里塚で全てが交わり、冥土への一里塚となる。真犯人は意外な人物というドンデン返しもある。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 「医は仁術」からの凄まじい落差に、観る者は、何が起こったのか? しばらく唖然、呆然、声を失う。

 「だから、新八さんは、自分から勝手に谷へ・・・」と真実の事情を清五郎一家に、懸命に説明するが、いっこうに伝わらない。紋次郎の口下手なのが、なんともかわいい。(笑) 何度見ても笑えます。

 加代に返しそびれた手拭いの匂いを嗅ぎ「甘めぇ匂いだ・・・」と独り言の紋次郎・・・。

 千登勢・扇千景と紋次郎・中村敦夫は、この数十年後、国会を舞台に与党・国土交通大臣と野党として再び合間見えるとは、この時誰も予想しなかったことだろう。

 ロケしたこの作品の中の戦闘シーンの撮影中(1972年1月29日)、中村敦夫は滋賀県湖南アルプス山中で左足アキレス腱断裂の大怪我を負ってしまう。(ちなみに、この作品がオンエアされたのは2月19日。)
 この後、2月26日に第9話「湯煙に月は砕けた」が放送されてから、太腿まであるギプスが取れて、撮影が可能になるまでの1ヶ月間、フジテレビは「笹沢左保 峠シリーズ」(1972. 3. 4〜1972.3.25)の全4回を制作して急場をしのいだ。
 紋次郎が復活するのは、4月1日 第10話「土煙に絵馬が舞う」からとなる。


・突っ込み所

 石川良庵役の俳優がいかにも悪人風の顔で、残念ながらたったそれだけで先が読めてしまう。良庵役は、清廉潔白、野心家、女性にモテモテ、若くして御典医に推挙されるほどの実力 といった感じの俳優の起用が最適で、例えて言うならば若き日の石坂浩二あたりがやれば、ネタばれせずにドンデン返しも、最高に効いたのに、返す返す残念だ。傑作になり損ねた作品。誠に惜しい。でも、それでもなお名作。(個人的には、メチャメチャ大好きです。)

 「人切り包丁として売り渡したりせん」と言って直光は、紋次郎に刀を売ってくれないと分かった瞬間、別の場所へ直ぐに立ち去ればいいのに、ましてや清五郎一家に追われているのに、いつでも直光家に留まり、事の成り行きを最後まで傍観し続ける紋次郎。

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