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三州街道を天竜川沿いに下る紋次郎。荷物を馬や人足で運ぶ一行を追い抜いた。一行は加賀屋伊兵衛の荷で荷主名代の伊兵衛の娘・お美和、老・馬追いの茂左衛門(田崎潤)達であった。
盗賊あがりの宮田宿の貸元・徳太郎が、人を集め荷を奪おうと狙っているので、紋次郎に力を貸してくれと頼む。水神祭の期間は、喧嘩、殺生はご法度。徳太郎のところには、人斬り伝蔵も用心棒として雇われているとのこと。伝蔵の目印は、胸に長さ一尺(約30cm)の刀傷。
紋次郎には、 宮田宿に用事があり、いったんは断る。用事というのは、旅先で人形師・惣助の忌わの際に、宮田の小料理屋・福茶のお敬に、お金を渡す事であった。
用事を済まし茂左衛門と合流した紋次郎、水神祭のお神輿とすれ違いざまにお美和が誘拐されて失踪してしまったことを知る。さらに荷物をも奪われる。後手後手に回る紋次郎と茂左衛門。
巧妙なトリックを暴けるのか?紋次郎!
ラストで、ある人物の意外な正体が明かされるというドンデン返しもあります。
――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――
・見所
やはり、ラスト間際の一連のセリフが感慨深い。
紋次郎 「おめぇさんが、人斬り伝蔵ですかい?」
茂左衛門 「それは、十五年も前の話だ。俺は15年の間馬追いとして、ひっそりくらしてきたんだ。
凶状持ちで追われることに疲れ果てたんだ。俺はまもなく60だ。今の俺には、虫を殺すこともできねぇ。
おれはなぁ、15年間辛抱してきたんだ。」
三下にとどめを刺され。
茂左衛門 「これが人斬り伝蔵のなれの果てだぁ。渡世人とは、因果なもんだぁ。
やっぱり畳の上では死ねねぇよぉ。
一度名が売れると、年をとったのをいいことに、こんな三下の若造にも狙われるんでさぁ。
紋次郎さん、おめぇさんも名前が売れてる方らしいが、この姿を見ておきな。
これが、おめぇさんの・・・ 」 息絶える茂左衛門。
まるで紋次郎の未来を、暗示するかのような、かつて名が売れていた年老いた渡世人のあわれな末路であった。
若き日の寺田農が、洲崎の佐吉役で出ています。
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