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フジテレビの木枯し紋次郎のモンスター的高視聴率に、コテンパンに苦戦させられてきた当時のTBS系土曜日夜10時枠の制作局であった朝日放送は、紋次郎に対抗できる企画を、必死に考え準備を整えてきました。それが「必殺仕掛人」です。
「必殺仕掛人」の主人公・藤枝梅安のキャラクター設定を、紋次郎に対してことごとく真逆にして、紋次郎のカッコ良さって本当にカッコイイの?の問いを見る者にぶつけます。紋次郎の良さを、打ち消すことのみに執拗に戦力を集中させます。まさに「紋次郎キラー番組」の登場となりました。
−−−−−−木枯し紋次郎−−−−−−−−−−−−−−藤枝梅安
職業−−−−無宿渡世人、旅烏−−−−−−−−−−−−町医者
住まい−−−裏寂れた警察力の弱い地域・地方を旅する−華やかな江戸に定住している
世間からは−つまはじき−−−−−−−−−−−−−−−信頼されている
性格−−−−無口でそっけなくぶっきらぼう−−−−−−明るく陽気
他人とは−−関わりを持ちたくない−−−−−−−−−−江戸の庶民たちに慕われる
仲間−−−−なし、一人ぼっち、孤独−−−−−−−−−個性溢れる仲間がいる
食事−−−−粗末なぶっ掛け飯−−−−−−−−−−−−グルメ
生活態度−−ストイック−−−−−−−−−−−−−−−快楽的
酒−−−−−いつ襲われるか分からないから飲まない−−飲む
女性−−−−抱かない−−−−−−−−−−−−−−−−抱く
金−−−−−執着なし−−−−−−−−−−−−−−−−金で人を殺す(けっこう金持ち)
主人公の真逆のキャラクター設定によって、生き方が全く持って不器用な紋次郎と、世間の荒波をスイスイと器用に渡っていける梅安。その落差を明確に浮き彫りにしていきます。
紋次郎が復活するのは11月と聞きつけたスタッフは、放送開始時期を繰上げ、1972年9月2日から放送を開始させることにも成功します。
また、リモコンのないチャンネル切り替えの面倒くさい当時のテレビでは、8時からの「8時だよ!全員集合!」、9時からの「キーハンター」の流れで、視聴者はチャンネルをそのままにして見続ける人も多いということも考慮されます。
さらに、放送時間は10時で、紋次郎とは30分ずれていて、紋次郎の放送が開始される前後に、必ず見逃せないシーン(お色気シーンなど)を入れるなどの工夫を凝らしました。
1972年11月18日、木枯しが吹き始める頃、6ヶ月弱のインターバルを置いて、いよいよ木枯し紋次郎が復活します。一方、必殺仕掛人は第12話「秋風二人旅」で、真っ向勝負がスタートとなりました。
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