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市川崑劇場を語る上で、あのオープニングタイトルを語ることを避けて通るわけにはいきません。
あのオープニングタイトルは、コマ落とし、スットプモーション、マルチスクリーンなど編集テクニックを多用したり、それまでは筆字が主流だった字も、明朝体やゴシック体の活字で、放送当時非常に斬新に感じました。(余談ですが、初めてみた小学生の私は、竹林で静止した画面見て、一瞬テレビが壊れたかと勘違いしました。)
あのオープニングタイトルには、旅情と孤独と力強さと余韻が醸し出されていて、さらにユーモアまでも盛り込まれていて、本編全体の雰囲気までも支配してしまうほどのインパクトを持っています。市川崑監督の見事な映像と編集です。
http://www.youtube.com/watch?v=qaPIoxD3sHY
オープニングタイトル
雄大な山々を背景に、ひたすら早足でこちらに向かってくる紋次郎。 −−− A
顔は三度笠に隠れて見えない。
遠景の山々はうっすらと積雪している。中景の山は緑や茶色の木々、晩秋か冬を思わせる。
近景はすすきの穂が揺れている。人工物はない。
明朝体の白い活字でサブタイトルが出る。
(過去形や、体言止めのサブタイトルが、歯切れの良さや、余韻・余情を効果的に生み出している。)
ただしサブタイトル以外は、ゴシック体の活字
一瞬、強風の中を立つ後姿の紋次郎。
Aのシーンが再び映し出される。紋次郎さきほどより近づいてきている。一羽のカラスらしき黒い鳥が飛び立つ
小さな神社の境内、神楽の舞台のような場所で眠る紋次郎。
午後もしくは夕暮れ時か?まだ明るい。三度笠と振り分け荷物は外し、道中合羽を蓑虫のように体をくるまい、
長脇差を抱えて眠る。
コマ落とししながら、徐々にズームイン。
画面を4分割するサイズにまで縮小され、り左下に収まる。それ以外は黒
一瞬、Aのシーンが映し出される。(3度目)
竹林を敵に追われているのか、ジグザグに駆け抜ける紋次郎。
動きが4回停止しストップモーション
一瞬、土蔵の前でただたたずむ紋次郎
積雪のアルプスだろうか高い山々の風景を左から右へパン。
右には、S字曲がりくねった山道。(その間人工物は一切見えない)
山道のズームイン。S字の最初のカーブを一人下る紋次郎。
左手で三度笠の上に上げ紋次郎の顔のアップ。「木枯し紋次郎 中村敦夫」のクレジット
そのアップの顔、サイズが小さくなり、6分割のマルチスクリーンの下左にはまる。
6分割のマルチスクリーン、全て三度笠をかぶった紋次郎の顔が映し出される。
上左:正面からの顔、上中:柳越しの顔 、上右:顎に手を当てさする顔
下左:さきほどの顔、下中:手に楊枝を持って咥える、下右:三度笠を外す
蒲の穂の中を、右から左へ歩く紋次郎
座って長脇差で楊枝を削る紋次郎
川を、右から左へガシガシと力強く歩いて渡る紋次郎
一瞬、左から右へ歩く足下のアップ。草鞋と脚絆はひどく土埃に汚れている。
街道脇の立ち木に振り分け荷物と道中合羽をかけ、三度笠に上半身はどんぶりだけで、手甲を着けている紋次郎
コマが飛んで、振り分け荷物を忘れて、道中合羽を着て後姿で歩き出す紋次郎。
コマが飛んで、振り分け荷物を忘れたことに気が付き、振り向き走って立ち木に戻る紋次郎。
コマが飛んで、振り分け荷物の前で「誰も今のを見てなかったよな?」という感じで前後を振り返る紋次郎。
振り分け荷物を取り何事もなかったかのような後ろ姿のストップモーション
4度目のAのシーンが映し出される。
紋次郎、姿が大きい。かなり近づいてきている。背景では4羽の黒い鳥が木々を飛び移っている
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