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愛知県に住むシーカヤッカー・カミヤッカーが、勝手気ままに書き散らす日記です。

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原作・笹沢左保

 市川崑劇場・木枯し紋次郎が、テレビドラマ界に燦然と輝く傑作たらしめている最大の要因は、笹沢左保によるしっかりとした緻密な構成の完成度の高い原作が既に存在して、それをベースにして映像化したから良質な映像作品が出来上がったと言っても過言ではないと思います。

 作家デビュー以来、推理小説、サスペンス小説の分野を書いていた笹沢左保は、39歳の1970年、『小説現代』に新・股旅小説というシリーズで「見返り峠の落日」を発表して時代小説の分野に進出します。

 見返り峠の落日では主人公が毎回別の人物なのですが、それだと毎回別の主人公を考えるのは大変だということで、見返り峠の落日で登場した主人公の造形をベースに、新たに連続物の股旅小説を企画します。
 (光文社時代小説文庫の、「木枯し紋次郎(十三) 人斬りに紋日は暮れた」の笹沢左保本人のあとがきの中には、「紋次郎」という名前、「木枯し」という異名、楊枝、がどうやって決まったのか?といった紋次郎誕生の瞬間が描かれております。)
 そして翌年の1971年に『木枯し紋次郎』シリーズの第一作「赦免花は散った」が書かれました。

 原作には、毎回読む者の予想を遥かに超える異なったストーリー展開が用意されていて、さらに推理小説家でもある笹沢左保は、最後に「あの人物は、実は意外にもあの人だった」などのどんでん返しも用意されています。長編「奥州路・七日の疾走」を除き、全ての作品が短編で、リズミカルで小気味良い文体で、冗長なところが一切なく贅肉を削ぎ落としたようたストーリーの描写と展開なので、1話あたり30分くらいで簡単に読めます。映像作品とは異なって、イマジネーションが脳内で勝手にスペクタクルな映像となって湧き上がり、映像作品では決して味わえない楽しみがあります。また、読後のジワ〜〜〜〜とした余韻は、たまらないものがあります。


 市川崑劇場には、制作当時、木枯し紋次郎の原作が少なかったせいなのか、主人公が紋次郎ではない他の笹沢左保作品を、紋次郎に置き換えた作品があります。それらの映像作品では、紋次郎が、妙におせっかいだったり、やけにおしゃべりだったりとキャラクターの設定の違い微妙な違いが見受けられます。その点を注意深く観察して鑑賞してみると、市川崑劇場・木枯し紋次郎がさらに面白くなるかもしれません。

  タイトル           原作の主人公
・背を陽に向けた房州路     武州無宿小仏の新三郎
・月夜に吼えた遠州路      武州無宿小仏の新三郎
・飛んで火に入る相州路     武州無宿小仏の新三郎
・地獄を嗤う日光路       武州無宿小仏の新三郎
・見かえり峠の落日       弥吉
・地蔵峠の雨に消える      三筋の仙太郎
・雪に花散る奥州路       二本桐の武吉
・狂女が唄う信州路       抜かずの丈八
・木っ端が燃えた上州路     勢五郎
・峠に哭いた甲州路       天神の新十郎

・市川崑劇場・木枯し紋次郎 2部には、原作の存在しないオリジナル脚本作品、「九頭竜に折鶴は散った」「和田峠に地獄火を見た」があります。他にもオリジナル脚本作品は、東映映画「木枯し紋次郎 関わりござんせん」があります。

・「帰って来た木枯し紋次郎」は、笹沢左保がこの作品のためにオリジナル・シノプシスを書き下ろし、市川崑と中村敦夫、中村勝行兄弟が、共同で脚本化しましたので、原作は存在しません。しかし、新潮社の「帰って来た木枯し紋次郎」シリーズでは、この作品のエピソードをふまえた上での話の展開になっています。

・最近リメイクされた江口洋介さん主演の「木枯し紋次郎」の話は、「童唄を雨に流せ」をベースに、「六地蔵の影を斬る」のエピードを織り交ぜ、「怨念坂を蛍が越えた」に出てくる御新造さんに似たキャラクラーを混ぜ込んでいると思われます。

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