追い波で、GO!

愛知県に住むシーカヤッカー・カミヤッカーが、勝手気ままに書き散らす日記です。

木枯し紋次郎

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

 木枯し紋次郎と渡世人・瀬川の仙太郎(川地民夫)の喧嘩が始まる。激闘の末、木枯し紋次郎が切られ死んでしまう。

 仙太郎の親分は、野州今市の貸元・藤兵衛(近藤宏 )。今市の景気はイマイチだが、南の鹿沼の貸元・文五郎(下元勉)の賭場は、随分と景気がいい。

 その文五郎親分のかわいい一人娘・お美代と仙太郎とは実は恋仲で、文五郎は「木枯し紋次郎を切るくらいの渡世人でないと、お美代を嫁にはやれない。」と高い条件を付けていた結果が、仙太郎の紋次郎殺しなのであった。

 事の真相は、物語の展開にともなって徐々に明らかになっていき、遂には隠されていた悪企みさえも、明らかとなる。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 原作のタイトルは「噂の木枯し紋次郎」。

 仙太郎の死に際の依頼、それは労咳病みの八蔵(内田勝正)が、自分の命を売ってまで得た28両の金を、八蔵の妹・おちかに届けてくれというものだった。紋次郎は足尾まで夜道ひたすら全力で走って(その映像が非常にカッコイイ!)依頼を果たす、が、結末は切なく哀れなものになってしまう。ささやかなハッピーエンドでさえ許されない紋次郎ワールド・・・。(涙)

 「喜連川の八蔵は、一頃はちょっとは名の知れた渡世人だった。死ぬ時ぐれぇ、てめえぇの名前で死にやがれ!」との紋次郎の慟哭。紋次郎自らの行く末を暗示するかのような八蔵の死に様が、なんともやるせない。

 脚本が鴨三七(日高真也)と久里子亭(市川崑)で、監督が大洲斉(おおずひとし)の作品

 左手に道中合羽を持っての工夫した殺陣。

 中村敦夫の怪我はまだ全快とは言えず、三度笠と道中合羽で顔が映らない殺陣のシーン、足尾へ向けて走るシーンなどが吹き替えと思われる。

 この回より、オープニングの主題歌が2番 の歌詞となります。(血は流れ 皮は裂ける〜♪) 

・突っ込み所

 ラストの取って付けたような龍胆(リンドウ)が、バレバレのモロ造花。ひでぇクオリティ。せっかくの名作が台無し

 甲州裏街道 赤沢谷付近の難所を夜道で行く紋次郎、何者かに山の上から岩を落とされ谷へ転落し、左足を怪我する。なんとか絵馬堂の前までは歩いてたどり着いたが、そこで気を失う。

 鉄砲水の被害により廃村になった赤沢谷に唯一残った農家・茂作一家に、長脇差を奪われ、さらに捕縛されて、農家の柱に縛り付けられてしまう。

 農民達がそうも紋次郎を警戒するのは、盗賊・黒銀(常田富士男)一家に襲撃を予告されていて、紋次郎をその一味と勘違いしたからであった。

 怪我を負い、柱に縛り付けられて、長脇差も奪われた紋次郎の運命やいかに! そして、隠された謎を暴け!!


   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 エンディングの芥川隆行のナレーションの後、なぜか取って付けたように、主題歌(1番)が流れます。監督の意図なのか?尺が足らなかったから、急遽付け加えたのか?それとも次回より、オープニングの主題歌が2番に変わるからなのか?

 絵馬堂と農家のオープンセット、さらに農家は燃やしてしまいます。お金がかかっております。紋次郎ブームの絶頂の頃なので、視聴率が高いから、おそらく予算も増額されたからなのでしょうね。

 中村敦夫の足の怪我は、いまだ全快ではなく、絵馬堂の前で気を失い、農家の柱に括られて座り込み、捕縛が解けても絵馬堂へ逃げ込み座り込む。胸から上の顔が映し出されて歩いているカットでは、ゆっくりと片足を引きずるような感じで歩いています。

 吹き替えが演じる紋次郎の歩くシーンや殺陣のシーンは、三度笠を伏目にして顔面が見えないようにしています。三度笠で顔面を隠し、道中合羽で体形のシルエットを隠せば、中村敦夫と吹き替えの区別はほとんどつきません。三度笠+道中合羽という衣装は吹き替えには最適ですね。衣装的にもラッキーでした。

 金によって、ごく普通の人間を狂わした様子を見て「金ってぇのは、怖いもんだ。」の紋次郎の独り言が、この物語の全てを簡潔に総括しています。直後に、狂った女が小判で遊ぶのを見て「お前さんにとっちゃあ、ただのおもちゃということでござんすね。」観る者は、ここで見事な対比でより明確になった主題を、まざまざと見せ付けられます。


・突っ込み所

 ラスト近くの茂作の紋次郎への「おめぇが通りがからなければ、黒銀もこんなに慌てやしなかった。」との罵倒の言葉。
おいおい!おまえの指示で捕縛されて、家に縛り付けられていたのに、それ違うだろ! 八つ当たりもいいとこ。

 黒銀の衣装が、ビニール・レザーなのがなんとも70年代でCOOL!

 セイタカアワダチソウも、70年代全開でCOOL!!

 暴れ馬の危機から娘・お市を救う紋次郎。しかし紋次郎は右ヒザの皿を割ってしまう大怪我を負ってしまい、お市の実家である豆州(伊豆)の温泉に湯治することになる。

 一方、天保の飢饉により各地で一揆・取り壊しが発生し、その一揆くずれが山賊と化し無法の限りを尽くしていた。山賊のサブ・リーダー弥七の案内により、紋次郎たちのいる湯治場へと乗り込んできて蹂躙の限りを尽くす。

 山奥の閉鎖された空間で、13対1の数的不利と、足の怪我というフィジカル的不利という二重の不利の中、紋次郎は。どうやって戦うのか?

 ある人物の意外な正体が明かされるというドンデン返しもある。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所
 湯治場の経営者の兄とその妹の剥き出しのエゴと、湯女達の献身の対比が絶妙。ラストシーンの「お前なんかここへ連れてくるんじゃなかったよ!人殺し!人殺し!」の罵倒が、紋次郎のみならず観る者の心をも引き裂く。まるで露天風呂の湯舟に浮かぶ月が、いとも容易に砕けるが如く。

 紋次郎と中村敦夫の数々の一致点、足の怪我、伊豆での湯治、そこでの恋愛・・・。実情は、主役俳優の足の怪我によって急遽この足の怪我のあるエピソードを当初の計画を繰り上げて撮影することとなったと思われるが、運命のいたずらというか、偶然の一致というか、非常に興味深い現象ではある。


・突っ込み所

 弥七達山賊は、紋次郎を痛めつけようとして、怪我して曲がらなくなったヒザを無理矢理曲げようとする。しかし、それが逆に荒療治となって足が回復へと向かうこととなる。話が上手く出来すぎ。

 紋次郎を殺して渡世人として名を上げたい若者に、毒を盛られ苦しむ紋次郎、とそこに偶然通った町医者・良庵に助けられる。紋次郎が、あっしみてぇな渡世人を助けた理由は?と問えば、良庵は「医は仁術だよ」と清く答えた。

 中仙道 鳥居峠付近を行く紋次郎、一人旅の娘・加代に無実の罪を負わせてしまう。その結果、野州鹿沼の貸元清五郎親分一行10人に命を狙われることとなる。戦いの中、長脇差を折ってしまうことになる。

 清五郎一家に追われるは、長脇差は折れているは、紋次郎大ピンチ!なんとか出来るだけ早く長脇差を手に入れなければならない。長脇差を求めて質屋などを回る。やっとのことで、元・刀鍛冶が一里塚近くに住んでいることを知る。

 元・刀鍛冶は、名を直光といい、妻の名は千登勢(扇千景)。千登勢が鹿沼の代貸殺しの下手人の嫌疑をかけられ、野州鹿沼から逃げてここに移り住んで、刀鍛冶を捨て、今は鍬や釜などを作り、妻のために生きているという。なんとも素晴らしい夫婦愛ではないか!

 命の恩人である町医者・良庵、自分のせいで無実の罪を負わせてしまった加代、理想的な夫婦の直光と千登勢、迫り来る清五郎一家、折れてしまった長脇差、それぞれの点が線になり、やがて一里塚で全てが交わり、冥土への一里塚となる。真犯人は意外な人物というドンデン返しもある。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 「医は仁術」からの凄まじい落差に、観る者は、何が起こったのか? しばらく唖然、呆然、声を失う。

 「だから、新八さんは、自分から勝手に谷へ・・・」と真実の事情を清五郎一家に、懸命に説明するが、いっこうに伝わらない。紋次郎の口下手なのが、なんともかわいい。(笑) 何度見ても笑えます。

 加代に返しそびれた手拭いの匂いを嗅ぎ「甘めぇ匂いだ・・・」と独り言の紋次郎・・・。

 千登勢・扇千景と紋次郎・中村敦夫は、この数十年後、国会を舞台に与党・国土交通大臣と野党として再び合間見えるとは、この時誰も予想しなかったことだろう。

 ロケしたこの作品の中の戦闘シーンの撮影中(1972年1月29日)、中村敦夫は滋賀県湖南アルプス山中で左足アキレス腱断裂の大怪我を負ってしまう。(ちなみに、この作品がオンエアされたのは2月19日。)
 この後、2月26日に第9話「湯煙に月は砕けた」が放送されてから、太腿まであるギプスが取れて、撮影が可能になるまでの1ヶ月間、フジテレビは「笹沢左保 峠シリーズ」(1972. 3. 4〜1972.3.25)の全4回を制作して急場をしのいだ。
 紋次郎が復活するのは、4月1日 第10話「土煙に絵馬が舞う」からとなる。


・突っ込み所

 石川良庵役の俳優がいかにも悪人風の顔で、残念ながらたったそれだけで先が読めてしまう。良庵役は、清廉潔白、野心家、女性にモテモテ、若くして御典医に推挙されるほどの実力 といった感じの俳優の起用が最適で、例えて言うならば若き日の石坂浩二あたりがやれば、ネタばれせずにドンデン返しも、最高に効いたのに、返す返す残念だ。傑作になり損ねた作品。誠に惜しい。でも、それでもなお名作。(個人的には、メチャメチャ大好きです。)

 「人切り包丁として売り渡したりせん」と言って直光は、紋次郎に刀を売ってくれないと分かった瞬間、別の場所へ直ぐに立ち去ればいいのに、ましてや清五郎一家に追われているのに、いつでも直光家に留まり、事の成り行きを最後まで傍観し続ける紋次郎。

 霞ヶ浦付近、水戸街道を旅する紋次郎、自分に板鼻の吾兵衛親分殺しの濡れ衣がかかっていることを知る。親分殺しの意趣返しに、その代貸の鶴吉たち六人組が、紋次郎の命を狙い追いかける。

 紋次郎の大ファンだという小判鮫の金蔵(佐藤允)という渡世人も、鶴吉に金で雇われているのだが、紋次郎ファンゆえの性なのが、意趣返しどころかストーカーみたいに紋次郎にまとわり付く。

 さらに宇都宮の呉服屋の扇屋のくみという女とその手代が、乱暴者達に追われているので助けて欲しいと紋次郎に頼み込む。

 金蔵、くみと手代と乱暴者達、鶴吉ら六人組、陰謀と欲望とが、仏教の六道輪廻思想の象徴・六地蔵の前で臨界点に達する。ひでぇ奴らの今生を叩き斬って悪道に突き落とせ!紋次郎!

 ラスト、ある人物の意外な正体が明かされるというドンデン返しが用意されている。破綻なく、良くまとまった作品。


・見所

 撮影は、世界の宮川一夫です。その映像美をご堪能下さい。

 野外ロケが多く、旅のシーンも多い。いよいよ、紋次郎=ロードムービーが全開になる。

 ちなみに、大映が倒産したのは1971年11月29日のことで、5話「童唄を雨に流せ」までは、「制作協力 大映京都撮影所」とクレジットされているが、6話「大江戸の夜を走れ」、7話「六地蔵の影を斬る」、8話「一里塚に風を断つ」には、何もクレジットがない。一旦、9話「湯煙に月は砕けた」でクレジットされるが、10話「土煙に絵馬が舞う」以降からは「協力 映像京都」というクレジットに変わる。大映倒産という過渡的な時期に、撮影された作品だとわかる。

 冒頭、まだ無名だった頃の若き日の蟹江啓三(敬三)が出演している。かなり多くのセリフがあり、芝居も上手です。

 女性の紋次郎ファンは、紋次郎と恋仲になりかける女優陣に自分を置き換えると思うが、男性の紋次郎ファンは、小判鮫の金蔵に自分を置き換えるんじゃないかと思う。遂に男性紋次郎ファンのカリスマ登場ってところ。
 紋次郎の楊枝をくれとねだったり、どんなに早くドスの早抜きが出来るか調べたり、紋次郎のドスを触ろうとしたり、金蔵のファンっぷりは、半端ではない。ストーカー並みだ。

 集音マイクが写り込んでいると言われていたあのシーン、新リマスターでの鮮明な画像と上下左右へのテレシネ範囲の拡大の効果によって、遂に長年の謎が、全て解き明かされました!


・突っ込み所

 細かいことを言うようで誠に申し訳ないのだが、六地蔵の中で耳の形が四角の地蔵がいるのが、どうしても気になって、興が削がれた。「神は細部に宿る」の言葉もあるが、もう少しガンバって欲しかった。本当に惜しい。


.
カミヤッカー
カミヤッカー
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

ブログバナー

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
10/31まで秋の行楽キャンペーン実施中
衛生対策製品クレベリンの姉妹ブランド
クレベ&アンドハンドジェルが新登場
今だけ。お試しキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事