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愛知県に住むシーカヤッカー・カミヤッカーが、勝手気ままに書き散らす日記です。

木枯し紋次郎

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 相州路を行く紋次郎、道中人足のクモ助・銀次一味にからまれている行商人の久兵衛(下元勉)と名乗る男を助ける。

 その夜旅籠で久兵衛に、峠の見晴らし茶屋に鬼面党という5人組が立て籠もっていて、人質にされている茶屋のおかみ・おみつを救出してきて欲しいと50両で依頼される。50両は断るも、姉の名と同じということだけで引き受ける。

 その後、久兵衛は何者かに襲われ殺される。しかし、なぜかその久兵衛こそが、鬼面党の頭・夜桜の金蔵だということが判明する。自分達でおみつを人質にしておいて、救出してきて欲しいと謎めいた依頼を律儀に遂行する紋次郎なのであった・・・。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――


・見所

 吉田日出子、「流れ舟は帰らず」以来、二度目の出演です。ラスト、楊枝を飛ばし野菊のかんざしをしてやります。「甲州路」の好評価のせいか、女性に、特に死にゆく女性、死んだ女性に、優しい紋次郎。

 下元勉も「龍胆は夕映えに降った」以来、二度目の出演です。

 若き日の石橋蓮司が、手裏剣使いの役で出ています。

・突っ込み所

 ノイズがひどい。従来のテレシネ版でもひどかったが、今回の版でも改善されず。

 姉と名前が同じだけで、1対4の戦いへと挑む紋次郎の行動に疑問が残る。

 紋次郎、立て籠もり現場に乗り込み大活躍が見れると思いきや、鬼面党は仲間割れで自滅で、強敵と5番勝負が待ち構えているかと思いきや、意外と肩透かし。紋次郎が殺したのは手裏剣使いと浪人の二人だけ。シリーズ中最も少ないのでは?

 その浪人との殺陣のシーンで、浪人の刀がまるで竹のようにしなっていた。集中力失ってる。

 自分達でおみつを人質にしておいて、救出してきて欲しいと謎めいた依頼の解明が、紋次郎に鬼面党を壊滅させて、三千両をおみつと二人で総取りってカラクリなのだろうか?いま一つスッキリしない説明で、モヤモヤ感が残る。


 第2シーズン前半あれだけ名作を連発していたのに、ここに来てモヤモヤ感が残る作品とは・・・。ヤバいぞ! 紋次郎!!

 錦絵を描いている。モデルの女には、左目下にホクロがある。その錦絵を持って、絵の女を探し回る女衒(穂積隆信)。

 善光寺街道を行く紋次郎。後ろから、女(小山明子)が追いかけてくる。女は山城屋のお紺といって、重い荷物を持ってくれと無理やり頼まれる。

 しばらく行くとならず者達に襲われている娘・お糸(光川環世)に出くわし、助けてやる。旅烏の渡世人と美女2人の奇妙な三人の旅が始まる。

 お糸は大黒屋に奉公していて、大黒屋の許嫁もいる知恵遅れの若旦那・清太郎に惚れられて、道楽の錦絵のモデルにされて、それが嫌で逃げ出したきたという。

 自分の泣きボクロの運命を呪いながらも何処か遠くへ行って自由になりたいと願い、いつしか紋次郎に憧れ慕う娘、曰くありげなおかみ、そして紋次郎の三人の旅の行き着く先には・・・。


   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 ラストに女衒が何故お糸を追っているのか全ての謎が解け、真犯人が分かります。

 光川環世「背を陽に向けた房州路」以来、二度目の出演です。穂積隆信や、小山明子など、有名な俳優も出ています。

 紋次郎の魅力の一つ ロードムービー全開の作品。一人旅がポリシーの紋次郎が珍しく三人で旅を続けることとなった。お糸を追う女衒。ラスト近くのお紺の言葉「みんな自由になりたいのさぁ、お糸さんだって・・・」が切なく響きます。

 救ってやれなかったお糸の願いだった泣きホクロを、楊枝を飛ばし錦絵の中で取り除いてやる紋次郎、なんともかっこいいです。



   ――― この時期の「紋次郎VS必殺」に関する考察   ――― 

 冒頭から、いきなりお色気路線!必殺の視聴者ガバッといただこうという作戦なのでしょう。既出のグラフですが、見てみるとさほど効果はなかったようです。

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 上記の写真では、6話と9話の視聴率が、下がっています。この作品自体の品質は、お色気路線にブレたくらいで、いかにも紋次郎らしさが随所に散りばめられていて、別に悪い仕上がりではないと思うのですが、いまいち視聴率が振るいません。

 
 ここで、私なりの視聴率下降傾向の原因ではないかと思われる点を考察してみようかと思います。

 まず、今回のエピソードは、紋次郎の頑なな性格が随所に出てしまっている。という点が挙げられるのではないかと思います。

 例えば、お紺が紋次郎の頑なな考え方に「随分と古風な人だねぇ」と女性らしいソフトな表現で、呆れかえる。
 紋次郎「人は人。あっしはあっしなんでぇ」紋次郎なりの考え方を、不器用に説明する。

 また、紋次郎に私を一緒に連れてってと懇願するお糸に対して紋次郎は「甘ったれちゃいけやせん。一人ぽっちは、誰もお互い様ですぜ。」とピシャリと冷たく突き放す。
 今の言葉で言えば、「自己責任」なのでしょうが、紋次郎のように強い人間なら、それでいいのでしょうが、お糸さんのような弱者には、紋次郎の真意は決して伝わらないでしょう。

 紋次郎は、自分の考え方、生き方を、他人から見ればエキセントリックまでに純化し、ついつい原理主義的、教条主義的になってしまう傾向があり、現実の状況を見回して柔軟に考え方を変化させていくことが苦手な不器用なところが、見受けられます。(まぁ紋次郎ファンとしては、そこが魅力的で、いじらしい部分なんですが・・・)

 番組の視聴者は、博打で生計を立てて旅から旅の渡世人ではなく、定住して仕事を持っている人間ですから、なかなか紋次郎の言動は理解しづらく、もっと万人受けするストーリー展開、みんなから共感されるテーマであって欲しいと思ったでしょう。
 つまり「紋次郎よ!お糸に冷たく言い放つんじゃなく、ちゃんと救ってやれよ!」と。
 視聴者の気持ちが、少しづつ離れ始めた瞬間ではないかと、今振り返ると感じられます。

 番組開始当初は、斬新な殺陣、スタイリッシュ映像、モダンな主題歌、紋次郎の一風変わった生き様、などが新鮮なイメージでブームを巻き起こしました。しかし、第1シーズンが終了して、第2シーズンが始まる前の1972年7月6日には、紋次郎が街道の宿場宿場で叩き切ってきた対象であったような金権まみれの田中角栄が、首相にまで上りつめました。世の中、器用に生きてお金持ちなることのどこが悪いの?という風潮がはびこり始めて、紋次郎のような清貧生活をカッコイイと返り観ることは、なくなりつつありました。

 社会をニヒルに拒絶して生きるより、ライバル番組・必殺仕掛人の主人公・藤枝梅安のように、社会の中でふてぶてしく柔軟に清濁あわせ呑み、昼は町医者として町民から尊敬され、夜は莫大な報酬を貰って巨悪をぶっ潰す暗殺者 という生き方の方が、金も名誉も同時に手に入れられカッコイイのではないのだろうか?そんな世の中の風潮になりつつありました。

 紋次郎の観る者に対して、多くの人が共感する最小公倍数的な幸せを提示するのではなく、数少ない限られた人間のみが努力・節制の後、得られる最大公約数的な境地を強いるという共感を呼びづらいテーマは、この時期に視聴率が苦戦し始めた原因の一つと考えます。

 つまり、時代がテーマを追い抜いていってしまって、取り残された形になったのではないかと思います。

 紋次郎の持ち味、かっこいい所が、そうは思えなくなってしまった世の中の移ろいやすさに、呆然とします。


 でも、もしかしたら、この週のライバル番組の話の方が、面白かっただけなのかもしれませんが、スタッフは焦り始めたんでしょうね。

 燃え盛る農家、逃げ出す農民「オラのせいじゃねぇ。赤牛・・・」

 紋次郎、旅をする盲目の美女・お鈴(鰐淵晴子)に出会う。夫である火傷で顔がただれた渡世人・太吉(ケン・サンダース)を見かけたら、「赤牛は今年もきっと来る」と伝えてくれと頼まれる。

 一方、かつて赤牛の招き火を悪用して 商売が急成長したという加納屋主人の善左衛門(加藤嘉)らの立ち話を、偶然聞いてしまう紋次郎。

 紋次郎、上州藤岡の絹の取引の祭りのような雑踏の中で倒れているお鈴を助け、加納屋まで一緒に案内してやる。加納屋は気を回し、さっきの立ち話の口止めをするが、紋次郎当然断る。このことで紋次郎は、加納屋の雇ったカラスの源蔵一家に命を狙われるはめになる。

 紋次郎と、太吉とお鈴の夫婦の運命やいかに!最後にドンデン返しあり。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 中村敦夫、初監督作品です。絹の売買の祭りのような雑踏シーンの演出が、盲目の人ならこんな感じだろうなというイメージの音の使い方と、映像と、編集が見事です。また旅籠のシーンで、紋次郎、お鈴、太吉が、行商人の荷物の整理するガタゴトとした大きな音の中ので会話の演出や、めし屋に入って紋次郎を探すシーンが、印象的に撮れています。才能を感じます。
 ただ難を言えば、セリフがよく聞き取れなくて、かつ説明不足なままストーリーが展開していきます。映像イメージが重視されていて、ストーリーを説明するようなセリフやナレーションがないので、ストーリーが分かりづらいです。

 ワイドに伸び伸びと開けた稲刈り後の田んぼで、クレーンなどを使った一対集団の走り回るラグビーを模した殺陣が、シリーズを代表する素晴らしい出来栄えです。まるで戦闘機のドッグファイトを見るかのような殺陣です。
 ただ一つ難を言えば、全員で紋次郎一人だけ追いかけ回して太吉とお鈴の夫婦は無視だったり、押しくら饅頭状態から紋次郎一人だけ密かに抜け出したり、紋次郎が容易に飛び越えた溝へ全員落っこちたり、少しギャグ的な演出が気にはなりますが・・・。

 その殺陣のシーンで、主題歌「だれかが風の中で」が、二番までフルコーラスで流れます。

 農家を燃やしたり、大勢の敵役のいる長時間の殺陣があったり、有名な俳優が多く出演したり、予算がかかっております。

 珍しくフォーマットが少し違います。故郷喪失者・紋次郎の助けによって、同じく故郷喪失者である太吉は、故郷への帰還を果たし、謎解きもドンデン返しもなくハッピーエンドで終わるかに思われますが、その直後に予想も出来ない驚愕のドンデン返しが、用意されています。

 加藤嘉、「甲州路」以来の二度目の出演です。今度は成り上がった商人、ゆっくりと丁寧に喋れば喋るほど、心の底から恐ろしさを感じるいい演技です。

 阿藤海(現・快)も「水車」以来二度目の出演です。中村敦夫と同じ、俳優座養成所、番衆プロ。

 放送禁止用語(め○ら)を連発しています。

 エロ路線、お色気シーンは、今回はないかと思ったら、ラストに出てきました。

 浜辺を瀕死の女を背負い歩く紋次郎。女の腰には自分と両親の名前が彫りこまれている鈴が付いている。

 死に際に「父・巳之吉に会ったら、この鈴を渡して、母と娘は恨んで海に身を投げて死んだ。と伝えて欲しい」と最期まで恨み事を言って女は息絶えた。女郎の死に際の頼まれ事を果たすために、巳之吉を探す紋次郎。

 野州無宿の丸谷の銀蔵という渡世人、一代で網元までにのし上がった剛左衛門とその曰く有りげな娘・お袖(早瀬久美)、貸元の太兵衛 それぞれの強欲の果ての行き着く先には何が待っているのか?

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 青春ドラマ「俺は男だ!」の吉川クン(早瀬久美)が色っぽい役で出ているます。

イメージ 1


 写真は、「必殺仕掛け人」と「紋次郎」第2シーズンスタートから9週目までの視聴率のグラフです。紋次郎スタート時の圧倒的人気と裏腹な不安定性と下降過程(ガタガタ下がっている)のと、必殺の安定性と上昇過程(ジワジワと上がっている)のが見て取れます。


 本作は決して駄作ではないのだけど、むしろ良作なのですけど、こうも毎回映画並みの傑作・名作ばかり見ていると目が肥えてしまって、本作が微妙に見えてしまうのは、なぜなのだろう?

 紋次郎がハイクォリティなドラマたらしめている最大のポイントは、笹沢左保の原作の素晴らしさに尽きると私は考えます。

 つまり笹沢左保によるしっかりとした原作があるがため、一つ一つの物語が非常に緻密で中身が濃く、観る者の予想を遥かに超えたストーリー展開と、ラストの意外などんでん返しが、用意されていて、さらにそれが毎回、設定も含めて全て異なっている。そのことが紋次郎細大の魅力であるのだ。

 従来までの時代劇というのは、予定調和的、金太郎飴的、悪く言えばワンパターン・マンネリな勧善懲悪、ハッピーエンドのストーリー展開が用意されていて、誰でもラストの展開まで読めるようになっている。木枯し紋次郎のライバル番組「必殺仕掛け人」も、基本はこの作りになっている。この手法は、思考停止に近い脳活動に陥る代わりに、見る者にとっては、大きな安心感・安定感、さらには決して裏切らない信頼感をもたらす効果がある。

 一方、紋次郎は、ラストまで気の抜けない集中力と、誰も救ってやれなかった時のバッドエンドっぷりには、観る者に無念感・無力感・敗北感すら残させてしまうのだ。

 クォリティの高い原作が連続していれば、全く問題はないのだが、原作の魅力に頼りきってしまって、どんな脚本家でも容易に書けるパターンを持ち合わせない紋次郎は、実はこの原作の魅力は最大の武器で、ブーム到来の立役者でもあるのだが、逆に最大の弱点、大きな落とし穴にもなりかねない両刃の刃なのでもあった。

 つまり、紋次郎の最大のストロングポイントが、実は致命的なウィークポイントでもあったのだ。

 しかし、今思えば、人気絶頂のこの時、紋次郎にまさか暗い影がひたひたとひそかに忍び寄っていることを、誰一人として気付く由もなかったのである・・・。

 道を尋ねてくる行商人、紋次郎誤った道を教えてしまう。慌てて引き返してみると、行商人は強盗に襲われて、あり金全部奪われ、片腕に大怪我を負ってしまって、そのまま崖に落ちて死んでしまう。下手人は、紋次郎と同じ朱色の鞘の長脇差を持っているとのこと。

 甲州街道 金沢宿で、ようやく朱色の鞘の長脇差を持った男・千代松(寺田農)を見つけ出し、千代松の片腕を切り落とすことを要求する。千代松の母(北林谷栄)の懇願により、許す紋次郎。

 しかし、この嘘つきで、ずる賢くて、女郎蜘蛛のように狡猾な母親によって、紋次郎はさらなる危機を迎えることとなる。

 紋次郎の母への複雑なる思いが感じられる作品。名作ラッシュは続いております。

   ――― 注意! 以降にネタばれ内容を含みます。 ―――

・見所

 「いけねぇ、会いたくねぇのに会っちまった」紋次郎の困り果てた感じが出ていいです。

 「やっぱりこの世の中に、お袋なんてものはありゃしやせんでした」の捨て台詞、紋次郎の母に対する喪失感が思わず逆説的に出てしまったのか?心底そう思っているのか?前半の年老いた母に免じて許した時点で、前者なのでしょうね。

・突っ込み所

 葬列のシーンで、商人の男が、瓦版風に事件の概要を村の衆に解説しているカットで、遠くにまるで白い自動車のような物が、走っています。「水車」でも自動車が写り込んでいたし、スタッフは集中力を失いつつあるのか?(この先、嫌なことが起きそうな気がして、心配です。)

 貸元・高品格のセリフが「飛んでしに入る夏の虫」と、火(ひ)でなく「し」と発音している。貸元は江戸っ子?


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