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子どもの健康を考える「子なび」
読売新聞 2018年5月30日

不慮の事故(2)注意しなくてもいい製品を


  
不慮の事故では、小児科医で緑園こどもクリニック(横浜市)院長の
山中龍宏さんに聞きます。(聞き手・萩原隆史)


電気ケトルで子どものやけどが多発しているため、
あるメーカーに対応を要請したところ、担当者はこう言ったのです。

 「うちの製品は倒れません」
 
子どもの力でも倒れるからやけどをするのであって、
倒れないはずはないのですが、これでは話が進みません。
こちらで証明するしかありませんでした。
 
国の研究機関の協力を得て、ハイハイしている子どもが電気ケトルに当たった時に加わる力を測り、ケトルがその力で倒れるかどうかを調べました。
すると、実験に用いた10社の製品はすべて倒れました。

色付きの水を入れて、倒れた時にこぼれる水の速さと範囲も測定しました。
体表の10%以上をやけどすれば入院が必要になりますが、
お湯をさっと使えるよう注ぎ口の大きなタイプも多く、
わずか5秒で入院が必要になるほど水が広がるケースもありました。
 
ハイハイしている子はすぐに逃げられないため、
より深刻なやけどを負う危険があります。

日本小児科学会には、体表の25%を大やけどした生後11か月の
女児の症例も寄せられています。泣き声で親が駆けつけた時には、
床にできた熱湯の水たまりの中で腹ばいになっていました。
 
子どもの弱い力で倒れ、あっという間に大やけどを負ってしまうような事故は、親の責任ではなく、製品の責任だと私は言っています。

ですが、親は「あの時、私が目を離さなかったら」と自分を責め、
医師も「今度から気をつけてください」
と言うだけで終わることがほとんどです。
 
極端な言い方かもしれませんが、親に目を離さないよう強いるのではなく、
目を離してもいい、注意しなくてもいい製品や環境づくりを優先することが
原則だと考えています。

【略歴】
山中龍宏(やまなか・たつひろ)
1947年、広島市生まれ。小児科医。東京大医学部卒。子どもの事故防止に取り組むNPO法人「セーフ キッズ ジャパン」(東京)理事長、消費者庁の消費者安全調査委員会専門委員。

転載元転載元: Dr ミカのメモ帳: 脳・栄養・心 (発達障害・特別支援教育)

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hitoさん
ナイス有難う御座居ました。

2018/6/2(土) 午後 5:19 bug*nno*e 返信する

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