結婚に対する価値観がいま、変わりはじめています。
生涯未婚率が男女ともに過去最高になる一方で、離婚する人も増加。「結婚は25歳までにするべき」「結婚した人とは一生添い遂げるべき」など、私たちのまわりにあった“当たり前”も少しずつ崩れつつあります。
これからは、一人ひとりがもっと自分に合ったパートナーシップや家族のあり方を探せる時代になるべきなんじゃないか。そんな思いで、多様化する結婚観をフラットに見つめ直す連載「結婚2.0」。
今回お話を聞くのは、これまで数々の夫婦関係やセックスに関する相談に乗ってきたAV男優・森林原人さん。
性を知り尽くした森林さんが「一生ひとりの人を愛するなんて無理」「セックスと愛情を切り離したほうが楽」と考える理由とは…?
〈聞き手:あつたゆか〉
森林さん:
いきなりですけど、僕「パートナーを一生愛しつづける」というのは無理だと思うんですよ。
あつた:
え、どうしてですか…?
森林さん:
江戸時代の平均寿命って40才くらいだったんですけど、いまは当時の2倍くらい生きられるじゃないですか。
仮に20歳から愛するとして、江戸時代なら20年で終わっていた夫婦生活が、いまや50年以上続くわけです。
それをひとりの人で完結させるっていうのは、かなり難しいと思いませんか?
あつた:
うーん、たしかに…
3〜4年付き合うカップルでもマンネリ化するのに、それを50年つづけるのはなかなか現実的ではないかも。
「結婚・恋愛・セックス」をひとりの相手に求めるのは無理がある
森林さん:
さらに言うと、そもそもひとりの相手に「結婚・恋愛・セックス」の3つを求めてしまうのが無理だと思うんです。
ちょっと図を書いて説明してもいいですか?
あつた:
はい!
森林さん:
まず、恋愛は「心の動き」を指すものですよね。
あつた:
はい。
森林さん:
それに対して、セックスは「体の動き」で、結婚は「社会的制度」です。
あつた:
ふむふむ。
森林さん:
この中でいうと、「恋愛」と「セックス」は揺れ動き変化するものなんですよ。
好きになっちゃいけないってわかっているのに惹かれてしまったり、大好きで一生愛しますって誓ったのに急に冷めてしまったりすることって、誰にでもありますよね。
あつた:
そうですね。
森林さん:
セックスもコントロールが難しくて、たとえば「大好きで大切だけど、いつの間にかセックスしたい気持ちがなくなってる」ということもありますよね。
あつた:
「好きだけど今日はそういう気分にならない」という話もよく聞きます。
森林さん:
でしょう?
恋愛感情も性欲も、基本的には自分ではコントロールできないものなんです。それを「結婚制度」という固定された枠の中に閉じ込めようとするから、苦しくなる。
「好きな人と結婚して、その相手とセックスをするのが当たり前」と思っている人が多いのですが、僕は「結婚・恋愛・性行為」を三位一体で捉えてしまうと、結婚生活がつらくなると思っています。