イケメンであれ美人であれ、ルックスに優れた人を配偶者に持つと、何かと周囲からとやかく言われることが多い。本人たちがまったく気にしない場合もあるが、当然のことながら周囲のやっかみや詮索が煩わしく感じられることもある。妻が美人過ぎた場合、夫はどうなるのか。いくつかのケースから探ってみたい。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
● いいことばかりではない美人妻 試される夫の器・夫婦の絆
現代の結婚は自由恋愛の途上にあるのが主流であるから、配偶者を自分で選ぶことができる。配偶者のルックスがいいと毎日見ていて麗しいし、他人に対しても自慢できる。配偶者のルックスは良ければ良いほど素晴らしい……と考えるのはいささか早計である。
「美人は三日で飽きる」という古来伝わる、現代ではなんとかハラスメントに当たりそうなフレーズもあるし、実はメリットばかりではないのがナイスルックスの配偶者である。配偶者のルックスが良いと、器と絆が試されるのである。
これはまた聞きの話であるから詳細は定かでないが、「モテモテ妻と結婚した男性が、妻の社交性と魅力に嫉妬した揚げ句浮気して離婚に至った」ケースがあったそうである。夫のやり場のない葛藤は彼に、出口・逃げ道として不倫を選択させたのが愚かといえば愚かだが、そうせざるを得なかった切迫した苦しみが本人にはあったのであろうと推測される。
現代の倫理的価値観からすれば許されない不倫という決定打を放った夫が完全なる悪で、「勝手に嫉妬して暴挙に及んだ夫」と見れば被害者は順当に妻となるが、「夫に配慮なく異性と仲むつまじくすることをやめなかった妻」と見れば被害者は夫である。
詳細や事の背景がわからない以上、このケースに関してはどちらとも断定できないが、美人妻は夫を狂わせ得る可能性があることがよくわかる事例であるといえよう。
かような危険な蜜・美人妻を持つ夫たちが、自分が置かれた状況にどのように立ち向かっていっているのか、他のケースを紹介したい。
● 妻を人前にさらすことが苦痛 加速する束縛の果て
Aさん(38歳男性)の妻Bさん(32歳女性)はモデル経験がある美人である。手足はスラッと長く、顔立ちは個性的であり、ちょっとただならぬ雰囲気をまとっている。社交性は人並みだが、若い時分はクラブに踊りに行ったりもしていたからそれなりに「開けた性格」である。
一方、その夫Aさんは芸術家肌で、職業はレコーディングエンジニアであった。長身で物腰やわらかいが、顔つきに芸術家気質が表れているようで、こちらもただならぬ雰囲気の人物であった。
Aさんは実際会うと、優しく、ジェントルで、おそらく本人が繊細だからであろう、他人にも細やかな気遣いができる人だったが、Bさんの前では別人格が顔を出すらしかった。
AさんはBさんに対する束縛が激しく、交際時からそうだったが、結婚後はそれがいよいよ極まった。BさんがGPS機能で居場所を常にAさんに知らせるのは序の口で、帰宅後、Aさんに「いつどこで、誰と何を話して、何をしたか」を報告する義務が課せられた。
そこに自分以外の男性の気配があるとAさんは狂乱した。
例えばBさんが友人の結婚パーティーに出席すれば「誰か男と話したか」とAさんが質問する。Bさんが「話していない」と答えてもAさんは「いや、一言くらい話したはずだ」とBさんの言い分を認めず、怒りまくって壁やテーブルを時として泣き叫びながら破壊した。
Aさんの一連の振る舞いは立派なDVに該当するが、BさんはそんなAさんに苦しめられつつ彼を変わらず愛していたから、2人の関係を共依存と指摘する人もいた。
やがて、2人はAさんの強い希望もあって、人里離れた山奥に一軒家を買ってそちらに引っ越していった。Aさんは美人な妻を他人の目に極力触れさせたくなかったのである。
Aさんをよく知るCさん(41歳男性)はこう語った。