メンタルヘルス・脳の生理病理

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挑戦は脳にとって最高の栄養素
 
脳をいつまでも成長させ、その機能を最大限に使うためには、一つの単純な必要条件があります。
それは、前向きな気持ちで生きること。
なぜなら前向きになると、脳のなかで使われずに眠っている潜在能力細胞を、目覚めさせることができるからです。
 
逆に無関心、あるいはネガティブな気持ちは、脳にとって悪い栄養になり、脳の成長を抑制してしまいます。
 
思考が止まってしまうとストレスまで生み出します。
だから思考がネガティブな人は、認知症や鬱病になりやすいのです。
 
また、落ち込んだときに回復に時間がかかるのもネガティブな人の特徴。
だからこそ、前向きでいることが脳の成長のために必要になるのです。
 
脳は「初めてだから挑戦したい」という前向きな考えが大好きです。
歳をとると、どうしても前向きになりづらくなるものですが、それではいけません。
あまり考え過ぎずに、多少強引でも良いので、まずは行動を起こしてみてはどうでしょうか。
 
毎日を楽しく生きる秘訣は、知らないことを知ろうという明日への意欲、未知の世界への好奇心を持つことです。
こうした元気あふれる生活は、脳番地のネットワークをつながりやすくします。
聴覚系と視覚系の脳番地も、楽しさを感じている状態だと、働きが活発になります。
 
 
明日という未来に向かって考えを巡らし、それを叶えるために努力する。
それは自分に対する挑戦でもあります。
そして挑戦は、脳にとって最高の栄養素となる。
ほんの小さな挑戦でかまいません。
いつでも前向きであるように心がけてさえいれば、いくつになっても脳は成長します。
 
そう、筋肉と同じように――。
 
新しいことに挑戦する脳と心の扉は、一生開いておかなければなりません。
50歳を超えても脳が若返る生き方 より」
 
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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。
しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。
このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。
これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。
 
ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。
新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。
この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。
しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。
 
このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。
 
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
 
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12なのです。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
 
ビタミンB12について?
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!

転載元転載元: 縁処日記

自殺した人の脳に共通する特徴とは
Suicide on the Brain
2019年6月8日
アダム・ピョーレ(ジャーナリスト)

自殺した人に共通する脳の異常は、
鬱病などで活性化する偏桃体ではなかった 

<自殺者の脳は何が違うか──その知識を生かせば悲劇を未然に防げる?>
自らの命を絶つ前の週、ジェレミー・リッチマン(49)は
フロリダ州のフロリダ・アトランティック大学で講演を行った。
テーマは「人間であることの脳科学」。

脳科学を活用すれば、自分や他人を傷つけるリスクがある人に気付き、
支援の手を差し伸べられる可能性がある──
それが3月19日に行われた講演の趣旨だった。

聴衆の関心も高かったに違いない。
この2日前、フロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・
ダグラス高校で昨年2月に起きた銃乱射事件の生存者の1人が自殺していた。
数日後には、同じ高校の生徒がまた1人命を絶った。
アメリカの自殺者は増加傾向にあり、17年には4万7000人に達した。

リッチマンは、このテーマにことのほか強い思い入れがあった。
自らの悲しい経験があったのだ。12年12月14日、コネティカット州
ニュータウンのサンディーフック小学校に20歳の男が押し入り、
26人を殺害し、自らも命を絶った。
この事件で殺害されたなかに、当時6歳の娘アビエルが含まれていたのだ。

リッチマンと妻のジェニファー・ヘンセルは事件後直ちに、
娘を失った悲しみを行動に換えることを決意した。
娘の名前を冠した財団を設立し、銃暴力を防ぐために
脳科学の研究を支援し始めたのだ。
薬学博士号を持つリッチマンは、製薬会社を辞めて財団の仕事に専念した。

鬱の有無より大きな要因
しかし、リッチマンが精力的に支援した脳科学は、
彼が自らの命を絶つことを防げなかった。
遺族は、アビエル財団のウェブサイトに以下のようなメッセージを寄せた。
「彼の死は、脳の健康を保つことがいかに手ごわい課題であるかを
浮き彫りにした。そして、誰もが自分自身と大切な家族のために、
さらには支援が必要な全ての人のために、
助けを求めることがいかに大切かということを示した」

脳の健康に関する専門家だったリッチマンが自らも死を選んだことは
残酷な皮肉というほかないが、自殺と脳の関係を研究する科学者にとっては
意外ではないのかもしれない。

最近の研究によれば、知識があるからといって人は自殺しないわけではない。医学生や若い医師の主な死因の1つは自殺だという。
この点では、精神科の学生と医師も例外でない。

自殺者の脳に共通する神経学的特徴

それでも、リッチマンが望んだように脳科学の研究は目覚ましい進歩を遂げている。研究が進展し始めたきっかけは、コロンビア大学とニューヨーク州精神医学研究所の研究者たちによる25年以上前の発見だった。

この研究チームは、鬱病の病理を解明する目的で自殺者の脳を集め始めた。
自殺者は鬱に悩まされていた可能性が高いと考えてのことだった。
ところが遺族に話を聞くと、意外なことが分かった。
自殺者の約半数は鬱病ではなかったのだ。

自殺者とそれ以外の死因で死亡した人たちの脳を調べると、
さらに意外なことが明らかになった。生前の鬱病の有無に関係なく、
自殺者の脳にはしばしば共通する神経学的特徴が見られたのだ。

「自殺に関わりのある脳の異常が存在すると思っている人は、
当時誰もいなかった」と、この研究に参加した1人である
コロンビア大学のJ・ジョン・マン教授(精神医学)は言う。

結果を考える前に行動

この四半世紀、マンは共同研究者たちと共に、
自殺傾向のある人とない人の違いを明らかにしようと努めてきた。
そのために、脳の神経伝達システムの生化学的分析を行ったり、
神経の活動を調べるための画像検査を行ったりした。

彼らの研究によると、自殺者の90 %は、自殺した時点で
何らかの精神疾患を発症していた。鬱病などの精神疾患がある人は、
脳で感情をつかさどる扁桃体が過度に活性化されていることが知られている。

しかし、自殺者に共通する主要な脳の異常
(例えば神経細胞が少ないことや皮質が薄いことなど)
が見られた部位は、扁桃体ではなかった。

そのような違いが見られた部位は、
脳の前部帯状皮質と背外側前頭前皮質だった。
これらは、自らのストレスの度合いを
主観的に判断するプロセスに関係する部位だ。

「客観的に見た症状の深刻さは同じでも、
この人たちは主観的に感じる鬱症状が
はるかに深刻だったのだろう」と、マンは言う。

「このような人たちは、感情をコントロールすることが苦手なように見える。彼らが主観的に感じているストレスは、自殺行動のリスクがない人より大きい。自分が鬱状態にあることを感じ取るセンサーが過度に鋭敏だと言ってもいいだろう」

自殺者の脳は、意思決定に関わる部位にも異常が見られた。
自殺リスクの高い人たちは、意思決定が必要な課題を与えられたとき、
リスクの高い選択をする傾向がある。

自らのリスクに気付けない不幸な存在

自殺リスクが高い人は、否定的な情報を受け取ると過敏に反応する一方、
肯定的な情報にはあまり反応しないようだ。
そのため、世界を冷淡で敵対的な場と感じる傾向が強い。

「このような要因は全て自殺行動につながる」と、マンは説明する。
「鬱症状をひときわ重く感じ、感情に突き動かされて行動しやすい上、
行動の選択肢が少ししか目に入らず、
周囲の人たちが批判的で冷たいように感じる傾向が強い。

しかも、このような人たちは、
自分がほかの人たちとは違うことに気付いていない。
不幸なことに、自らのリスクを認識できていない」

メリーランド大学医学大学院のトッド・グールド准教授
(精神医学)によれば、自殺の神経学的原因を研究している研究者は、
問題を2つの段階に分けて考えることが多い。
自殺しようと考える段階と、その行動を実行に移す段階である。

人生は生きるに値しないという思いは鬱に伴うことが多いと、
グールドは言う。だがこうした感情に従って行動するかは、
衝動性や決断に関わる脳内の生物学的回路が大きく左右する。

死にたいと思っても、多くの人は実行には移さない。
家族や友人が受けるショックを考え、
リスクと便益をはかりに掛けて、コストが大き過ぎると判断する。

一方、自殺傾向があると、結果が持つ意味をよく考える前に行動しがちだ。
「自殺したいという思いがそのまま行動に結び付くように見受けられる」と、グールドは語る。「多くの場合、それは衝動的な行為だ」

単語6つで分かるリスク

攻撃性も要因の1つであるようだ。
精神分析の創始者ジークムント・フロイト以来、
自殺は内に向けられた攻撃性だと捉えられていると、グールドは指摘する。

鬱病患者の自殺率減少にはリチウム塩の投与が効果的だが、
原因はリチウム塩が衝動性や攻撃性に関わる
脳内回路に働き掛けるためであることを示す研究が増えているという。

麻酔薬として広く使用されているケタミンが
自殺願望を急激に低下させることも判明している。
米食品医薬品局(FDA)は今年3月、
ケタミンを用いた処方治療薬の承認を発表した。

最善の対策として見解が広く一致するのが、
自殺リスクを確かめるスクリーニング検査だ。
どんな人も最低でも1年に1度は検査を受けるべきだと、
コロンビア大学のマンは提唱。
「人生は生きるに値すると思いますか」といった質問をするだけでも、
判定に大きく役立つ場合があると話す。

90%の確率で自殺願望者が分かる

神経科学分野では、さらに効果的な方法の開発が進む。
カーネギー・メロン大学とピッツバーグ大学の研究者は17年、
機械学習アルゴリズムを用いて、自殺傾向がある人とない人の
脳スキャン画像を見分けることをコンピューターに学習させた。

この研究では、被験者に30の単語を読み上げた。
「精神疾患は特定の物事への考え方を変える」と、カーネギー・メロン大学
認知脳画像センター所長で、心理学教授のマーセル・ジャストは指摘する。
「強迫観念が強いと、『警察』という単語に異なる脳活性化パターンを示す。自殺願望の場合も特定の単語に対して同様のことが起きる」

機械学習アルゴリズムは6つの単語(「死」「残酷」「困難」
「気楽」「よい」「称賛」)が引き起こす脳内パターンを見るだけで、
自殺願望がある人を90%の確率で特定できると、
ジャストとピッツバーグ大学公衆衛生大学院の
デービッド・ブレント教授は突き止めた。

被験者が示した脳活性化パターンは体系的で明白だった。
なかでも顕著だったのが、自殺願望がある場合、
6つの単語が「自己言及」に関わる脳内領域をはるかに活性化させたこと。
つまり、人によっては戦争などを連想するはずの「死」という単語は、
自殺傾向がある人の場合は自己についての考察に関わる脳内領域を強く刺激する。

薬理学者であり、エール大学医学大学院の精神医学講師に就任予定だった
リッチマンが、ジャストらの研究結果を知っていた可能性は高い。
それでも彼は自殺した。

「知識が行動の変化につながるとは限らない」と、ブレントは語る。
「彼は6歳のわが子を亡くした。家族を失った人は悲痛が和らがない場合、
特に自殺リスクが高い。鬱や心的外傷後ストレス障害(PTSD)だったり、
心の傷が癒えていなかったなら、そのどれもが自殺の引き金になり得た。
優秀な学者だったという事実は無関係だ」

<本誌2019年6月11日号掲載>

転載元転載元: Dr ミカのメモ帳: 脳・栄養・心 (発達障害・特別支援教育)

読売新聞 2018年4月11日

若者向け「統合失調症センター」、
東大病院に開設


東京大学は、思春期以降の若者の統合失調症の治療を専門に行う
「統合失調症 AYAアヤ 世代センター」を医学部付属病院(東京・本郷)
に開設した。


AYAは思春期・若年成人を意味する英語の頭文字。
統合失調症はこの時期に発症することが多いため、
早期から薬だけでなく心理面も含めた集中的な支援を提供するのが狙い。

状況に応じて精神神経科の専門外来につなげるほか、
「ディスカバリープログラム」という2〜4週間の短期入院治療も新設した。

プログラムは、10〜30歳代の統合失調症患者で一定程度、
病状が落ち着いている人を対象とした。薬の調整をした上で、
 瞑想めいそう をしながら自分を客観的に観察するマインドフルネス体験や、
ものづくりに取り組む作業療法などに参加。

自分とのつきあい方や人とのつながりを学ぶ。
退院後も継続したリハビリを受け、社会復帰を目指す。

東京大精神神経科教授の笠井 清登きよと さんは
「統合失調症は、早期から本人が主体的に回復を目指せるような支援が大切。そうした支援モデルを確立していきたい」と話す。

センターのホームページ(http://aya-sedai-center.umin.jp)に
詳しい案内がある。

転載元転載元: Dr ミカのメモ帳: 脳・栄養・心 (発達障害・特別支援教育)

読売新聞 2018年3月19日
認知症、脳血管を若返らせて回復図る
…新治療法開発目指し研究グループ発足へ

 
治療が難しいアルツハイマー病などの認知症に対し、
老化した脳血管を若返らせて回復を図る新たな治療法開発を目指す
日独の国際研究グループが4月、発足する。

大学など5機関の研究者が参加する予定で、中核となる先端医療振興財団
(神戸市)は「今後5年間で治療につながる成果を出したい」としている。

認知症で最も多いアルツハイマー病は、「アミロイド βベータ 」や「タウ」と呼ばれるたんぱく質が脳内に異常にたまり、神経細胞が死ぬことで発症するとされる。

発症後にこれらのたんぱく質を取り除いても、
既に多くの神経細胞が失われており、機能回復は難しい。

生き残った神経細胞の情報伝達力を高めて記憶や学習を助ける治療薬はあるが、病気そのものは治せない。

同財団の田口明彦・再生医療研究部長は、不要なたんぱく質を取り込んで除去する脳血管の働きに着目。老化で働きが衰えた脳血管を再生すればたんぱく質の蓄積を防ぎ、神経細胞の活性化も期待できるという。

この手法は、脳 梗塞こうそく などに伴って発症する
「脳血管性認知症」の症状改善にも有効とみられ、
合わせて認知症患者全体の8割程度をカバーできる計算だ。

同財団は、手足の血管が詰まって指などが 壊死えし する病気の患者に
血管再生を促す細胞を注射し、治療してきた実績がある。
同様の手法で認知機能を回復できるかを検討するほか、
脳血管再生を促す新薬開発も視野にグループ発足を決めた。

脳血管に詳しい慶応大や九州大、神戸大の研究者が加わるほか、
欧州最大級の研究機関「フラウンホーファー研究機構」(ドイツ)も協力。
同機構のヨハネス・ボルツ教授は「再生医療分野で世界をリードする日本と
協力し、高齢化社会に立ち向かいたい」と話す。

今後、国内外の研究機関や製薬企業などに広く参加を呼びかける方針で、
田口部長は「脳血管に着目した、今までにない治療法を生み出したい」
と意気込む。

          ◇

【アルツハイマー病】  認知症全体の6〜7割を占め、
患者数は2012年時点で推定300万人以上。
記憶が欠落したり、時間や場所がわからなくなったりする。


新治療法、課題克服に期待

高齢化が進む中、多くの製薬企業が認知症の新薬開発に取り組んできたが、
目立った成果はなく、開発中止も相次ぐ。再生医療の技術を取り入れた
新たな治療法は、従来の課題を克服できる可能性を秘めている。

新薬候補の多くは、脳内にたまるたんぱく質を取り除くタイプだ。ただし、
それだけでは回復が見込めないことが、失敗の積み重ねからわかってきた。

脳血管を再生させる手法は、たんぱく質の除去だけでなく、脳の血流を増やして神経細胞に十分な栄養分や酸素を送り届けることにもつながり、
より高い治療効果が期待できる。

一方、発症の仕組みには、なお不明な点も多い。
今回の手法が実際に役立つのか、今後の研究に注目したい。

(科学医療部 諏訪智史)

転載元転載元: Dr ミカのメモ帳: 脳・栄養・心 (発達障害・特別支援教育)

抗うつ薬、8割の患者に無意味!?

3/20(火) 12:12配信

読売新聞(ヨミドクター)
読売新聞東京本社調査研究本部主任研究員 田中秀一

 うつ病の人が増えています。うつ病の治療薬である「抗うつ薬」も、たくさん使われるようになりました。ところが、8割の人には抗うつ薬は役に立たないといいます。一体どういうことでしょうか。

処方は急増…でも効果は限定的

 うつ病は、気分がひどく落ち込む(抑うつ)、好きなことでも興味がわかない、何事にも意欲が起きない、といった状態になる病気です。眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体的な症状も表れます。

 日本では、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる新しい抗うつ薬が1999年に発売され、よく使われるようになりました。従来の薬に比べて副作用が少ないとされたためで、抗うつ薬の販売額は10年足らずの間に5倍以上に急増しました。うつ病で治療を受ける人も約100万人と、それまでの2・5倍に増えました。

 しかし、抗うつ薬の効果はそれほど大きくありません。

 2010年、米国ペンシルバニア大学の研究チームが、「うつ病の症状が軽いか中程度の場合、抗うつ薬には効果がみられない」と報告しました。この研究では、抗うつ薬を使った患者と、有効成分を含まない偽薬(プラセボ)を飲んだ患者の回復度を比較した6件の臨床試験データが解析されました。症状の重さによって、「軽症・中等症」「重症」「最重症」の3グループに分けたところ、軽症・中等症や重症のグループでは、抗うつ薬はプラセボに比べて患者の回復度に差がなかったのです。有効性が認められたのは、最重症のグループだけでした。

「効いているのは5人に1人」

 それ以前にも、抗うつ薬の効果が限定的なことを示す研究は少なくありませんでした。1995年には、米国の精神科医が、SSRIの一種セルトラリンと、プラセボを比較。セルトラリンでは、うつ症状が改善した人の割合は60%だったのに対し、プラセボでも42%の人が改善したと報告しました。実際に抗うつ薬が効いた割合は、プラセボとの差である20%足らずだったわけです。

 独協医科大学埼玉医療センターこころの診療科の井原裕教授は「抗うつ薬が本当に効いているのは、うつ病の5人に1人。残りの8割の人には、薬は無意味です」と言います。

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転載元転載元: nk8**6eのブログ


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