安倍晋三首相、9条改正を自民総裁選の争点に 消極的な石破茂氏を牽制
2018.8.13 21:49
安倍晋三首相(自民党総裁)は、憲法改正の自民党案を秋に予定される臨時国会に提出する意向を表明するとともに、改憲案に自衛隊を明記することを改めて訴え、9月の党総裁選で争点にする考えを重ねて示した。10日に出馬表明した石破茂元幹事長が9条改憲を争点から外したことを逆手に取り、総裁選で堂々と論戦に持ち込む狙いだ。ただ、臨時国会への改憲案提出には野党が強く抵抗するとみられる。来年には参院選があるなど重要な政治日程も数多く、先は容易ではない。
「ある自衛官は息子さんから『お父さん、憲法違反なの?』と尋ねられたそうです。そのとき息子さんは、目に涙を浮かべていたと言います」
安倍首相は12日、長州「正論」懇話会の設立5周年記念講演会で講演し、多くの教科書が自衛隊違憲論を掲載していることをめぐるエピソードを紹介した上で、自衛隊を違憲とする議論に終止符を打つ必要性を説いた。
憲法9条改正では、戦力不保持を定めた2項を維持して自衛隊を明記する首相案に対し、安全保障政策を得意とする石破氏は2項削除が持論だ。しかし、石破氏は10日の出馬表明の記者会見で、9条改正よりも参院選の合区解消や緊急事態条項創設が優先だと主張した。
背景には、9条2項の削除は集団的自衛権をフルスペック(際限ない形)で認めることにつながりかねないため、国民や連立を組む公明党の理解が得にくく、自民党内でも「正論だが非現実的」(長老)とみなされている実態がある。
また、党が3月に改憲4項目の条文案をまとめたことを踏まえ、石破氏への支持を検討する議員からも「今さら自分の考えを打ち出して争点化するのはちゃぶ台返しだ。石破氏が9条を争点にするなら支持しない」との声が出ていた。
「来る総裁選が党員の間でしっかりと議論を深め、一致団結して前に進むきっかけとなることを期待している」
安倍首相はこうした石破氏の状況を見透かし、挑発するかのようにあえて改憲の争点化を強く打ち出したとみられる。
ただ、臨時国会への改憲案提出は容易ではない。自民党は先の通常国会で、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案の審議を呼び水に、衆参の憲法審査会での改憲論議を促す構図を描いた。これに対し、立憲民主党などは学校法人「森友学園」「加計学園」問題など政局を絡めて憲法審査会の開催を拒み続けた。自民、公明両党などが提出した同法改正案は衆院憲法審で趣旨説明しかできなかった。
また、統一地方選や参院選が来年に控えている。数の力を背景に改憲案の国会提出に踏み切れば、野党や世論の反発を強めることにもなりかねない。
「今を生きる政治家の責任」として首相が改憲を進めるには、総裁選で圧勝し党内基盤を強化するのが必須条件になりそうだ。
(原川貴郎)
http://www.sankei.com/politics/news/180813/plt1808130015-n1.html
転載元: <超音速ミサイル>ASM3
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