世事万端
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渋谷区の多くの地域は、江戸時代、大名屋敷や旗本などの武家屋敷が建ち並んでいた。この中でも、山の手の環境の良いエリアが高級住宅街として発展する。どんな大富豪が住むのか、話を聞いてみた。 政財界の大物が住む街
渋谷駅周辺は流行の先端を行くショッピングと娯楽のエリアだ。一日に約50万人が横断して世界最大の交差点と名高いスクランブル交差点では、まばゆいデジタル広告の下を大勢の人が行き交う。 最終更新:7/24(水) 12:01
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お座敷に向かう舞妓さんの袖をつかまえる。宴席に出かける 車まで囲んで写真を撮る―。京都市東山区の花街・祇園町南側で近年、一部訪日客の乱暴な振る舞いが地元住民を悩ませている。一帯は花見小路通沿いにお茶屋など京都らしい建物が建ち並び、入洛する訪日客の約半数が訪れる人気スポットだ。しかし、私有地に無断侵入した撮影や伝統的な建造物の破損も相次ぎ、今や観光公害の象徴的な場所でもある。 「ここは常連のお客さんをもてなし、ほっこりしてもらう場で、観光のまちではない。舞妓さんはテーマパークのマスコットではないのに」。祇園町南側地区協議会幹事の太田磯一さん(56)はため息をつく。 【動画】観光の外国人が落書き 外国人ツーリスト急増、暮らしに副作用
「観光立国」を掲げる安倍政権は、来年の東京五輪に向けてさらなる訪日外国人観光客の呼び込みをうかがう。だが、国内屈指の観光地、京都では住民生活との軋轢(あつれき)が拡大し、「観光公害」が大きな社会問題になっている。日本三大祭りの一つ、祇園祭の華やかな関連行事が続くさなか、参院選京都選挙区(改選数2)の各候補とも「観光公害対策が必要」と訴え、訪日客の波にもまれる有権者へのアピールに懸命だ。 第2次安倍政権は観光産業を「成長戦略」や「地方創生」の柱に位置づけ、外国人観光客向けビザの要件を緩和し、格安航空会社(LCC)の就航を促した。アベノミクスによる円安誘導も重なり、訪日客は日本全体で3119万人(2018年)に達し、リーマンショックや東日本大震災の影響などで1千万人割れだった2012年の3・7倍になった。 京都市も2018年の外国人宿泊客数は450万人と、5年間で2・5倍。特に17〜18年は一気に100万人近く増えた。観光消費額も京都市が2020年度の目標額としていた1兆3千億円を、2年前倒しで達成した。一方、反比例するかのように、市民生活への副作用が広がる。 ホテルばかり建設 町のコミュニティー崩壊 外国人マナーであつれき
京都中心部のまちなみは一変した。東京や海外の大手資本がホテル、簡易宿所を次々と建設。2016年に3万室だった宿泊施設は、19年には4万6千室まで増えた。土地やマンションの価格が高騰。住まいや企業のオフィス不足が顕著になった。昨年だけで、30代の子育て世代約1300人が、京都市から転出した 。
清水寺に近い東山区の住宅地では借家が相次いで宿泊施設に変わり、住民の一人は「世帯数が半減した町内もある。コミュニティー崩壊が止まらない」と嘆く。京都に愛着を持つ地場 企業も「市内では事業拡張ができない」と訴える。 観光客で市バスが満員で「乗れない」「キャリーケースの車内持ち込みが迷惑」など市民から苦情が相次ぐ。京都市は市バスの一部路線で乗車方式を変更するなど、市民生活との調和に躍起だ。 だが国は、訪日客数を東京五輪が開かれる2020年に4千万人、その10年後に6千万人にと、さらに増やす目標を掲げている。先日京都を訪れた菅義偉官房長官も「観光公害の対応は一義的には自治体の問題」とそっけない態度に終始した。 さらに来日観光客を倍に? 政党の公約は
参院選で各党の公約を見ても、「文化財の観光活用を拡大し、大人も子どもも楽しめる統合型リゾートを創る」などと観光客増をうたう内容が目立つ。これに対し、京都選挙区の候補は「観光公害が大きな問題になっている」と口をそろえる。その上で「京都市以外の京都府内に訪日客を誘導する」「宿泊施設の急増に歯止めをかける」などと独自の訴えを強めている。
祇園町南側の太田さんの願いは切実だ。「住民がきちんと暮らせてこそ、まちのたたずまいは保たれる。地域の事情に合わせた観光客数の規制など、政治が何とか知恵を絞ってほしい」 スペインやイタリアなど欧州ではすでに観光公害が政治問題になり、大きな規制をかける自治体も出ている。 日本では東京五輪に続き、大阪・関西万博が控え、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備も予定される。2030年に訪日客数が今の2倍となる6千万人に達した場合、京都市民が直面している観光公害の問題が各地に広がる可能性がある。国連も提唱する「持続可能な観光」へ。京都の取り組みが注目されそうだ。 【関連記事】
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日本の社会に深刻な影を落とす"暴走老人"の自動車事故。政府は高齢ドライバー向け免許制度の創設も検討し始めた。では、欧米の運転免許制度はどうなっているのか? 自動車ジャーナリストの竹花寿実(たけはな・としみ)氏に解説してもらった。
【表】高齢者に対する各国の運転免許制度の概要 ■14歳、17歳でクルマが運転できる欧米 ──高齢ドライバーによる悲惨な事故が続いています。 竹花 日本は急激に高齢化が進んでいますからね。高齢ドライバーの絶対数が増えれば、事故件数が増えるのも当然です。ただ、「高齢ドライバーは危険」と決めつけるのはどうかと。 ──というと? 竹花 確かに認知機能の低下などで運転に不適格なドライバーもいるでしょうが、高齢者には経験豊富なドライバーも多い。安全運転は肉体的な能力だけではなく、経験に裏打ちされた正しい判断ができるかどうかも重要なのです。 ──ただ、相次ぐ事故で「高齢者は運転免許証を返納せよ!」という風潮もあります。 竹花 自ら「俺の運転は危ないなぁ」と思った人が返納するのはいいと思います。ただ、社会が高齢者に対して「返納すべき!」と圧力をかけるのは問題です。高齢者にも移動の自由があり、クルマが足として欠かせない地域もあるからです。 最近も俳優の杉良太郎さん(74歳)や、教育評論家の尾木直樹さん(72歳)が返納したことが美談のように報じられましたが、返納はあくまでも個人の自由意思で行なわれるべきものです。 ──実際、どのくらいのドライバーが返納しているんですか? 竹花 昨年は約42万人で、2年連続で40万人を超えました。このうち75歳以上が返納者の7割近くを占めていますが、75歳以上の免許保有者全体の5%弱です。 ──高齢者の免許更新はどうなってるんですか? 竹花 70歳から74歳のドライバーは、高齢者講習受講のほかに、動体視力や夜間視力および視野の測定、ドライブレコーダー等で運転状況を記録しながら運転して指導員から助言を受けなければ更新ができません。 75歳以上になると、これに認知機能検査が加わります。ココで認知症と判断されると、免許の停止または取り消しとなります。信号無視や通行禁止違反など一定の違反行為があった75歳以上のドライバーは、その時点で臨時認知機能検査を受けることになっています。 ──欧米でも高齢者の免許制度って同じような感じ?
竹花 先進国の多くで高齢者ドライバーに医師の診断が義務づけられている点が日本と異なります。最も厳しいのはスイスで、70歳以上のドライバーは、交通医療専門医による検査が2年ごとに課せられ、医師の診断をもとに当局が免許を取り消すこともできる。また、初期の認知症のドライバーには、通常より短期の診断が義務づけられますね。 ──交通医療専門医なんているんですか。 竹花 スイスは特別です。ただ、ヨーロッパはほとんどの国で70歳以上または75歳以上のドライバーに、医師の診断が義務づけられていて、その結果により免許取り消し、または免許返納勧告などの措置が取られます。 ──それ以外に日本と制度的な違いは? 竹花 日本と大きく異なる点は「限定免許制度」があること。ドイツやスイス、アイルランド、アメリカ合衆国の一部の州、ニュージーランドなどは、医師の診断結果により、運転免許に時間・場所・速度などの制限をつけることができます。 ──具体的には? 竹花 例えば、「朝8時から夕方5時の間、自宅から5km以内を時速50キロ以下でのみ運転してもよい」という制限がつく。こうすれば、走り慣れた道をゆっくり走るだけなので、認知機能がやや衰えた高齢者ドライバーでも、事故の危険性を抑えることができます。同時に、高齢者の移動の自由も担保できる。 ──なるほど! 竹花 高齢になるほど病院に行く機会も増えるでしょうし、自力で外出できれば自宅に引きこもることもなく、健康面でもメリットがあります。何より「自由な移動は個人の基本的な権利」という欧米人の考え方にフィットしている。 ──そもそも海外の免許制度は日本とけっこう違う? 竹花 外国の免許制度は「ジュネーブ交通条約」(日本は1964年に批准)や、1968年に締結された「ウィーン交通条約」(日本は未批准)に基づいているので、日本と大枠は大きく変わりませんが、それぞれの国や地域に独自の制度はあります。特にヨーロッパやアメリカには、若者向けの一風変わった免許制度があるんです。 ──若者向け? 竹花 例えばドイツでは、通常は18歳から普通自動車免許が取得できますが、事前に申請した、免許取得から5年以上または30歳以上の免許保有者が同乗することを条件に、17歳から運転を許可する「ベグライテッテス・ファーレン(通称BF17)」という制度があります。 ──目的は何?
竹花 若いドライバーの交通事故低減です。日本もそうですが、ドイツでも最も事故率が高いのは運転免許取得から間もない若いドライバーです。そこで経験豊富なドライバーを同乗させることを条件に、運転免許を1年早く取得可能とすることで、早い段階で的確な判断の仕方や交通マナーを身につけさせようと、この制度を導入したワケです。 ──成果は? 竹花 効果てきめんです。ドイツではBF17の免許制度導入(2011年)以降、それ以前と比較して若年ドライバーの事故件数が30%減少し、交通違反も20%減少。ちなみに飲酒運転は50%も減少したそうです。 ──そんなに変わったんだ! 竹花 ちなみにこの制度を利用する場合は、自動車保険も安くなるなど経済的メリットも用意されています。あおり運転が社会問題化するなど、運転マナーが良いとは言えない日本も導入すべきかと。 ──同様の制度は他国にも? 竹花 あります。アメリカのモンタナ州やサウスダコタ州、ワイオミング州など一部の州では、運転免許を持つ保護者または21歳以上の家族、もしくは25歳以上で保護者から許可を受けた免許保有者の同乗を条件に、14歳または14歳6ヵ月から運転可能になります。 ──日本だと中2ですよ? 竹花 15歳になると、保護者の同乗義務はなくなり、ひとりで自宅と学校の往復のみ運転が許可され、16歳になれば晴れて正式な免許証が取得できるのです。 日本やヨーロッパ以上にクルマが移動に欠かせないアメリカならではの制度といえるでしょうが、ニッポンも時代に即した運転免許制度の見直しが必要かと私は思います。 ●竹花寿実(たけはな・としみ)1973年生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業。自動車雑誌や自動車情報サイトのスタッフを経てドイツへ渡る。昨年まで8年間、ドイツ語を駆使して、現地でモータージャーナリストとして活躍。輸入車のスペシャリスト 取材・文・撮影/竹花寿実
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日本の社会に深刻な影を落とす"暴走老人"の自動車事故。政府は高齢ドライバー向け免許制度の創設も検討し始めた。では、欧米の運転免許制度はどうなっているのか? 自動車ジャーナリストの竹花寿実(たけはな・としみ)氏に解説してもらった。
【表】高齢者に対する各国の運転免許制度の概要 ■14歳、17歳でクルマが運転できる欧米 ──高齢ドライバーによる悲惨な事故が続いています。 竹花 日本は急激に高齢化が進んでいますからね。高齢ドライバーの絶対数が増えれば、事故件数が増えるのも当然です。ただ、「高齢ドライバーは危険」と決めつけるのはどうかと。 ──というと? 竹花 確かに認知機能の低下などで運転に不適格なドライバーもいるでしょうが、高齢者には経験豊富なドライバーも多い。安全運転は肉体的な能力だけではなく、経験に裏打ちされた正しい判断ができるかどうかも重要なのです。 ──ただ、相次ぐ事故で「高齢者は運転免許証を返納せよ!」という風潮もあります。 竹花 自ら「俺の運転は危ないなぁ」と思った人が返納するのはいいと思います。ただ、社会が高齢者に対して「返納すべき!」と圧力をかけるのは問題です。高齢者にも移動の自由があり、クルマが足として欠かせない地域もあるからです。 最近も俳優の杉良太郎さん(74歳)や、教育評論家の尾木直樹さん(72歳)が返納したことが美談のように報じられましたが、返納はあくまでも個人の自由意思で行なわれるべきものです。 ──実際、どのくらいのドライバーが返納しているんですか? 竹花 昨年は約42万人で、2年連続で40万人を超えました。このうち75歳以上が返納者の7割近くを占めていますが、75歳以上の免許保有者全体の5%弱です。 ──高齢者の免許更新はどうなってるんですか? 竹花 70歳から74歳のドライバーは、高齢者講習受講のほかに、動体視力や夜間視力および視野の測定、ドライブレコーダー等で運転状況を記録しながら運転して指導員から助言を受けなければ更新ができません。 75歳以上になると、これに認知機能検査が加わります。ココで認知症と判断されると、免許の停止または取り消しとなります。信号無視や通行禁止違反など一定の違反行為があった75歳以上のドライバーは、その時点で臨時認知機能検査を受けることになっています。 ──欧米でも高齢者の免許制度って同じような感じ?
竹花 先進国の多くで高齢者ドライバーに医師の診断が義務づけられている点が日本と異なります。最も厳しいのはスイスで、70歳以上のドライバーは、交通医療専門医による検査が2年ごとに課せられ、医師の診断をもとに当局が免許を取り消すこともできる。また、初期の認知症のドライバーには、通常より短期の診断が義務づけられますね。 ──交通医療専門医なんているんですか。 竹花 スイスは特別です。ただ、ヨーロッパはほとんどの国で70歳以上または75歳以上のドライバーに、医師の診断が義務づけられていて、その結果により免許取り消し、または免許返納勧告などの措置が取られます。 ──それ以外に日本と制度的な違いは? 竹花 日本と大きく異なる点は「限定免許制度」があること。ドイツやスイス、アイルランド、アメリカ合衆国の一部の州、ニュージーランドなどは、医師の診断結果により、運転免許に時間・場所・速度などの制限をつけることができます。 ──具体的には? 竹花 例えば、「朝8時から夕方5時の間、自宅から5km以内を時速50キロ以下でのみ運転してもよい」という制限がつく。こうすれば、走り慣れた道をゆっくり走るだけなので、認知機能がやや衰えた高齢者ドライバーでも、事故の危険性を抑えることができます。同時に、高齢者の移動の自由も担保できる。 ──なるほど! 竹花 高齢になるほど病院に行く機会も増えるでしょうし、自力で外出できれば自宅に引きこもることもなく、健康面でもメリットがあります。何より「自由な移動は個人の基本的な権利」という欧米人の考え方にフィットしている。 ──そもそも海外の免許制度は日本とけっこう違う? 竹花 外国の免許制度は「ジュネーブ交通条約」(日本は1964年に批准)や、1968年に締結された「ウィーン交通条約」(日本は未批准)に基づいているので、日本と大枠は大きく変わりませんが、それぞれの国や地域に独自の制度はあります。特にヨーロッパやアメリカには、若者向けの一風変わった免許制度があるんです。 ──若者向け? 竹花 例えばドイツでは、通常は18歳から普通自動車免許が取得できますが、事前に申請した、免許取得から5年以上または30歳以上の免許保有者が同乗することを条件に、17歳から運転を許可する「ベグライテッテス・ファーレン(通称BF17)」という制度があります。 ──目的は何?
竹花 若いドライバーの交通事故低減です。日本もそうですが、ドイツでも最も事故率が高いのは運転免許取得から間もない若いドライバーです。そこで経験豊富なドライバーを同乗させることを条件に、運転免許を1年早く取得可能とすることで、早い段階で的確な判断の仕方や交通マナーを身につけさせようと、この制度を導入したワケです。 ──成果は? 竹花 効果てきめんです。ドイツではBF17の免許制度導入(2011年)以降、それ以前と比較して若年ドライバーの事故件数が30%減少し、交通違反も20%減少。ちなみに飲酒運転は50%も減少したそうです。 ──そんなに変わったんだ! 竹花 ちなみにこの制度を利用する場合は、自動車保険も安くなるなど経済的メリットも用意されています。あおり運転が社会問題化するなど、運転マナーが良いとは言えない日本も導入すべきかと。 ──同様の制度は他国にも? 竹花 あります。アメリカのモンタナ州やサウスダコタ州、ワイオミング州など一部の州では、運転免許を持つ保護者または21歳以上の家族、もしくは25歳以上で保護者から許可を受けた免許保有者の同乗を条件に、14歳または14歳6ヵ月から運転可能になります。 ──日本だと中2ですよ? 竹花 15歳になると、保護者の同乗義務はなくなり、ひとりで自宅と学校の往復のみ運転が許可され、16歳になれば晴れて正式な免許証が取得できるのです。 日本やヨーロッパ以上にクルマが移動に欠かせないアメリカならではの制度といえるでしょうが、ニッポンも時代に即した運転免許制度の見直しが必要かと私は思います。 ●竹花寿実(たけはな・としみ)1973年生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業。自動車雑誌や自動車情報サイトのスタッフを経てドイツへ渡る。昨年まで8年間、ドイツ語を駆使して、現地でモータージャーナリストとして活躍。輸入車のスペシャリスト 取材・文・撮影/竹花寿実
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