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不幸にして、長年に亘って影響を受け続けた負の生育環境、就中、否定的言語環境
が、自己に対して、如何に恐ろしい異形化を齎すかを知る人は案外少ないのだ。
私は犯罪や自殺、精神異常、その他、諸々の社会的逸脱行動が、両親をは
じめ、身の回りの人間から長期に渡って受け続けた否定的言語(否定語及び命令語)
によって、非常に大きく、而も深刻な影響が「自己」に齎された結果であると考え
て居ります。
ここで、聊か唐突ですが、「宮崎 勤」や「宅間 守」や「小林 薫」の如き、あ
の様な恐ろしい犯罪を行う「自己」とは、一体どんなものかと、広辞苑で「自己」
を引いて見ました。曰く、「自分自身のこと」と、実に簡単明瞭に書かれていまし
た。これでは、現代という恐ろしい時代にそぐわない説明だなぁと思いました。
そこでまた講談社の日本語大辞典で同じく「自己」を引いて見ました。
「個体としての統一体で、他と区別するわれ」と、ちょっぴりアカデミックで美味
しそうな解説で、ヨッシャと一瞬思ったのですが、矢張りぴったり来ませんね。
何れにせよ、これらは恐ろしい凶悪事件が多発する「今」にバッチリの解説では無
いなぁというのが私めの感想です。
事件が発生する度に、テレビに厳かにお出ましに成るられる精神医学の学者や犯罪
心理学の大家の机の上に必ず鎮座ましましているのが、「自分自身のこと」解説の
広辞苑です。そして、それらの大先生たちは事案発生の度に、事件の分析と犯人の
心理分析に関して、防犯の為の、有り難い「ご託宣」を垂れ給うのですが、事件は
次第に凶悪化し、更に若年化して行き、益々多発の傾向にあります。
難しい抽象的な分析の言辞の数々が防犯の役目を果たさないのは、ご存知の通りで
す。犯罪を犯すかも知れない人たちや、その家族の人たちが、理解し、その性格を
矯正できる、謂わば、咬んで含める様な優しい解説が必要でしょう。
そこで私は「自己」を生物学でいうところの「細胞」に準えて、単純明解
に簡略化し、模式図化して、自己核と自己核防衛層の二つの部分から成り立ってい
ると考えることにしました。
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