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赤髪鬼劉唐
智劫生辰綱 智もて生辰綱を劫(おびやか)す その知恵で生辰綱を奪い取った。
君首倡義挙 君首めに 義挙を倡(とな)う その義挙は、君が最初に提案したものだ。
借問赤髪公 借(しゃ)問す 赤髪公 お尋ねします、赤髪鬼さん。
何如藍面鬼 藍面鬼に何如(いかん)と あなたと青い霊鬼楊志とは、どちらが怖いですか。
生辰綱とは、誕生祝いの贈り物のことで、この場合は、梁中書が義父の蔡京へ贈る十万貫のそれを言います。劉唐は、これを途中で奪い取る事を晁蓋に持ちかけ、呉用の協力などがあって黄泥岡でしびれ酒を用いて青面獣楊志らから奪い取ります(第十三回ー十六回)。生辰綱は、高級官吏が人民の膏血を絞り取った末に用意された物ですから、これを奪って、また人民にお裾分けするのは義挙だ、という理屈です。
上の賛では、第三句に劉唐、第四句に楊志と二人のライバルを色彩対を用いて出し、どちらが武勇に勝るか、と問いかける所が面白いですね。
ついでに『水滸葉子』の賛を読みましょう。
民脂民膏 民の脂(あぶら) 民の膏 人民の油を絞って得た宝を、
我取如曹 我取ること 曹の如し 俺様は曹操のように奪ってやる。
太山一擲等鴻毛 太山 一擲すれば 鴻毛に等し 太山のように巨大な財宝も、ちょっと試みて
みれば、鴻の毛のように軽く物にできる。
これは、「義挙」に焦点を絞った賛です。
王望如本の賛は、第二句を「義もて爾(なんじ)が曹(ともがら)より取る」と変えています。「爾曹」は、腐敗官吏を指します。
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