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 十二月十四日、胼胝(たこ)が悪化し、熱も甚だしい。勇を鼓して進み、柳川城下に至り宿す。この日、七里ほど歩く。寒疾の犯す所となり、その困迫は表現できないほどだ。
 こうして、以後、十七日まで病んでいる。

  柳河の旅館にて病に臥す

千里倦遊寒書生  千里 遊びに倦(う)む 寒書生
旅館連日病臥床  旅館 連日 病みて床(とこ)に臥す
夢耶幻耶憂心悄  夢か 幻か 憂心悄(しょう)たり
思親思友又思郷  親を思い 友を思い 又た郷を思う
況復同宿総估客  況んや復た 同宿は 総べて估客(こきゃく)
鯨燈夜久乗除忙  鯨(げい)燈(とう) 夜久くして 乗除(じょうじょ)忙しきをや
去国荏再忽五月  国を去りて 荏苒(じんぜん) 忽ち五月(ごげつ)
心事蹉跎何所成  心事 蹉跎(さた)し 何をか成す所ぞ
作詩無人為評隲  詩を作るも 人の評隲(ひょうしつ)を為すものなし
浩歎誰慰此時情  浩(こう)歎(たん)す 誰(たれ)か此の時の情を慰むるものぞ

遥か遠い異郷への旅に疲れた、この貧書生は、
宿屋で連日、病床に臥せっている。
夢なのか、幻影を見ているのか、という状態で、いよいよ憂いが生じ、
親を思い、友を思い、さらに故郷が偲ばれる。
況やまして同宿人はすべて商人で、
鯨油の灯火のもとで夜遅くまで勘定に追われているのだから。
故郷を出てから時がたち、もう五か月過ぎたが、
想定していた事にはつまづいて、何を成就しただろうか。
詩を作っても、批評をしてくれる人がいる訳で無く、
嘆息しているばかりで、誰がこのような時の寂しさを慰めてくれようか。

 大分疲れ、弱気になった体が窺われる詩である。第五、六句は、同宿同室の商人の様子、年末が近づいて決算に追われている様を写実的に描写したものであろう。

 十二月二十日、柳川を出発。足痛ゆえ、駕籠を雇いて乗る。

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