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  また、両親に向けて次の七絶を呈した。
   
帰家呈二慈      家に帰り二慈に呈す 
    
奮然担笈作西遊  奮然として 笈(おい)を担(にな)いて西遊(さいゆう)を作(な)す
心事蹉跎日月流  心事 蹉跎(さた)し 日月流(なが)る
不獨膝前虧定省  独り膝前(しつぜん)に定省(ていせい)を虧(か)くのみならず
却令父母疾之憂  却つて父母をして疾(やまい)を之(こ)れ憂(うれ)えしむ

〇韻字 遊・流・憂(下平声十一尤)

〇定省 朝夕父母のご機嫌を伺い、孝養を尽くすこと。『論語』里(り)仁(じん)に「父母在(いま)せば、遠く遊ばず」という。〇父母 『論語』為政に「父母は唯だ其の疾を之れ憂えしめよ」という(古注)。前詩「病中」に見る通り、十月に平戸で十日間ほど病んだことなどを踏まえて言う。

志を奮い起して旅つづらを負い、九州に旅行した。
事は思ったようには行かず、空しく時が過ぎた。
単にお側で孝養を尽くすことを欠いたばかりでなく、
逆に両親に私の病を心配させることになった。

 松陰の心優しさ、特に両親へのそれが現れている詩である。

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