ぶなちろくんの昆虫エッセイ

昆虫観察の視点で書いたショートエッセイです。皆さん読んで下さいね。

飼育昆虫たちの冬

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冬本番、
長生きしていた飼育昆虫も次々にその一生を終える。
これは先週×になった成虫♂。
ナミハンミョウの越冬飼育は、
乾燥が強く低温で寒いこの時期が一番難しい。

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玄関内のケースには現在、
ナミハンミョウの♂1頭のみが越冬生活をしている。
冬眠中は何も食さない。
ナミハンミョウの成虫は暖かい春5月前後に
「今年も春本番が来たよ」
と教えてくれる。
それまで生き続けて欲しいな。

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これは昨年の夏に近隣で採取したミヤマクワガタ♂。
昨年の夏は長雨にたたられたこともあり、
自分のフィールドで3頭しか採れなかった。
しかし、
そのうちの1頭は今も元気に生きている。
今年も長寿記録に挑戦している。

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寒さで硬直した脚を伸ばしながらも大顎を開いてしっかり反応する。
ゼリーも寒いと固くなりやすいので交換している。

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王冠にたくさんの黄金色の毛が生えている。
今年は70㎜超♂に出逢いたいなぁ・・。



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土の中で冬眠真っ最中のヒメオオクワガタ♂を取り出してみた。
ドルクス系のクワガタムシは比較的寒さにも強く長生きだ

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アカアシクワガタ♂は、
ヒメオオクワガタ♂のように土の中に潜らず今もゼリーを食している。
集団で木下に隠れるが土の中に潜って越冬しない。




こちらはシロテンハナムグリ。
身体を硬直しながらもまだ生きていた。


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ケースにはスジクワガタやコクワガタも数頭越冬している。





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昨年の11月に
水生昆虫のタイコウチを10頭ほど初めて購入した。

水生昆虫を飼育するのは約50年ぶりかもしれない。

高校生の息子も
「初めて見た」
という。
自分が子どもの頃は、
(ミズカマキリ・ゲンゴロウ・タガメなども)
田んぼの近くの小川にたくさんいたのに・・・。

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水の中から取り出すと、
まるで枯れ葉のように擬態する。



今の時期は、
(ミミズを入れても)
陸の昆虫と同様に捕食しないで、
水中にじっとしていることが多い。


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春になれば
オオカマキリの卵から1齢幼虫も孵化するだろう。

今から春が待ち遠しいな。


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平成30年1月14日(日) どんと祭の日





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※これは、昨年の10月に『インセクトマップオブ 宮城』NO.47に投稿するために書いたエッセイです。書いている内に締め切りを過ぎてしまい投稿できませんでした。お蔵入りにしようかとも思いましたが、3ヶ月経過した現在、あえてここに掲載することにしました。(画像は後付けです。文章の字数や書き方も紙媒体を意識しています。)

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 今季のクワガタ採集も、仲秋のヒメオオクワガタで終了した。このクワガタは高山性のクワガタとして昆虫図鑑にも掲載されているが、自分が若い頃には情報がほとんどなかったような気がする。ヒメオオクワガタの初採集は今から約8年ほど前。私も息子も高山での採集そのものが初めてだったので、すっかり魅せられてしまった。時の流れは水の流れの如くはやい。今回は、息子と共有したヒメオオクワガタ採集2年目の思い出をファンタジー風に表現してみた。

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「ぼくもヒメオオクワガタの自己採集を達成したいなぁ」 

息子(当時小学3年生)この日が来るのをとても楽しみにしていた。早朝私たちは冷涼な空気を感じながら高山の中腹に向かった。樹木は葉色を秋色に変化させ、夏とは違う表情を見せていた。駐車場に車を停車してルッキングをしながら歩き続けると、身体全体が自然の中に溶けていく不思議な気持ちになっていく。目を閉じ耳をそっと澄ませていると、まるで風の精が私たちに囁きかけてくるような感覚に襲われた。


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お前たち親子に素晴らしい体験をさせてあげよう


目をゆっくり開けてみると、物干し竿の様な補虫網と透明色のプラケースが置いてあった。

「これは高山性クワガタ採集用のタモ網とケンカ防止用の仕切りがついた採集ケースだ。採集を楽しむためには形からという言葉?があるが、風の精が置いてくれたのだろうか?」

不思議に思っていると、今度は崖下を流れる川のせせらぎが奥へ奥へと私たちを誘導する。
突然遠くの方から響く力強い声が聞こえてきた。




産めよ  増えよ  地に満ちよ




甘い香りとエナジーが森全体に充満し、優しい感覚に包まれた。


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【こんにちは。ぼくたちはヤナギだよ。
ぼくたちの仲間は国内でも30種類以上あるんだぜ。高山の中腹に生える僕たちは、低地の仲間とは表情が異なる感じがするだろうね。君たちが来るのを今か今かと待っていたよ】


【よくここまで来ましたね。わたしはダケカンバといいます。
こちらはケヤマハンノキさんです。ミズナラさんや甘い香りが漂うカツラさんも挨拶に来ましたよ】


次々と自己紹介をしてくれる樹木たち。高山性ヤナギやダケカンバは標高が高い場所に生息するクワガタが好む樹木でもある。そしてついに大木のブナも語りだした。


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【よく来たな。お前たちが来るのを待っていたぞ。
今日は天気も快晴じゃ。みんなでお前たちを歓迎するわい。今日はしっかり楽しんで行きなさい】



威厳のあるブナの長老が私たちに優しく語り終わると同時に、太い右枝で天空に伸びるヤナギの枝を示した。




【よーく見てごらん。ヤナギたちの枝に付いているものが何かわかるかな?】


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眼を凝らして見るが眩しくてよくわからない。両手でひさしを作りながら下から舐めまわすように見ていくと、黒曜石のような黒い塊がポツポツと付いていた。


「お父さん、あれは探し求めているヒメオオクワガタだよ!




息子は決心した表情をするとスッと立ち上がり、風の精が用意してくれた補虫網のグリップをを両手で握った。思った以上に重くバランスがとれない。それでも、ヒメオオの背中に焦点を合わせ、少しずつゆっくりと網を持ち上げていく。アナログ式の補虫網は長さが約78m。状況に応じて長さを変えることもできる。握力が弱まり腕も痺れて左肩に痛みが走る。汗が眼に入り苦痛に歪む息子の顔。プラケースを手に持ちながら私は苦しそうな息子に手を貸そうとした。その時である。自ら樹皮を囓り樹液を舐めていたヒメオオクワガタがスカイダイビングでもするかのように自ら落下したではないか。落ちたクワガタはあっという間に枯れ葉の中に潜り込み見えなくなった。忍者の如く身の危険を感じあっという間に隠れてしまうのだ。




「思っている以上にこのクワガタの採集は難しいな・・・」


そんなことを感じながらヤナギを眺めていると、補虫網もプラケースもすでに視界から消えてしまい、代わり微笑んでいる謎の老人が傍らに立ってこちらを見ていた。老人は私たちに向かってゆっくりと語り出した。


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【なかなか難しいようじゃのう。
昆虫採集とて狩猟と同じ。欲に駆られるから失敗する。生命宿る生き物を採取することは、太古より神々の許しが必要なのじゃからな。生命は姿形が異なっていても全て繋がっているのじゃ。クワガタもお前たち人間もみんな生きている同じ生命なのじゃ。むやみに生命を軽んずる行為を続けることは、自らが滅亡の道を歩み続けることと同じじゃからな。そのことを肝に銘じ採集に楽しみなさい。ハッハッハッハ】




老人は語り終えると大声で笑いながら消えてしまった。
 

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気がついたその場所は車を停車していた食堂だった。




「おかしい。さっきまで俺も息子も高山の中腹にいたはずなのに。先ほどまでの出来事は夢だったのだろうか?」



お腹がすいていたのに気がつき、カレーうどんの大盛りを注文し分け合いながら食べた。空腹が満たされると落ち着きを取り戻し、停車していた自家用車の中に戻った瞬間、私たちを乗せた車は突然エンジンがかかり山頂の方角へ走り出した。




「どうしたことだ。何者かが車を誘導しているようだ」


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どのくらい走行したのだろうか。車が止まった場所は、夢?に出てきた高山の中腹と同じ場所だった。


「どうしてここに???」


息子と顔を合わせながらも恐る恐る外に出てみた。既に空は暗くなりかけ夕方になろうとしていた。意味がわからないまま近くに生えているヤナギを見てみる。
                        

「お父さん、ヒメオオ発見!」


突然息子が声を出す。何もいなかったはずの息子の目線の細枝にヒメ♂が1頭歩いていたのだ。息子は自分で発見したクワガタをデジカメで撮影し、慎重に両手で採取した。自分で発見し自分の力で採取したことがとても嬉しかったらしく、息子は目標を達成しまたひとつ成長した感じがした。


「息子よ、目標達成おめでとう」




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先程までの不安と恐れはいつの間にか消えてしまった。大きなブナの老木を眺めると、ふたたび夢?に現れた老人がこちらを見て笑いながら語りだした。




【フフフ、どうじゃな。二人とも楽しい採集だったかのぅ。
お前の女房も心配しているようじゃからそろそろ解放してやろうかのぅ。そうそう、忘れるところじゃったわい。最後にそこの太い樹木を心を込めて揺らしてみなさい。では気をつけてのぅ】




「待ってください! 御老人よ、あなたは一体誰ですか!」



【わしの名を聞いてどうする。
大地の精霊はわしのことを‘自然の意志’と称しているようじゃがのぅ。わしに名前はないのじゃ。全ての生命は愛し愛され合うことを望むのじゃ。愛されることのみを求めれば、よけいに愛から遠ざかる。自らの意思で愛の大切さに気づき、生命そのものを包み込むように愛する感覚をもっと楽しみなされ。暗い地上を季節の木漏れ日が包み込むように、形のあるこの世界においても包み込む優しさが不可欠なのじゃ。もっと深く強く、自ら全ての生命を慈しみなさい。今までとは違う光景が心の中に見えて来るであろう。
またいつか逢えることもあるじゃろうかのぅ。 
フフフハハッハ・・・・・ 】
 

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呼びかけに答えるかのように自然の意思は静かに振り返り、そしてゆっくりと消えていった。老人の言葉に従い、示された樹木を打ち出の小槌を振るように心を込めて揺らしてみた。木の真下に黒い固まりが1つ音をたてながら落ちてきた。それは漆黒のアカアシクワガタ♂だった。

「大きい!お父さん、ノギスで測ったら52㎜はあるよ」

「これは‘自然の意志’のプレゼントだ。ありがとうございます

去りゆく山々に頭を垂れ深い感謝を込めて祈った。
 


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 「昆虫採集」という狩りを通して少年は成長し青年になった。年月が経ち曇り空に雪虫が舞っていた。まもなく高山の頂に雪が降る。玄関先で飼育している数頭のクワガタたちも動きが鈍くなった。冬将軍がすぐそこまで来ているのだ。「光陰矢の如し」という言葉がある。まだ幼かった息子と一緒に始めた本格的な樹液採集だが、息子も既に高校生。昆虫も卒業し、勉学や運動・部活に励んでいる。
息子と採集を楽しんだあの時間は、過ぎ去りし時間の中で思い出となり心の中で生き続けていく。これからも・・。
 

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2018年1月3日(水) 謹賀新春
今年も宜しくお願いします


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採集の終わり


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気温23度、秋晴れの日曜日、
みんなの夢を乗せて熱気球が飛び立つ。


上へ上へと昇っていく夢の熱気球。
今季3度目の天空のクワガタ観察を空中から見守ってくれ。


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ブナを見ると心躍る。
ブナは樹木の母なのだ。

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「またここに来たな、ぶなちろくん」

笑いながらブナが語りかけてくるように見えた。

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台風の日を挟んで2週間ぶりのフィールド。

9月も下旬になると、
ヤナギの葉色も黄緑から黄色に変化し、
水分が少なくなってきた。
本格的な紅葉が近づいているのだろう。

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2週間前に聞こえた
蟬の声は鳴りをひそめ、
虫の気配もなく、
冷涼な空気が漂う。





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藪こぎを始めてもなかなかヒメオオクワガタが見つからない。
何だか嫌なムードを感じた。

苔石の上に落ちた小型の♂を発見。
喜びながら素手で掴んだ瞬間、
びっくりして硬直した♂が思いっきり人差し指を挟む。

「いでーっ !!」

同じ高山種のアカアシクワガタのような鋭利な痛みとは異なり、
(大顎が内側に湾曲しているため)
金属のペンチで押しつぶされるような痛みが続く。
なかなか離そうとしなかったため、
痛みが3日以上過ぎてもまだ残った。
 これまで
コクワガタ・ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ・アカアシクワガタ等の
大顎に挟まれたが、
ここまで痛みが長引くクワガタは初めてだ。
優しそうな顔をしているが自らヤナギの樹皮を削る力は伊達ではない。







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アカアシばかりが画像に写る。

「もう今回でヒメオオは終了なのかもしれない・・・」

(ここは県内有名産地なので、
2週間の間にたくさん採集されてしまったことも考えられる)



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「これもアカアシの♀だ」

この場所のアカアシクワガタは眼中にないので全てリリース。

「ヒメオオクワガタはもう終わってしまったのだろうか・・」

藪こぎ中に足を滑らせ、
転倒して手首と膝を岩にぶつけてしまった。

嫌な気分を変えるため
妻のいる自動車まで戻った時である。
親子連れのお父さんに声をかけられた。

『ヒメオオクワガタ、採れましたか??』

聞くと産地一帯のルッキングに来たらしい。
一昨年この場所でも採集したらしく、
藪こぎを終えたばかりの自分に声をかけてきた。

「アカアシはいますが、
藪こぎしないとヒメオオは採れませんね。
もう終わりかもしれません・・・・」
と教えた。

てっきり一緒になってみんなで藪こぎをするのかと思ったら、
気を利かしたのだろうか。

『ありがとうございます』

と答えて他の場所へ移動して行った。

「いろいろな場所を知っている人は羨ましいなぁ・・」



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崖藪以外の場所で初めて小型の♂1頭発見。

休憩が終わり、
妻に
「時間をかけて藪こぎするから」
と伝え、
第2ラウンドが始まった。

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「ヤナギに付くヒメオオが見つからない。
2週間前はすぐに発見できたのに、
やはりもう終わりに来てしまったのだろうか。
一枚ぐらいかっこいい画像が撮りたかったなぁ・・」




諦めかけたその時だった。


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逆光になっていた部分にヒメオオ♂発見。
「慎重に」「慎重に」
網を寄せてようやく採取に成功。

するとその隣のヤナギにもヒメオオ♂を発見し、
立て続けに採取に成功した。

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その後は全く続かなかったため、
3度目のフィールド観察・採集はこれで終了にした。

帰り道に恒例のアカアシクワガタの発生木を確認するが、
ここも終わりを迎えたようで
落ちてきたのは1頭の小型♂のみ。
せっかくだからその1頭を持ち帰ることにした。



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ご覧の通り全て♂。
(画像右下がアカアシ♂)


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今季のヒメオオクワガタ採集も、
どうやら終わりに近づいた。

それと共に今季のフィールド観察・採集も終了が見えてきた。

冬になったら何に力を入れたらよいだろうか・・

平成29年9月25日(日) 宮城県




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※ ヒメオオクワガタを
7年前からフィールド観察して分かってきたことがある。

今回はフィールドに♀が全くいなかった。
これは、
今季の交尾を既に終えて土の中に潜ったままエネルギーを蓄えているのか、
発生木となる周辺のブナの立ち枯れに産卵のために、
少しずつ移動してしまったからなのかもしれない。

ヒメオオクワガタの誕生地はブナの立ち枯れである。
卵から三齢幼虫に育ち、
立派な成虫になったヒメオオクワガタは、
夕方〜夜中の内にホストとなる近くのヤナギ等まで、
飛行したり道を歩いたりしながら移動する。
樹液酒場となる高山のヤナギ等で出逢った♂♀同士は
惹かれあいながら交尾をする。

しばらくして交尾を終えた♀は、
自分が産まれたブナの立ち枯れに
産卵のため移動する。
(これまでブナの樹木で♂を採取したことが1度もなかった)

交尾した全ての♀が産卵するわけではないだろう。
特にこのクワガタは1頭における産卵数も少ないようだ。

栄養が不足していたり産卵器官が未熟の場合は
そのままヤナギ等で♂と共に
残りの一生を終える。

幸いにして長生きした♂は、
次の年にやってきた♀と出逢い新たに交尾する。


(おそらくこれがヒメオオオの全体的な生活史でしょう。
ヒメオオオの生活史について調査し、
詳しい方がいましたら、
ぜひご教授していただきたいと思います)


生活史を学ぶためにはフィールド観察がとても大切である。
昆虫の生活史を考察する中で面白い「発見」に気づくこともよくある。
「ヒメオオクワガタの生活史」はナミハンミョウ同様に、
これからの自分においても魅力的なテーマになって行くだろう。

















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新たな謎


台風が通過した後の火曜日は
天気もよく夏のような暑さ(27度)になった。
午後にナミハンミョウのフィールドを確認する。

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天候がよくても
太陽が当たらない場所は午後になると
湿度が高いまま薄暗くなって行く。


土が泥化していて、
歩く自分の身体も重く感じる。

それでもまだミンミンゼミの鳴き声が聞こえていた。



台風の爪痕が所々に残っていて、
いつもより水かさが増え流れも速い。


ハンミョウの生活場所も裸地面積が小さくなり、
まるで藪状態になっていた。


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どうにかナミハンミョウ♂を確認できた。
8月末と違い(台風通過2日後のため)湿度が高いせいか、
飛び方が低く、
動き全体も遅い。
飛びながら枝にぶつかってしまうハンミョウもいた。

いつもの動きと違うため目が慣れず、
逆に見つけるのに時間がかかった。




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前回以上に植物が生え茂り、
雨水をたくさん含んだ裸地に、
よたよたと歩く♂を発見。
左の指でそっと捕まえてみると左右の触角がなかった。

「♂同士ケンカして切られたのだろうか?
無理矢理交尾しようとして♀に切られたのだろうか?」




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そっと指の力を抜くと、左手から飛び去った。


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細く長い脚を使って身体の甲を拭いているハンミョウ♂。
基節が丸く、
身体にはまり込んでいる回転軸が小さいためこんなことができるのだ。

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「斑猫」と書いてハンミョウと読む。
上の画像は動物の猫。
斑猫はネコのような甲虫だ。


2時間ほどの目視観察で8頭強の成虫を確認。
(♂2頭を飼育のため採取)

その都度カメラで確認すると全てが♂だった。
今回♀の確認は0である。
8月末は♀も活動を確認できたのに、
9月後半に入ると♀の活動が極端に減少するのは何故だろう。
(過去2年の調査結果を見ても、
何故かこの時期♀は確認数が極端に少ない)


♀はこの時期どこで何をしているのだろうか。
たくさんの食べ物にありつけた一部の♀は、
秋に交尾して卵を産むらしい。
しかしほとんどの♀の産卵活動は5〜6月だ。
もしかしたら♀は♂よりも多くのエネルギーが必要なため、
(冬に向けて)
外での活動を控え、
移動せずにじっとしているのではないだろうか???」


自然界において
昆虫の♂♀の比率は1:1とバランスがとれているはず。
フィールド内の♀が今年極端に少ないわけではない。
体力温存のため岩や石の下・枯れ木・穴等に隠れ、
早々と越冬の準備をしているのかもしれない。


新たな謎がまた1つ増えた。

謎について考えながら静かにその場を引き上げた。


平成29年9月19日(火) 午後   (晴天)

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美しきヒメオオ


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         夜中、
     神秘的な月の輝きを眺めながら・・・。
     好天に恵まれた(9日土曜日晴天 最高気温27度)
     「ヒメオオクワガタ観察・採集今季2回目」
     を振り返る。

         


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   高山の中腹に生え茂る偉大なるブナの木。
  その周辺を歩いてみた。
  天候に恵まれたためか、
  伸縮し取り外せる捕虫網を片手に
  他県ナンバー車のクワ馬鹿さんたちがルッキングしていた。
  私もダイソーの「むしとりあみ」を手にしながら天空のクワガタを求め歩く。
  しかしそう簡単には見つからない。
  時間があっという間に経過する。
  車の中で待機している妻の下に戻り移動する。
 





  「結局またここにきてしまったか・・・」
  携帯の時計は昼の12時半を過ぎていた。



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  藪の下は苔の生えた硬い岩石の欠片がゴロゴロしている。
  画像だけを見るとたいしたことのないように感じるが、
  実際はとても危険な急斜面の狭い場所を藪こぎする。
 
  これから4時間ほど先週に引き続きこの場所での撮影と採集に挑戦した。


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  ヒメオオクワガタは「天空のクワガタ」という名称を持つ。
 
  自然に調和している姿とその美しさの前には言葉なんかいらない。
  撮影と採集その全てにおいて、
  自分が最高に大好きなクワガタなのだ。



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   先週より自分の目が慣れてきたせいか見つけやすく感じた。
  久しぶりにつがいの画像を写すのに成功。
  採集には失敗したけれど・・。

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   画像を確認する余裕もない。
  ここに3頭が鈴なりにいたことも撮影後に気がついた。
  もちろん全部落としてしまったが・・・。

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今までこのダイソー150円「むしとりあみ」で採集していたが、
天候がよいからなのか高いところに登っているため網が届かない。
届いたとしても藪の中に落としてばかりである。
       それでもこの網が好きなので知恵を働かせて採集していくつもりだ。


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  低い位置に単独で付いていた♀。
  珍しくも手づかみで採集。
  「子孫繁栄のため♀は大きい個体のみ持ち帰ろう・・」

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   見た感じ小さいのでアカアシクワガタかなと思って捕まえてみたら、
  小型のヒメオオクワガタ♂だった。

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♀を優しくいたわっているように見える♂。
ヒメオオクワガタはとても夫婦仲がよいクワガタだ。
ほほえましいこのカップルは採取せず、
撮るだけにした。



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  これはアカアシクワガタ♂。
  同じ高山種のクワガタ同士無駄な争いをしないように、
  フィールド内でもきちんと「棲み分け」をしていたのだ。
  人間はこの事実を直視しなければならないと強く思う。
  弱肉強食の社会ダーウィニズム思想は、
  帝国主義を正当化する基礎となった悪魔の思想の1つであり、
  自然界における多様性の法則には当てはまらないのである。


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  我ながら上手く撮れた1枚。しかしこれも落として採集には失敗した。

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  上の画像を別な位置から撮ってみた。
  角度によって表情が変わり全体の絵も変化する。
  難しいことはよく分からずデジカメ任せだが、
  昆虫の撮影は難しい反面深みがあり面白い。

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   終了時間ぎりぎりで見つけた♂。
  こちらの気配に気がついていたのだろう。
  採取しようと網を伸ばした瞬間ジャンプして藪の中に・・・。



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                  最終的には♂3・♀1採集に成功。
       (左附節が欠けていたが)数年ぶりに50㎜の♂も採集。




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  「今年の中秋の名月は10月4日か。
  時があのまま止まってほしかった。
  いつまでも天空のクワガタたちと戯れたかったな・・・」

 
  自分にとって最高の贅沢な土曜日が終わろうとしている今、
  輝く月を眺めながら飼育ケースのヒメオオクワガタたちに餌をやる。

  「今晩もフィールドの夢が見れますように・・・・」
  微笑み輝く月に向かってつぶやいてみた。
  祭りの後の寂しさのように・・。

                                      平成29年9月10日(日)記す


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