面白さのあまり、一気に読みきりました。
それにしてもこの作者は一体何者だろうと思うほど、信長関連の知識が豊富な方でした。
この小説の主人公「太田和泉守(牛一)」は、本能寺で討たれた主君信長の右筆であり、信長亡きあと伝記を残そうと史料を集めていたところ、信長の後をおそって権力の座についた秀吉の意向を受けて
「信長記」を書くことになったという筋書き。秀吉の圧力でやむなく信長の残虐さを強調し秀吉の働きを持ち上げる記述を盛り込めと強要され苦悩します。そしてこの主人公の願いは「本能寺の変」後発見されずに終わった信長の亡骸を見つけだすこと・・。さて、夫人公はその願いを達成出来たのでしょうか。興味のある方、信長フリークの方々は是非、ご自分でご一読下さい。とにかく面白すぎます!
あとがきで作者は次のように述べています。
『「本能寺の変」後、織田信長の遺骸は忽然とこの世から消えた。明智光秀の娘婿・明智左馬助が寺の焼け跡に残って、数日くまなく探したがどこからも出てこなかった。そのため、一部には「信長生存説」「爆破粉砕説」などの憶測が生じたが、いずれも異端の域を出ないまま、今日に至っている。』
ちなみに作者加藤廣氏のプロフィールもご紹介しておきますね。
1930年生まれ。新宿高校から東京大学法学部に学ぶ。中小企業金融公庫京都支店長、調査部長を歴任。
山一証券に転じ、同経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師など。東洋経済新聞社、プレジデント社、日本工業新聞などから多数の経済、経営書を刊行し、広く講演活動も行う。十数社にのぼる中堅企業、ベンチャー企業の経営指導で高い評価を受ける。本作品は、作家転向の第一作。
|