神宮球場を湧かせた東京6大学野球秋季リーグ戦も終わり、ラグビーの「早慶戦」は11月23日とまだ時間がある。「スポーツの秋」の谷間は「読書の秋」にしようということで、いわゆる「信長関連本」を買いそろえて読み始めました。
その第一弾で工藤健策著「信長は本当に天才だったのか」(草思社刊)を読みました。
実は、ご覧の腰巻の「これまでの常識をくつがえす、画期的信長論!」「桶狭間神話はなぜつくられたのか。本願寺攻めでは戦下手。なぜ光秀の野心を見抜けなかったのか」というキャッチ・コピーとリード・コピーに惹かれたからです。
しかし、多分いわゆる「雑文書き」の著者の手になるこの本は、予断と偏見に満ちて、主に「信長の戦争」におけるミスのあれこれを、注釈なしでこれまで書かれた多くの「信長本」から勝手にに孫引きして、持論?である「信長は天才ではなかった」という結論に強引に結びつけてゆくという手法の「売らんがための駄本」でした。
織田信長の戦争論としては、藤本正行氏の手になる「信長の戦争」ー『信長公記』に見る戦国軍事学ーという名著があり、工藤はほとんどのネタをこの「信長の戦争」からパクって持論?を展開しながら、さすがに気が引けたのか、巻末の「参考文献」のリストには載せていない悪辣さ。とにかく、読んだ後に「タイトルに惹かれてこの駄本を購入し通読した」自分の愚かさを反省させられました・・・。
基本的に「信長」と名のつく本は、一冊残らず読むというスタンスで「信長本」を読みあさってきましたが、類まれな駄本に当たってしまい「書苦中毒」になっています。
織田信長に関して、は小島道裕氏の「信長とは何か」と、前掲の藤本正行氏の「信長の戦争」ー『信長公記』に見る戦国軍事学ーとをお勧めいたします。この二冊を読むと信長に関して一般的に信じられているイメージが変わり、後に作られたい「イメージとしての信長」でない歴史的な存在としての「信長の姿」が少し見えてきます。
秋の夜長に、いわゆる信長ファンにおすすめしたい「信長本」です。
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