行きつけの飲み屋がつぶれたり、三茶の代名詞だったディスカウント・ショップが倒産したり、パチンコ屋が廃業したり、不況の影響なのか近頃の三軒茶屋の街は少し元気がない。
街を歩いてみても飲食店の代替わりが激しい。先日も茶沢通りを散歩したらメキシカンフードのお店がいつの間にか餃子やさんに変わっていた。また古い商店街の栄通りも短い間にお店が出来ては変わり、出来ては変わりで落ち着かない。あの「時計仕掛けのオレンジ」も、どうやらまた店名が変ってしまったようだ。
そんな写り変わりの激しい三軒茶屋で今、唯一元気なのが「ホルモン屋」さんだ。
国道246(玉川通り)を挟んで栄通りに2軒、通りむこうの通称「鉄の三角地帯」に3軒、新しいホルモン屋さんが開店して、なかなか元気なように見える。
写真の関根精肉店は焼き肉屋さんだったのだが、近頃乗り遅れまいとホルモン屋さんに商品をシフトしているようだ。元は我が家御用達のクリーニング屋さんの跡に出来たお店で、ご覧の派手な外観で人目を引いている。(三茶の街からなじみだった古いお店が消えていって淋しい気がする。)
その昔はホルモン屋さんというと肉体労働系のおじさん達が煙もうもうの店内で安い焼酎をすすりながら、なにやら分からない系のかみ切れない豚のパーツをぐにゅぐにゅと食べる場所だったのだが、今は若い女性客に人気があるらしい。
おじさんとしては「ホルモン」と聞くとお金のなかった学生時代、デモの帰りにどうしてもお酒が飲みたいとなると百円玉を数個握りしめて意を決して緊急避難的にホルモン屋に行き、ランニングシャツ姿の日焼けした常連の肉体労働系のおじさん達の「学生がこんなところにくるんじゃねぇ」的視線に肩をすくませながら、安いゴムのようなホルモンと強烈に胸が熱くなって噎せそうなタカラ焼酎をすすったほろ苦い記憶が蘇るので、今はホルモン屋さんののれんをくぐることはない。
しかも、なけなしのお金で数杯の焼酎を飲んでも酔うことが出来なくて、仲間と一緒に仙台のメインストリートの青葉通りを仙台駅に向けて全力疾走して、駅前で倒れたことがあるので、やはり今でもホルモン屋さんでお酒を飲む気には到底なれないのである。これは一種の青春トラウマなのだろうか?
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