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小姓とzen
本音は礼儀・・お世辞は判断を誤る

書庫俳句とは何ぞや・・?

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伊藤通明
『はづかしき男と女うめもどき』
<二人のことは甘し酸ぱし>_小姓
 
細見綾子・二句
『そら豆はまことに青き味したり』
<恋多かりし昔日ありぬ>小姓
『つばめヾ泥が好きなる燕かな』
<肥よくの畑を男耕す>小姓
七・七を付けるのは、私は、あなたの句をこのように解釈しました。
と、言うことだそうです。
 
 
 ―――――・―――――

自信作は失敗しやすい

 

平成16年2月⊡角川俳句
合評鼎談より‣⑥
小林貴子(岳)木琴の音
池田_言いたいことが沢山あるというような、これが若さかなと思いますが。
最後のほうは吟行句でしょうか、御神楽をみて作った句が八句並んでいます。
榎本_最初のは自信作でしょうが、自信作のところが案外、失敗してやしないかな。
池田_そういうものですよね、俳句って。
自信作は失敗しやすい。
榎本_最初が、「空気より軽く蜘蛛の子孵りけり」でしょう。
<空気より軽く>がそうだろう。
池田_ふわふわしているんでしょ。
榎本_次の、「巻葉浮葉は睡蓮の青春期」の<青春期>もそうだし、
「朝鈴やはばたくやうに伸ぶる草」の<はばたくように>もそうだと思う。
ここらがちょっと、自信作が失敗してやしないか。
池田_そうですね。
榎本_むしろその先の、「風祭贄の如くに香炷けり」この句は面白いと思う。
宗田_<贄の如くに>の譬えが面白かった。
榎本_贄は神に捧げる早稲のものですから。
池田_<贄の如くに>と言って、いろいろのものが使われるかもしれないけど、「香」が<贄の如くに>は珍しい。
次の句も気持ちがいいんじゃないですか。
「秋爽や水楢子を集むる木」
一般的に「は」は嫌われますが。
榎本_俳人はみなそうじゃないですか。
主格の助詞の「は」は嫌う。
池田_だけど、すべて例外というものがあって、この、<水楢>の場合は「は」でないとダメだと思う。
水楢に子供が集まったと言っても、この人の言いたいことは言えないような。
 
榎本_「旱池峰の矢羽々の姓や冬に入る」
<矢羽々「やはば」>は固有名詞に違いないんだがけれど、この活字がこの句に中で一人歩きした面白さがある。
妙な面白さを持っている。
これ、作者が意図したものではないと思うけれど。
矢と羽が面白く働いている。
池田_そうですね。
榎本_あとは岳神楽を詠んだもの、「岳」の人ですから(笑)でも、これはちょっと報告になっている。
 
池田_これはおかしいでしょう。
「扇風機好き好き好きと押し倒し」
まさか、扇風機を押し倒している分けじゃないでしょうね(笑)
榎本_今の若い女の子と男の子を見ていると、女の子が積極的でしょう。
この句を読むと男の子が押し倒されそうな感じがする。(笑)
池田_<押し倒し>だから、そう。
自分が押し倒したんですよ。
私、こんなこと書かないで終わっちゃったなあ(笑)
榎本_これ、押し倒されたんじゃ面白くない。
しかも、扇風機だから、下宿か何かみたいなところで押し倒されたという感じだ(笑)。
池田_作者はそれほど若くないんですよ。
宗田_だから意外に思うんです。
池田_最後の句。
「抱擁の旬は初冬二十二時」
も笑っちゃう。
榎本_自分の領域では理解できないけれど、今の風俗からすると理解できる。
宗田_そうでしょう、いずれも時代の個性なんでしょうね。
池田_こういう俳句はあまり書かれていないでしょう、ここまで言うのは。
榎本_扇風機が面白い、生温かい風でね。
池田_ええ、貧乏たらしいところまではいかないんだけれど、余りスマートじゃないんです、扇風機とくると。
榎本_そう。
池田_現代に自分が生きているということを出したいという思いがあるんじゃないですか。
だけど、神楽も詠んでみようかという努力のあとが窺われます。
宗田_現代の女性が見えてくる、勉強になったな(笑)
池田_どっちに進む人なのか、まだ分からないですね。
榎本_<扇風機>のほうはいいんだけれど、<抱擁の句>が出てきますから、ちょっと。
池田_よくこんなこと考えたという手柄はあるかも知れない。
それにしても、<二十二時>は随分早いな(笑)。
 

 
 
 
――――・――――
 
平成16年2月⊡角川俳句
合評鼎談より‣⑤
今橋眞理子(ホトトギス)蝶凍つる
 
池田_この町の空より広く鰯雲
素直な句ですが、「この町の空」は自分に見えている空ですね。
それ以上に空が広いんだという。
いかにも秋の空の広さが出ていると思ったんですよ。
宗田_風音の水音に似て秋の山
こっちの方かな、僕は。
池田_きれいな句ですね。
宗田_そう。風と水。
池田_「似て」という断定もあるけれど、「違う」という言い方もあるかもしれない。
榎本_ちょっと響いてくるものがないね。
池田_時雨去り月天心に移りをり
これものすごく普通のことを言っているんだけれど、「月天心に移りけり」ではダメだというところがはっきりある。
気が付いたら、月が天心に移っていたということで、この「をり」が効いているなと思いました。
榎本_そう。「けり」だと時間が止まるね。
池田_そうです「けり」じゃないんです。
移っていったということに自分が気付いたということなんです。
宗田_これはやはり自信作なんでしょうね。タイトルの、
蝶凍つる音なき音につつまれて
ちょっと難しいけれどね。
池田_私はこれ、採りませんね。
宗田_採れないねぇ。「音なき音に」がね。
池田_甘いんじゃないんですか。
むしろ、何も言ってないで、月が移っていったとか、この町の空より広いというほうがきちっと読めるなあ。
榎本_やっぱり(蝶堕ちて大音響の結氷期)_富沢赤黄男・の方が面白い。
宗田_「音なき音」は説明。
榎本_みんな、ちょっともってまわった言い方で、気分でやっているよね。
断定がない。
俳句は断定の文芸だと思うんだが。
 
 
 
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平成16年2月⊡角川俳句
合評鼎談より‣④
桑原三郎(犀・つばさ)
 
葉鶏頭英語で話しかけられても
宗田安正_これはおかしい。
自分が英語で話かけたのではなくて、葉鶏頭が話しかけられて困っているんですよね。
僕はそう取った。
池田_エッ?私は、葉鶏頭のある場所で自分が英語で話しかけられたのだと思った。
宗田_さっきの、写生からのメタモルフォーゼじゃないけれど。
榎本_いや、これは取り合わせですよ。
ただ、この人仕掛けが「も」なんです。
本当なら、「て」止めで「英語で話しかけられて」にするんだが。
池田_話しかけられても困るわというのがあるんですね。
榎本_だから「も」が仕掛けなんですよ。
宗田_「も」で葉鶏頭自身に戻るような気がしないでもないんだが。
池田_「かけられても葉鶏頭」ですか。
いや、この「も」は話かけられても困っちゃうよという「も」だと思いますよ。
榎本_そこまで見せない方が「話しかけられて」で切ったほうが面白いんだけど。
宗田_葉鶏頭に彼が同化しいるんじゃないのか、さっきは写生からの、今度は言葉からの発想のメタモルフォーゼ。
自分の気持ちを葉鶏頭になって言わせる。
でないと僕には余りおもしろくない。
榎本_ただ、この世界を余りやると怖いね。
池田_そうですね。この人すごく分かっているんですよ。いろいろな句を作れるんです。
だから、もし失敗した場合は自分で分かると思うし、突っ走らないでしょう。
真似たら危ないですね。
榎本_こういう抽象的な句には、この三人は長居しそうですから、次にいきましょう(笑)
―――・―――
 
―――・―――
 
平成16年2月⊡角川俳句
合評鼎談より・③
作品12句
斎藤梅子(青海波)
 
榎本_僕はその少し前の、
狼の祭とほくに嬰がゐる
これ、面白い句だと思います。
池田_「とほくに」はどっちに付くんですか。
榎本_祭りから離れて遠くに嬰がゐるということでしょう。
池田_「狼の祭」で切れているんですか。
私が迷ったのは、勿論、「狼の祭」というものと「赤ちゃん」が「遠くに」ということはわかる、間違いっこないんだけれど、「狼の祭を遠くにして」とも読める。
榎本_聞いているということで、両掛かりになるということね。
池田_ええ、どちらかなあ。
同じ図柄であるけれど、どっちに掛かるかによって作者の居場所が変わるんです。
「狼の祭りを遠くに」といったら、赤ちゃんのところに作者が居る訳でしょう。
榎本_上に掛かるとすれば聴覚の世界だと思う。
だけど、下掛かるとすれば視覚の世界かも知れない。
目で見えるところの遠くに子供がいると。
池田_下に掛かると思えば、自分は狼の祭のところにいるんですよ。
 
榎本_そこから見て、自分の見える遠くに嬰が居る。
*不思議なものがあるし、狼というのは面白いので、これもまた特殊なんだけれど、「送り狼」という言葉は、狼は懇ろにちゃんと接すれば守ってくれる動物なんだということで、だから、もともとの「送り狼」は今使われている言葉とは違う意味だそうです。
これはあまり掲句とは関係ないように思う。
 
池田_ちゃんと送り届けてくれるのが「送り狼」?へえ、今は逆ね。
榎本_そう。途中で襲っちゃうのが今の「送り狼」でしょう。その辺が面白いですね。
池田_でも、この句、本当はどっちかはっきりしたほうが、句としてはいいような。
読む人はどう思ってもいいけれど、作者としてはきちっとしたほうがよいのではないでしょうか。
榎本_両掛かりの感はなきにしもあらずですね。

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