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Flyte Tyme −Minority Report−
★映画鑑賞記録=不定期更新中★(現在はインスタグラムがメインになっております[zola1966koji]

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その六からの続き・・・


1989年末、六本木に代わって注目され始めた湾岸地区に新たなクラブ「GOLD」がオープンした。

この「GOLD」は「ツバキハウス」「クラブD」「トゥーリァ」など、時代を象徴するディスコを手がけて来た佐藤俊宏氏の手によるもので、ニューヨークでDJ経験もある高橋透さんをDJ、ディレクターとして招聘した。
おそらく、この2人が組まなければあのようなクラブは誕生しなかただろう、ごれだけは断言しておきます。

「GOLD」は芝浦にある七階建ての倉庫を丸ごとクラブにしてしまったもので、ピーク時は3000人を飲み込むモンスタークラブだった。
1階はエントランスのみ、2階に上がると巨大なバーとラウンジスペース、可動式のDJブースと100名ほど踊れるサブ・ダンスフロアがある。
そして三階はメイン・ダンスフロアがあり、ここから4階、5階までの吹き抜けになっている。4階部分には店内を一周できるキャット・ウォークがあり、上からダンスフロアを見下ろすことができた。
5階は「LOVE&SEX」と名付けられたチルアウト・スペース。
6階の「YOSHIWARA」は京都のお茶屋を再現したような会員制クラブで、奥には20名ほど入れるジャグジー式の風呂があり、東京タワーを眺めることもできたようだ。
そして七階は「URASHIMA」という名のイベント・スペースになっていた。

そして、この「GOLD」の最大の特徴であり最高のインテリアが最新鋭のサウンドシステムだった。
DJの高橋透さんが「GOLD」での仕事を受けるにあたって、もっとも重視したことが「音楽はハウスミュージックであること」、そしてハウスミュージックをプレイするには必要不可欠であるサウンドシステムにお金をかけて欲しいということだった。
それまで日本のディスコやクラブで音にお金をかけたお店は皆無だった、ニューヨークでは当たり前のようにお金をかける、何よりも一番お金を使うのがサウンドシステムだったのだ。
ニューヨークで数々のクラブを体験していた高橋透さんは「良い音があれば多くの人達に本物のダンス・クラブを体験してもらえる」、そんな強い思いがあったそうだ。
そしてニューヨークから招いたのがサウンド・エンジニアのジェームス・トス。
彼が設計した強力なサウンドシステムはそれまでの常識を打ち破るものだった。

フロア入ると正面には壁一面に組み上げられた巨大なスーパーウーハーがあり、ダンスフロアの四隅にはユニット・スピーカーを設置。
フロア左右にはツィーター・スピーカー2器、さらに4階吹き抜け部分には4発のフルレンジ・スピーカーが吊るされていた。
高橋さん曰く「これらすべてのスピーカーを同時に鳴らすと、クラブの音響としては前代未聞の驚異的な音圧が発生した」、まさにその通りであります。
吹き抜け部分には最新型の液晶ビジョンが八台、スクリーンが八箇所に設置され、これらにはアーティストのオリジナル映像が映し出された。
聴覚、視覚共にそれまで体験したことのない最大の技術が投入されたダンスフロアだった。
おそらく、この音響設備だけで六本木のディスコが2〜3件作れるほどのお金がかかっていたと思います。


僕が「GOLD」を始めて体験したときは今でも忘れることができない。
おそらく多くの人達が同じ思いをしていたと思う。
それまで「音は耳で聴くもの」という考えが当たり前だったが、この「GOLD」ではそれまですべての常識が覆されたのだ。
「音の中に居る」という感覚はまさに初めて!
それまで聞き慣れていた曲もまったく違うサウンドに聞えるし、今まで聞えなかった楽器の音が鮮明に聞き取れる、これはある意味カルチャー・ショックといってもいいかも知れない。
それまでDJとしてプレイしていたハウス・ミュージックの素晴らしささえ、この「GOLD」で初めて知ったといっても過言ではないだろう。
高橋透さんの思惑通り、僕はこの「GOLD」で本物のダンス・クラブを体験したのだ。

自分自身が音と同化する感覚、ダンスフロアに降り注ぐ巨大ミラーボールの光、DJの素晴らしい選曲とMIX、そこで天を仰ぎ絶叫するクラウドたち、そこはまるで天国にいるかのようだった。

僕はこの「GOLD」体験後、ハウス・ミュージックに取り憑かれることになる・・・。
自分のお店で「GOLD」を再現することなど絶対に出来ないが、ハウス・ミュージックをなんとしても多くの人達に伝えたい!そんな気持ちが強くなったのは確かです。


そんな「GOLD」ですが・・・客層もハンパじゃなかった・・・。
業界人、芸能人は当たり前、抱き合うゲイたち、発狂する白人、ボンテージ姿でムチを振るう女王様、トイレでナニする若者たち、フロア横で座禅を組んで瞑想するお坊さん、そしてここでは言えないような輩も大勢いた。
とても選び抜かれたとは思えない様々な人種が渦巻いていたのだ。
ちなみに「GOLD」では入り口でドアマンがお客を選んで入場させていた、これは満員のため制御するものではなく、誰でも入れて雰囲気を壊さないためだったり、お客を待たせ行列を作ることで「いつも並んでいる」という噂を作為的に作り「GOLD」に入れること自体にステータスを持たせるためだったようだ。
これはニューヨークのクラブでは当たり前の光景、それまでの常識を破るというのは、こういうところにもあるだ。

「GOLD」のフロアを操るDJたちも素晴らしいメンツが揃っていた。
土曜のレジデントDJはもちろん高橋透さん、あの「パラダイス・ガラージ」を体験した数少ない日本人DJだ、僕は高橋さんのDJが一番好きだった。
そのほか、当時国内のハウス・シーンをリードしていた名だたるDJたちも集まった。
海外からも多くのDJが来日した、「Masutermix Dance Party」と題されたサタデーナイトには、トニー・ハンフリーズ、マスターズ・アット・ワーク、ティミー・レジスフォード、トッド・テリー、ロジャー・サンチェス、フランソワ・ケヴォーキアン、そしてあの「パラダイス・ガラージ」のレジデントDJだったラリーレバンなど、当時のニューヨークそのままが体験できたのはこの「GOLD」だけだっただろう。


DJとしての価値観を変えてくれた「GOLD」は、僕にとっては計り知れない影響があった。

もしタイムマシンがあったら、きっとこの時代に戻って「GOLD」をまた体験したいと思うだろう。

あの音を体験した者なら、きっとみんな同じように思うはずだ。



「GOLD」がオープンして一年も経つと後続のクラブが次々と現れた。
西麻布の「イエロー」(最近閉店した)は立地条件も良く、音も良かった!
その後、ここは「GOLD」の次に日本を代表するクラブに成長して行った。
小さくても良質なお店も多く出現し、次第に客足もそちらの方へ向いて行く。
91年には「GOLD」の向かいに、あの「ジュリアナ東京」もオープン。


バブルの崩壊を目の前に、時代はまた新たな方向へ・・・。


そして、多くのクラウドたちを熱狂させたモンスター・クラブは95年に幕を閉じます。
(倉庫が5年半の契約だったので予定通りの閉店だった。)





                                 次回、最終回につづく・・・




ほんとに長くてゴメンナサイ・・・。

この記事に

  • ZOLAさん、今回もちゃんと最後まで読ませていただきました♪
    本当にこの頃って、バブル〜だったんですね〜☆ 今、思うとお金の使いすぎ〜!
    GOLDってジュリアナの前にあったんですね。知らなかった〜!
    ヴェルファーレになってからは、行ったことがあったけど、その頃はもうなかったのかな?

    Masako

    2008/9/17(水) 午前 11:21

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  • ゴールド、まさに最先端の箱だったんですね(゜o゜俺もタイムマシーンがあったら体験したいですよ(o^-')bそして来日しているDJの面々に驚きましたw(゜o゜)wすごい人ばかりです(o^-')b本当に音がいいとそれだけでノリも変わって行きますよね。

    つる

    2008/9/17(水) 午前 11:28

    返信する
  • 「音の中に居る」という感覚、味わいたかったですね〜
    それと「フロア横で座禅を組んで瞑想するお坊さん」って是非見てみたかったです。
    色々と体験できたZOLAさんがホント羨ましいです!

    [ テラ ]

    2008/9/17(水) 午後 1:38

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    MASAKOさん>ありがとうございます!
    「GOLD」は一番正しいお金の使い方をしてますが、やはりバブル時代だからこそできたお店でもありますね。
    MASAKOさんもあの音を聴いたら「お金の使いすぎ」とは思わないでしょう。^^; 音を伝えられないのが残念です!

    「ヴェルファーレ」は六本木ですね。。。

    ZOLA♪

    2008/9/18(木) 午後 10:31

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    MACKEYさん>当時はニューヨークのどのクラブよりも音が良いと噂されてましたから・・・DJでなくても、その凄さが分かると思います。
    どんな曲でもカッコよく聴こえますからね、魔法の音でもありました。

    DJは日本人だと木村コウ、ナオ中村、NORI、ジャンボ、EMMA、富家サトシなど、海外の有名DJもほとんど来てましたね。。。

    ZOLA♪

    2008/9/18(木) 午後 10:42

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    テラさん>5m四方はあるスーパーウーハーの箱の中に、頭を突っ込んで動かない奴もいましたね。
    音だけで、ある種の麻薬になりえます・・・。
    他では体験できないほどの爆音なのに、その音の中で眠ることも出来るんですよ、それほど音が良すぎて気持ち良くなるということです。
    お坊さんの瞑想も納得です!^^+

    ZOLA♪

    2008/9/18(木) 午後 10:50

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    GOLDは、イィ店でした。
    ボクは、J trip Bar Endmaxで働いてたので、なかなか行けなかったなぁ。
    GOLDの後に、うちの店に来る場合も多かったかな?
    ラリーレーバンのプレイを録ったテープも有ったけど、凄い人だと関心させられたなぁ。
    ・・・僕らは敬意を込めて、GOLDを【金】と呼んでました。
    まぁ、金メダルのクラブでしたし、絶対に太刀打ち出来ない事も明らかでしたからねぇ。

    [ - ]

    2008/10/5(日) 午後 9:35

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    仰るとおり!GOLDはまさに金メダル級のお店でしたね!
    僕もラリー・レバンのDJをテープで聴いたことがありますが、神様級のプレイでした。一度は生で体験してみたかったです。
    Endmaxで「クーリン・ハイ」だったかな?ヒップ・ホップのイベントやってませんでしたか?僕の先輩がオーガナイザーの一人だったので何度か遊びに行きました。
    あそこも良いお店でしたね!

    ZOLA♪

    2008/10/6(月) 午後 11:11

    返信する
  • 伝説のGOLDとジュリアナは行ったことがないのです。
    だだ当時芝浦まで行くのが面倒で・・・(笑)
    六本木止まりでした〜(笑)
    でも両店とも1度は行っておきたかったな。。。

    DORO

    2009/3/23(月) 午前 7:16

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    「GOLD」は是が非でも体験するべきでした。^^+
    僕自身、それまでの常識をすべて覆されましたからね、あそこでハウスミュージックを体験したら抜けられなくなりますよ!
    今でも、いつか復活してくれることを願う貴重なお店です。。。

    ZOLA♪

    2009/3/24(火) 午前 1:56

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    沖縄からGOLDに遊びに何回も東京に通いました…。本当GOLDって最高のクラブでしたね。あんなスゴイ箱を作ってくれた透さんには感謝でした。それから、もちろんラリーにも感謝です。今夜もGOLDの夢でも見ながら寝るとします。おやすみZ〜Z〜Z

    [ makoto ]

    2011/7/10(日) 午後 8:21

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    沖縄から通ってたんですか?それは凄い!
    でも、それだけの価値がある最高のクラブでしたね。
    僕はタイムマシンがあったら真っ先にあの頃の「GOLD」に行きますよ。(^。^)

    「GOLD」を体験された方とはなかなか出会えないので嬉しい限りです。DJとしてもお客としても、まさに天国のような場所でしたね。。。

    ZOLA♪

    2011/7/10(日) 午後 9:35

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    はじめまして。
    昨日、たまたまGOLDのことを思い出してブログ記事にしました。

    メインフロアは酒を片手にゆらゆらしながら、胃腸で感じるような音の洪水を浴びる気持ちよさを知ったところでもありました。もう40歳を過ぎましたが、叶うならもう一度行ってみたいです。
    今行ったらどう感じるのだろう?
    LOVE&SEXも不思議と落ち着ける大好きなところでした。

    [ D ]

    2012/6/24(日) 午後 9:34

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    DropKnee928さんようこそ!初めまして!

    GOLDを経験されている方と出会うのは嬉しい限りです。
    あの箱の凄さは経験者同士でないと語れませんからね。(^。^)
    あれほど刺激を受けたクラブは存在しないし、日本ではもうGOLDのような箱はできないでしょうね。
    何よりもあの時代の空気感と言うか、音楽も含めて最高の時代だったのではないでしょうか。

    やっぱり、また行きたいと思いますよね。(^。^*

    ZOLA♪

    2012/6/25(月) 午前 10:27

    返信する

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