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パチパチパチパチ!ボンボン!
勢いよく燃え盛り、竹が爆ぜる音と共に炎が夜空に舞い上がります。
闇の中に赤く浮き上がった人々が、空を焦がすかのような凄まじい炎に歓声をあげます。
そんな中、私の隣にいたお年寄りは、炎に向かって手をあわせ、静かに頭をさげていました。
すでに1週間以上も前の話しですが、1月13日に『どんど焼き』に行ってきました。
正月の門松や注連飾りなどを家々から持ち寄り、一箇所に積み上げて燃やすという、お正月定番の火祭りです。
自分でも意外なことに、この火祭りを実際に目の当たりにするのは初めてのことです。
もちろん、テレビや本(小学校の教科書にもあったような…)などでは見た事があるので、何となくは分かっていましたが、こうして実際に見てみると、その炎の美しさ力強さに圧倒されてしまいます。
夜空を染める荘厳な炎を見ていると、祭りの本当の意味が分からなくても、自然と手を合わせるものだと思えてくるのですから不思議です。
きっとお隣にいたお年寄りは、この1年の身体健康・無病息災・家内安全・五穀豊穣などを火に向かって祈願していたのでしょう。
家に帰ってから、どんど焼きの由来を調べると、この火にあたったることによって、そのような願いが叶うと言われていることを知りました。
また、この炎で焼いた団子を食べたりすると病気にならないとか、虫歯にならないとか言われているそうで、こちらでは長い竹竿の先にお餅(角餅)を挿したもが用意されていました。
社会勉強のため連れてきた下の子から、何故お餅をこんなふうにするのかを聞かれましたが、初めて見る私がそんなこと知る由もないので、「竹は縁起モノだからかね…」などと適当なことを言って誤摩化していましたが、いざ火にお餅をかざしてみるとその理由がよく分かりました。 とにかく熱い!猛烈な火力です!
炎から発せられる輻射熱が、顔や手といった肌を露出している部分に容赦なく襲いかかります。
「熱い熱い!」言いながら、なるべく炎から遠ざかるように手を伸ばしながら、餅を火にかざします。なるほど…どうりで長い竹竿が必要な訳です。
あまりの熱さに、デジカメが壊れてしまうのではないかと心配になった程です。
下の子は自分の分を私に渡して、さっさと後の方へと避難してしまいました。まったくもって、ちゃっかりした子です。
町中で育ったせいなのか、それとも反抗期が長かったせいか(笑)、子供の頃からこういった伝統的なお祭りとか、窮屈なしきたりといったものとは無縁の生活をしてきました。
ところが最近になって、あれだけ否定していた古くからのものが妙に気になるのです。
経験してないことへの好奇心でしょうか…そうそう「温故知新」という素晴らしい言葉もありますね。
若い頃は新しいものが全てでした。
もしかしたら、やっとそんな境地に辿り着いたのかもしれません。
下の子がちょっと退屈そうにしている姿に、あの頃の自分から「ずいぶん丸くなったもんだね〜」と皮肉を言われているような気がしました。
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