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ふわふわの帽子を被っていると思いきや、ちょっと重そうです。
2月6日(水)庭はいつもと違うの表情で私が目を覚ますのを待っていてくれました。
仕事へと出かけるまでの短い時間ですが、カメラを片手に庭を見渡します。
こんな雪を『みず雪』というのでしょうか…今年2回目の積雪は、1回目同様水分の多い雪となりました。
積雪量は今回の方が多いように感じますが、ご覧のようなシャーベット状の雪質ですから、残念ながら長くはこの光景を見る事はできないでしょう。
冬枯れの庭を明るく彩っていた実は、たった二度の雪に覆われただけですが、表面はふやけ小さく萎んでしまい、色も褪せはじめています。
秋から冬にかけての輝くような張りのある赤い実を知っているせいか、こんな姿を見るとちょっと物寂しさは感じますが、きっとそんな心のありようが、雪の白と実の赤の色彩をより美しく際立たせているのかもしれません。
野バラの実をうつむかせる重い雪は、まだ降り積もっているにも関わらず、早くも実の先端に冷たい雫を膨らませていました。
静かにこぼれ落ちる雫に春の訪れを感じます。 冷たい風で大きく枝を揺らしていたのが昨年の11月末…冬の訪れを感じる中、野バラの実同様このアカシアの花が咲く庭の一画は、春のように明るく輝いていたのを思い出します。
黄色い綿毛のような軽やかな花びらは、雪の冷たさのせいか、いつしか蕾のように小さく身を縮めてしまいました。
野バラの実のように色もすっかり褪せてしまいましたが、それでも春の色彩が残っていたのは嬉しい限りです。
蕾からこぼれ落ちようとするこの水滴もまた春の雫です。
きっと零れ落ちたその一滴一滴が、春の命を育むのでしょう。
冬の名残、そして春の予感…。
この日の雪はそんな変わりゆく季節からの、ちょっとした挨拶だったのかもしれません。 |
のいばらが咲く小径で
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野趣溢れるバラの咲く小径で過ごす休日
コメント(12)
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携帯電話にbutanukiから電話がかかってきました。
仕事中に電話をかけてくる事なんて滅多にありません。
かけてくるのは、よっぽどのことがあった時だけです。
子供は学校にいっている時間なので、学校で何かあったのか?それとも、butanuki自身に何かあったのか?
一瞬ではありますが、何を言われてもいいように心の準備をして、通話ボタンを押しました。
「仕事中ごめんね…」受話器の向こうから、神妙な感じのbutanukiの声が響きます。
「今大丈夫かなぁ…」(大丈夫!いったい何があった?)※以下( )内は私の心の声です。
「今さぁ…知らないおじさんがさぁ…」(知らないおじさん?)
「ピンポーンって来たんだよ〜」(あ〜まどろっこしい〜!)
「それがさぁ〜」(いいから早く何があったか言いってよ!)
「庭のバラの実が欲しいって言うんだけど…」(へ?バラの実ってこれのこと?↓)
淡いピンク色の花びらを、5枚だけ開かせる一重咲きのあまり見かけないバラです。
花径は4cmと小さいうえ、咲いたかと思うと二日たらずで、はらはらと散ってしまうので、可憐という言葉がピッタリ当てはまります。
20年前くらいに購入したものですが、いつのまにか茎に結わえておいた名前のタグがなくなってしまい、すっかり名前が分からなくなってしまいました。
おそらく野バラの「ドッグローズ」か「スィートブライヤー」のどちらかではないかと思うのですが…今だに確証がないので、いつも野バラと呼んでいます。
この野バラですが、5月末から6月頭くらいに花を咲かせたあと、残された子房が徐々に膨らみ始め、10月頃にはオレンジ色に色づきはじめます。
この赤く熟した野バラの実は、ローズヒップとも呼ばれハーブティーのローズヒップティーに使われる事で有名です。果皮にはレモンの20倍ものビタミンCが含まれているため、美容や健康に良いと言われています。
収穫に適した時期は、実がオレンジ色から更に赤くなる11月くらいまでとされています。
バラは実をつけたままだと翌年の成長に影響してしまうので、ハーブティーにするしないに関わらず、その頃には全部剪定してしまうのがベストです。 ただすっかり色を失ってしまう冬の庭では、この彩りがあるのとないのとでは大違いです。
そんな訳で、ついつい今日まで残してしまいました。
色は寒さにあてられ更に赤味は増しましたが、霜のせいでしょうか、ツヤとハリのあった表面がすっかり失われ、ふやけているように見えます。
すっかり熟しきってしまったので、そろそろ剪定しないと…と思っていた矢先ではありました。
ただ差し上げるのは構いませんが、収穫するにはちょっと時期外れなのが気になります。
「好きなだけもっていっていいけど、何に使うかだけ聞いておいて」
butanukiにそう頼んで電話を切りました。
おじさんがいったい何に使うかちょっと興味があります。
もしかしたら、なにか発見があるかもしれません。
仕事を終え家に帰ると、玄関に見慣れない植物の鉢植えが置いてありました。
しかも植木鉢が木製の樽のようなものでできています(なんか変わってる…)。
野バラの実を収穫していったおじさんが、夕方にまた来てこれをお礼にと置いていかれたそうです。
葉っぱの感じだと多肉植物のようですが…また名前を調べないといけない植物が増えてしまいましたが、おじさん曰く秋から冬にかけてこのような赤い色に紅葉するのだそうです。
もしかしたらバラの実と同じように、秋から冬を赤く彩る植物を持ってこられたのかな?
きっと来年の秋には、野バラと一緒に赤く色づく姿が見れることでしょうね。
そうそう、butanukiが帰り際に何に使うのかを聞いてみたら、嬉しそうに種をとって育てると言っていたそうです。
バラを種から育てるのはやったことがありません。今度やってみようかなぁ〜。
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fu yu sou bi
キーボードを叩くと、モニターに「ふゆそうび」の平仮名文字があらわれます。
そしてスペースキー叩くと、その平仮名文字は瞬時に「冬装備」と変換されました。
今日は穏やかな晴天に恵まれましたが、明日以降、徐々に天気は下り坂に向かい、14日の成人の日は雪が降るかもしれないという予報が出ています。
もし雪が降れば、今シーズン初めての雪です。
いよいよか…と、その変換された漢字から、雪の景色を思い浮かべます。
ただ私が求めている漢字はそれとは違います。
ところが何度かスペースキーを叩くも、一向に求める漢字にはなってくれません。
そこで、「ふゆ」「ばら」と別々に入力して変換します。
「冬薔薇」
俳句の世界では、冬薔薇と書いてふゆそうびと読むそうです。
ふゆそうびとは、冬枯れの中にぽつりと咲き出したバラの花をさします。
わが家のバラたちも、寒さに耐えながらなんとか咲こうと蕾を膨らませていたものがありましたが、ここ数日必ずといって降りてくる強霜のせいか、いつしか花びらを広げることをやめてしまいました。
甘い香りとクリーム色に赤い縁取りの色彩が魅力の『ダブル・デライト』は、すっかり蕾の中にそれらを閉じ込めたまま、じっと冬の寒さに耐えています。
その魅力を堪能できないのは残念ですが、花びらの深みのある赤色からクリーム色へのグラデーション、そして淡い緑色のがくとの色の重なりは、まるで十二単の重ね色のようです(最近この表現が多いですね…笑)。
ミニバラ『テディベア』は、クリスマスまでは花びらが開いていたので、クリスマスの飾り付けとして利用していましたが(瓶に挿していたやつです)、とうとうこれもこれ以上は花びらを開かせることはなさそうです。
本来の花びらの色は、レンガっぽいアンティークな色調で、その名の通りテディベアの人形のようなのですが、真冬の寒さに当たったせいでしょうか…深く赤みが増して、いつもと違った風合いになっています。
この状態でも切り花として部屋に入れても十分可愛らしいと思います。
いずれにしても、バラの冬の管理上、剪定しないといけませんので、しばらく様子を見てからインテリアとして楽しむことにしました。
名前はちょっと忘れてしまいましたが、これもミニバラです。
薄いピンク色の蕾の質感はまるで和紙のような繊細さを感じます。
ほんのりピンク色がかった蕾は、北風の冷たさに頬を染めた女の子ような可愛らしさです。
これらの蕾はおそらくこれ以上は開くことはないでしょう。
仮に開いたとしても、霜や雪、冷たい北風に吹かれたりして、春を待たずに儚く崩れ落ちてしまうと思います。
主に1月の季語としてつかわれる「ふゆそうび」は、冬枯れの景色の中で凛としている姿と、春の訪れまでじっと待つ儚気なところに美しさを感じ用いられるのではないでしょうか(あくまでも私の想像ですが…)。
きっと雪のちらつく寒い日は、いっそう鮮やかに見えるような気がします。
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「なんの花ですか?」
後から穏やかな口調で声をかけられました。
振り返ると、フェンス越しに優しい微笑みを浮かべた年配のご婦人が立っています。
「あ、これバラなんですよ」と、いきなり声をかけられた動揺を隠すかのように、言葉少なめに答える私に、ご婦人はすこし驚いた顔をしながら「こんなバラもあるんですか〜」と壁一杯に広がるそのバラを見上げました。
ちょうど咲き終わりそうなバラの花を摘む作業をしていたので、「香りがとてもいいんですよ」と剪定した一輪を差し出しすと、ご婦人はそれを手にとり花びらにそっと鼻を近づけ「ホント!いい香りですね」と嬉しそうに何度も香りを楽しんでいました。
のいばらの小径は、通りに面しているので、この時期バラの手入れをしていると、思いがけず声をかけられることが多くなります。
育てているのが主にオールドローズという種類なので、少し変わったフォルムのものが多く、なんの花なのかと、道行く人の興味を誘うようです。
しかもこのバラは、見ての通り黄色がかったオレンジ色、大きさも中輪(5cmくたい)と結構大きいので、とても目立ちます。
草丈は年々大きくなり、今や2階にまで届く大きさとなり、家の外壁いっぱいにひろがっています。
前にイギリスのフロントガーデンとバックヤードについて触れましたが、わが家ではこの小径がフロントガーデンにあたります。
意図して「見せる庭」にした訳ではないのですが、道行く人に声をかけられ、やさしい笑顔に触れ合うのは悪い気はしません。
「それ、よろしかったらどうぞ♪芳香剤になりますよ」
一輪でもコップなどに挿しておけば、その甘い芳香を部屋中にひろがります。
しかもそれは、花びらを散らした後も残っていて、ドライでもしばらくは香りを楽しむことができます。
どうやら、わざわざ声をかけてくれた事に気を良くしてしまったようです。 押し付けがましいとも思ったのですが、ご婦人はとても喜んでくれたご様子…何度も感謝の言葉を言いながら小径を後にしました。
「ソレイユ・ドール」
ほんのひと時ですが、沢山の笑顔を連れてくるバラです。
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夏の間そこにあった眩い太陽は、今やご近所さんの屋根の向こう側…。
朝から夕方まで、当たり前のように日の光を浴びて輝いていた庭は、場所によっては影に包まれ色褪せたまま1日を終えてしまいます。
それは家々が立ち並ぶ一角ゆえ仕様がないこと…そんな事はわかっていても、秋バラが咲き誇る話題が耳に入ると、いまいち元気のない小径のバラたちには申し訳なく思ってしまいます。
そんな私の思いを察してくれたのか、影を落とした場所に植わっていた『スノー・グース』が花を咲かせてくれました。
小さくまんまるに開く白い花びらが、まるでふわりふわりと降る綿雪のように見える可愛らしいバラです。
バラと言えば、大輪で豪華な花が目を引きますが、このような花径5cmくらいのポンポン咲きのバラは珍しく、しなやかな細い枝に可憐に咲く姿になんとも癒されます。
もうすぐこのバラが小径にやってきて初めての冬を迎えます。
もっと日のあたる場所で冬越しをさせてあげたいのですが、残念なことに小径と呼ぶだけあって行き場所が残されていません(それでもついつい買って来てしまう…)。
なんとかこの場所で無事に冬を越してほしいものです。
12月くらいまでは花を咲かせると言われているスノー・グース。
もしかしたら雪の舞う中で羽ばたくスノー・グース(白雁)が見られるかもしれません。
Snow Goose スノー•グース
■系統:シュラブ/S/イングリッシュローズ
■作出:1996年 David Austin イギリス
■花:小輪/5cm/ポンポン咲
■中香
■四季咲き
■樹高:1.8〜3m
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