ココア共和国

ここはどこだ。ここはココア共和国。きょうはここらでココアにしよう。秋亜綺羅のブログです。

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受贈詩誌の感想(5)

受贈詩誌の感想
 
「サルとビ 58
 
 
採掘する君
 
 
ぼくは逃げる 水のからだ
よくよく 閉鎖された階級の街にいる
それに気づいて なぜか言葉の振動
「さては神々の上の神なるは 君か」
罪に突入する直前のローマンの窒息する位置に
歌の心臓に伝わるべき無地の岸辺へ
道を這い上がるところの<とき>
意志されない地図にしるしたる<とき>の
挫折から遠い 分裂した迷いの体質の君とは
 
           (田中久雄「改稿・・<とき>の河口」)
 
 
第一印象は「難しい」、読み込んでいくうちに感じたのが「身体感覚的」「哲学的」。
意味はよく分からないものの印象深い夢を見ているときのような詩で、「ぼく」や「君」が生身ではなく世界との境界が曖昧なあたり、少し共感しました。
この方は、なにか真理らしきものを見出そうとしている採掘者みたいです。頑張って掘り続けて欲しいです。
 
 
 
 
 
季刊詩誌 柵 次第六号
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2015年1月1日
編集・発行:志賀英夫
発行所:詩画工房
大阪府箕面市新稲6-20-7
 
 
夏の刻印
 
 
陽に火照った一日が
真っ黒になる 夏の闇
 
夜空に打ち上げられた
大輪の花火
開ききった花が崩れ
消え去る間際のひかりの凋落
線香花火が燃え尽きた
赤いピリオドさえも
闇は 飲み込んでいく
 
朝がやってきても
夏の闇は消えず
火種を孕んで
焦がれたまま
影のように咲いている
 
 (水木萌子「黒いひまわり」)
 
 
「黒いひまわり」というタイトルにバーッと見つめられたような気がして、読み進められずにはいられませんでした。冬から一気に夏へと連れ去られ、太陽と花火――焼き付いた影の花が私の心にも咲きました。
 
 
 
 
 
季刊詩誌 柵 次第六号
 
魂の故郷、銀河
 
 
鳥はみずからの空をもつ
人はみずからに銀河をもつ
 
深部にくすぶる衝動にかられ
いくつもの異なる時間と空間を漂う
 
群れても鳥はただ一羽の鳥であった
研ぎ澄まされた五感だけが支えだった
 
衝動はまだくすぶる
ゆくほどに空は広がり銀河は深まる
 
       (森崎昭生「宙をゆくもの」)
 
 
好きです。
先日、TVで銀河の番組を見たせいか。最近書いた詩に、銀河という単語を用いたせいか。
いえ、元々好きな世界観なのですが。
 
広大な宇宙に比べれば、自分などちっぽけなものだ!と思うと、塵みたいな悩みはブラックホールが吸い込んで、クリアにしてくれます。それに近い感覚が、好きです。
 
 
 
 
 
文芸アート誌「狼」24
 イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2014年11月
発行:狼編集室
〒243-0427
奈川県
老名市杉久保南1-3-1
老名第2スカイハイツ405号室
 
 
美しい病
 
 
音のないソネット
 
浦世耀一朗
 
 
ナチュラルノイズと同じなのだ
昨日きょうではない耳鳴りと思え
太古からひとは病んでいた
耳で聞くとすれば遠く離れた場所で
 
わたしの形をした飛行船は燃え尽きた
あなたがわたしを見ても形を失った絵
明日からもひとは病んでいくか
知らないノイズは樹林の中に隠せ
 
つい振り返ったために舞い散る願い
しがみつく右腕にさまよう無音の歯車
すれ違うひとの群れに もう形はない
 
どんなに美しがっても残る間違い
わたしは独り 耳を疑って塞いだ
空をいま飛んでいるのは耳鳴りの形
 
 
理由も意味もよく分からなかったのですが、とても惹かれました。いえ、よく分からなかったからこそ惹かれました。分かりたいという欲求が私を釘付けにし、悩ませ、読み込まざるを得ない心境に陥らせました。
 
誰も彼も病んでいるとすればそれは誰も病んでいないのと同じだと思うのですが、そこを病んでみせるというのは……いや、大なり小なり誰もが病んでいるということですね。病んでいないと思っている人も思われている人もきっとどこかしら病んでいて、それに気付くか気付かないか。ナチュラルノイズと同じ。
 
三連目が難しかったのですが、「どんなに美しがっても残る間違い」の内容、即ち病の有り様と解釈しました。よし、これで治った。と思ったときには、2時間経っていました。
 
 
 
 
 
文芸アート誌「狼」24
 
 
善悪の彼岸
 
(肌にも削いでいく冷めた朝に
どうしてだれもが見ぬふりをするのか 善の向こう岸に
いえ それでも わたくしたちは 善のためにいきてゆくのです
 
「いや わたしには善も悪もないような気がするのだけれども
そのようなものを超えたところに〝楽園〟があるのではないかと
だまって白い光の底から 白い光の表をみて
わたしはすべてを乗り越えていきたい
自らの輪郭さえ 光のなかでは溶けていくのだから
 
(いえ、あなたの嘘はもうけっこうです
 
         (光冨郁埜「肌にも削いでいく冷めた朝に」)
 
 
 
善悪について悶々と考えていた時期がありまして、
「根源的には善も悪もないが、人として生きるには何を善とし悪とするか自分で線引きする必要があり、その道筋に沿って歩む姿が生き様となる」
という結論に達したのですが、そこへ至るまでの葛藤を思い出しました。
 
詩全体としては淡い光を帯びているような印象があり、確かに、夜を越えていく朝の薄明かりのイメージです。
 
 
 
 
藤川みちる (ふじかわ・みちる)=劇作家・俳優・詩人
 1991年生。 仙台市在住。



 

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藤川みちるさん
秋さんのお手伝いご苦労さま。たくさんん詩に出会うことで、
藤川さんの詩もまたどんどん輝きを増してくるのだと思います。
どこかきりっと引き締まった感じの藤川さんの詩、いいなぁと
思います。お手本にしてわたしもがんばろうと思います!?

2015/1/27(火) 午前 0:58 [ M。bunko ]

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> M。bunkoさん
コメントありがとうございます。
色んな詩があって、色んな人がいて、面白いなぁと思いながら読んでいます。
「どこかきりっと引き締まった感じ」というのは、初めて戴いた感想です。
情緒的なものや具象的なものをバサッと切り落としている感はあるのですが、
その辺りがそう感じさせるのでしょうか?
まだ自分の詩を自分ではよく分からないものでして。
では、お互いに頑張りましょう!!

2015/1/28(水) 午前 0:17 [ 藤川みちる ]


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